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旅のはじまり ドラゴンの香油を求めて

冒険家の勲爵士ジョニーと、まだ若い魔法使いの少女マリアとエミリーは、駅をめざして丘の上を歩いています。

ジョニーが聖ヨハンネスに祈りを捧げていると、ドラゴンが飛んできます。

ジョニー: 「ヨハンネス! ヨハンネス! 永遠に変わらじを...」


マリア: 「あら、ドラゴン! ドラゴン!」


エミリー: 「まあ、ドラゴンが飛んで来たわ!」


マリア: 「ドラゴン、ドラゴン! 香油をおくれ!」


エミリー: 「ドラゴン! ドラゴン! 香油をおくれ!」


マリア: 「あのドラゴン、翅が何だか変だわ」


エミリー: 「片っ方だけぴいんと張って東へ方向を変えるんだわ」


マリア: 「香油を吐いて落してくれりゃ、マスターだって助かるわ」


エミリー: 「ドラゴンの吐くのは夏だけだって」


マリア: 「そんなことないわ、春だって吐くわ」


エミリー: 「夏だけだわよ」


マリア: 「春でもだわよ」


ジョニー: 「何を喧嘩してんだ」


エミリー: 「ねえ、勲爵士ジョニー、ドラゴンの吐くのは夏だけだわね」


マリア: 「春もだわねえ、強いジョニー!」


ジョニー: 「あゝ、ドラゴンの香油か。あれは何でも、から松か何か新芽を食いすぎて、胸がやけると吐くんだそうだ」


エミリー: 「すると、一体どっちなの!?」


ジョニー: 「つまりは季節の問題じゃなく、ドラゴンの食べるエサと効率によるんだ。青い芽をたくさん食ふのがいいという訳さ」


ジョニー: 「ふう、いい天気だねえ。どうだ、水百合が盛んに花粉を噴くじゃあないか」


マリア:「わたしたち、ドラゴンの香油が欲しいの」


エミリー:「あのドラゴンから香油をもらえないかしら」


ジョニー:「あんな高い空を飛んでるドラゴンからなんて、とうてい無理さ。巣を見つけて、隙をみてだな」


エミリー: 「でも、ドラゴンの香油はとっても貴重なんだよ。香りは神秘的で、魔法の材料にもなるんだから」


マリア: 「そうだよね。私たちなら、ドラゴンに触れる勇気もあるし、巣を見つけられるかもしれないわ」


ジョニー: 「冒険の心意気はいいけど、ドラゴンには十分注意しないといけない。彼らは強大な力を持っているからね」


マリア: 「でも、私たちは魔法も使えるし、ドラゴンとのコミュニケーションもできるかもしれないわ」


エミリー: 「そうだね、ドラゴンに敬意を払いながら、近づくのが良いかもしれない」


ジョニー: 「じゃあ、ドラゴンの巣を探しに行こう。ただし、無理はしないように気をつけて。安全が最優先だ」


マリア:「ドラゴンの巣はどこにあるの?」


ジョニー:「暖かくなると、ドラゴンはシベリアやベーリング市のほうに帰るらしいね。針葉樹の新芽を食べにね」


エミリー:「ちょうどわたしたちの乗る列車の行き先ね!」


ジョニー: 「運命のようなものかもしれないな。どんな上り坂も下り坂も、ほんとうの幸せに近づくための一歩づつだ」


エミリー: 「ドラゴンの巣にはどんな秘密が隠されているのかしら。その香油が特別な力を持つなら、私たちの魔法にも大いに役立つでしょ」


マリア:「マスターも喜ぶわ」


ジョニー: 「だけど、ドラゴンとの接触は慎重に行わなければならない。彼らは自分たちの領域を守り、知らない者には攻撃的になることもあるからな」


マリア: 「ドラゴンと友だちになるようにしましょう。そうすれば、香油を手に入れることも夢ではないわ」


エミリー: 「ドラゴンには、香油はゲップのようなもんなんでしょ。すぐくれるわよ。ドラゴンの巣か、ワクワクしてきたわ」


三人は丘を下り、野原の向こうの高い山の、ふもとの駅をめざします。

三人の冒険の旅がはじまりました。

丘を下り、野原を抜けて、高い山のふもとの駅に向かって歩いていきます。

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