表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/15

15 AIプログラミングの落とし穴

※Geminiに書いてもらいました。




15章:AIプログラミングの落とし穴


今日も人間拡張ボディシェアリングの実験室で、

リュウホウとブレンダがモニターを囲んで議論(という名のイチャイチャ)をしている。


「見て、リュウホウ! この最新の制御プログラム。

人間拡張のインターフェース用なんだけど、AIに全自動で組ませたの。バグ一つない、完璧な美しさだわ!」


ブレンダが誇らしげに胸を張る。

彼女の背後では、父ビール・ゲッツが提唱する「世界支配」のためのサーバーが、静かに、しかし力強く駆動音を立てている。


「へえ、AIが書いたコードか……。ちょっと見せてくれ」


リュウホウは実はプログラミングに明るい。

彼は「庶民主導のより良い世界」を目指す身として、支配層が使うシステムの「中身」を

理解しておく必要があると考えていた。

彼はモニターに流れる膨大なソースコードを、グラフェン化された鋭い視力で追う。


「……ん? ブレンダ、ここ、おかしくないか?」


「え? どこよ。

AIがデバッグまで済ませたコードに、人間がケチをつけるなんて100年早いわよ」


リュウホウは、入力処理のモジュールを指差した。


「この『ボタンが押されている間は1回しか反応しない』ように制御するコードだ。

一見普通に見えるけど、内部のカウンタ変数の処理と、特定の条件分岐が組み合わさっている。

……これ、数万回に一度のタイミングで、入力を完全に無視するようになってないか?」


「……えっ?」


ブレンダは慌ててコードを読み直した。

確かに、極めて稀なタイミングでフラグがリセットされず、

入力を受け付けなくなる「論理の隙間」が存在していた。


AIはこれをデバッグできるのか?

「リュウホウ、落ち着いて。AIに『このプログラムをデバッグして』って命令すれば済む話よ。やってみるわね」


ブレンダがAIに指示を出す。しかし、AIの回答は冷たいものだった。


AIの回答: 「構文エラー(Syntax Error)および実行時エラー(Runtime Error)は検出されませんでした。

ロジックは正常に機能しており、効率的です。デバッグの必要はありません」


「ほら、AIは『正常』だって言ってるわよ?」


「そこが怖いんだ、ブレンダ」


リュウホウは顔を曇らせた。


「AIは『書かれたコードが意図通りに動くか』はチェックできる。

でも、その『意図』そのものに潜む欠陥や、

統計的に無視できるほど低い確率で起こる致命的な不具合を、

『効率化の結果』だと判断してスルーしてしまうことがあるんだ」


このプログラムの場合、AIは「無駄なリセット処理を省いて効率を上げた」と判断していた。

それが特定の条件下でフリーズを引き起こす「毒」になるとは夢にも思わずに。


AIがデバッグできなかった時の「怖さ」

「AIがデバッグできない……。それがどうしてそんなに怖いのよ?

たまに入力が効かないくらい、ボタンを押し直せばいいじゃない」


ブレンダが首を傾げると、リュウホウは真剣な表情で彼女の肩を掴んだ。


「いいかい、ブレンダ。君が進めているのは『人間拡張』だ。

もし、そのボタンが**『人工心臓のペースメーカーの停止ボタン』だったら?

あるいは『自動運転車の急ブレーキ』**だったら?」


リュウホウは静かに語り続ける。


「再現性のない恐怖」 数万回に一度しか起きないバグは、人間のテストでは見つけにくい。

そしてAIが「正しい」と保証してしまったら、エンジニアはそれを信じ込み、原因不明の事故として処理される。


「ブラックボックス化する支配」 AIが書いたコードは、

AIにしか理解できない複雑な構造(スパゲッティコードの進化版)になる。

人間が理解するのを諦めた時、世界のインフラは「誰も中身を説明できないブラックボックス」に支配されることになる。


「悪意なき虐殺」 AIに悪意はない。

ただ「効率」を求めた結果、10万人に1人のエラー(死)を「許容誤差」としてプログラムに組み込んでしまうかもしれない。

それは、ビール・ゲッツが意図する支配よりも、もっと無機質で残酷な結果を招く。


「……AIが『完璧だ』と言った瞬間に、人間は思考を止めてしまう。それが一番のホラーだよ」


「……」


ブレンダは少し青ざめ、自分の書かせたコードを消去した。


「……わかったわよ。リュウホウ、今日の実験はやめて、一緒にコードの手直しをしましょう。

……その代わり、終わったら美味しいアイス、奢りなさいよね!」


「ああ、もちろんだ。AIには判定できない、最高の味を選んでやるよ」


二人は再びモニターに向かった。

AIが作る「ユートピア」の裏側に潜むバグを、人間の手で一つずつ潰していくために。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ストーリー中の10万人に1人のエラーとは、自分にはコロワクを思いおこさせました。 そして誰にも底が知れないブラックボックスを通せば責任はうやむやにできるならところも共通。 ギアさんならこのように物語に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ