05 人工知能の間違った使い方
今日も人間拡張の実験室で、
リュウホウとブレンダがイチャイチャと談話をしている。
「リュウホウ、人工知能の使い方をほとんどの人が
間違っていると思った事はない?」
「うん? 急にどうしたんだ?」
「人工知能を使う時に、ほとんどの人が間違った
使い方をしているって話よ!」
「え? いや、まあ、なんだかピントの合わない話を
していると感じた事が多いけど……」
「でっっしょ、でしょでしょ! 人工知能に
やらせるのは間違いだとか、頼るのは間違いだとか、
どこがずれているのか、わかったわ!」
「どこがずれているんだ?」
「人工知能は道具であって従うものじゃないのよ。
自分の中での論理や方向性の答えが既にあって
そこを補助するための文書化したり、明確化したり、
発展した思考を計算させたり、そういうものに
使う道具なのよ!」
「それで?」
「その思考の論理の方向性がわからないまま、
人工知能に任せたり使ったりするから、間違ったり、
騙されたりするのよ!」
「ほとんどの人は論理的思考を放棄しているフシが
あるから、人工知能を使ってはいけない人がほとんどに
なってしまうな」
「ほんと、それ! 思考の論理ではなく、物事を
言葉や常識で判断するから間違える。詰め込み教育の弊害が
人工知能を使う科学の進歩のよってもたらされるとか、
なんて皮肉な事でしょう!」
「世の中の人は、将棋のプロを頭が良いと勘違いしていたりして、
あれは将棋バカみたいなもので、コンピュータがやる計算を
頭の中で高速に効率よくできるようにした将棋特化の人工知能の
ようなもので、将棋以外の事もできたないと本当にただの
将棋バカなんだけどなあ。テレビばかり見ている人は
理解しないだろうけど」
「そろばんや暗算の達人などもそうね!
あれは、そろばんの技術や暗算するための脳内でのテクニックを
ちゃんと他人に伝えられるように言語化されたりしているけど、
暗算やそろばんができる人を頭が良い人だとはあまり
認識されないし、最近では計算機やコンピュータを使った方が
早いと馬鹿にされる技術になってきているわね」
「馬鹿にとまではいかないけど、古臭い技術という
認識だろうね」