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第4話「海賊版、ダメ。ゼッタイ!」

三人は鳥や草花を見て楽しみながら美しい野原を歩いてきました。ところがエミリーがおかしなことを言い出したので、マリアが心配しています。


マリア:「ジョニー先生、わたしたち、ちょっと、お花つみに行ってきます。おほほ。」


ジョニー:「あ、ああ。交代で見張りをするんだぞ。モンスターが出ないとは限らないからな。何かあったらすぐ呼べよ」


エミリー:「もうすぐ駅なのに。大丈夫よマリア」


マリア:「いいから、こっちきなさいよ」


マリアとエミリーは草むらに入ります。


マリア:「エミリー、カムパネルラと銀河鉄道の話をジョニーの前でしちゃ絶対ダメよ」


エミリー:「あっ、マリアも見たいんでしょ。確かに男性の前で見るのはちょっと勇気がいるわよね。10日分の日給を貯めて買ったんだから。木版48色刷りの高級愛蔵版よ。これ、ジョニーを小さくしたようで、かわいいでしょジョバンニ」


マリア:「あっ、かわいい」


エミリー:「でしょでしょ。そして圧巻のカムパネルラの見開きページ!」


マリア:「わっ何これ。頭おかしいでしょ、なんでいきなりカムパネルラが上半身裸なのよ」


エミリー:「鉄道の故障で暑くなったのよ、きっと。ハーナムキヤ産の白雲母の顔料で印刷しているの。いいツヤでしょ。筋肉の感じと肌つやの表現がすごいでしょ」


マリア:「わわわ、これはいろんな意味でダメよ。これは海賊版なの、違法なのよ。ジョニーの冒険記は王立教会の独占販売なの。こんなの見つかったら没収よ」


エミリー:「えええ、教会の本は字ばっかりでつまんない。挿絵も白黒だし」


マリア:「ジョニーが印税を寄付してくれて学校が無料になったのよ。でなけりゃ貧乏人のわたしたちが魔術師になんかなれないわよ。とんだ恩知らずね」


エミリー:「ごめんなさい。知らなかったのよ」


マリア:「この本は二人だけの秘密よ。夜中に二人だけで見ましょう」


「おーい、行くぞー」、ジョニーの呼ぶ声が聞こえました。

今回は原作にないシーンです。

宮沢賢治先生が美人画などの浮世絵版画のコレクターだったことや、「草花のようにエロを描きたい」とおっしゃっていたことをもとにしています、


次回は特殊な胞子が美女の喉を襲います。これは宮沢賢治の原作「春 変奏曲」準拠なので安心してください。

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