一章 始動編4
最初の現場に到着した三人はさっそく中を調べ始めた。しかし崩落の危険もある為、楓の力の一つである結界の反転結界の中で行う事になった。
三人は一時間程調べたが、捜査資料の通り何一つ出る事がなく、三人は次の現場に向かう事にした。二件目、三件目と同じように調べたがやはり、新たに何も出てこなかった。
何も出てこなかった為、電車に乗って帰っている最中窓の外で急に大きな爆発音がし、三人は咄嗟に音がする方に目を傾けた。
すると、そこには大炎上する工場があった。三人は急いで次の駅で降りて現場に向かった。
現場に到着すると直ぐに楓は認識阻害の大規模な結界と燐を支援する為の支援結界を貼り、燐は帯刀していた刀に霊力を流し起動した。
いつきには外に待機してもらい、誰も近づかないようにしてもらっている。
二人が建物の奥に進むと、フードを目深に被った男が一人立っていた。男は二人を認識するや直ぐさま攻撃して来たが二人はそれを躱し、直後臨戦態勢に入った。
すると男が、話しかけて来た。
「ガキが何のようだ。
いや、あれを避けるとはただのガキではないな。
邪魔をするなら容赦はせん。
少しだけ待ってやるから命が惜しいならさっさと帰る事だな」
そう言って男はカウントを始めた。しかし、フードの男は帰る気配のない二人に対してカウントをやめ、魔法を放って来た。
だがその魔法を燐が刀で切り、楓には直撃したが結界で結界で守り無傷だった。
その姿を見た男は、声を上げ驚いていた。
「何なんだよお前たちは」
この問いに答える気が無かった燐は無視し、一連の時間の犯人か問い詰めた。
「今までの放火は全てお前の仕業か?」
すると男は奇妙な笑い方をして話し出した。
「あぁ、そうさ。全て俺がやったんだよ。
凄いだろう。すべてを燃やし尽くせる俺の星霊の力は。
こんなに魅力的な力をくれたあの人には感謝しているよ。
なんせ圧倒的な力なんだから」
二人は驚いた。何故なら、あの男の力が他の人に貰った力だと言ったからだ。そこで、燐はあの人が誰かを聞いた。しかし、名前もしらないし顔も分からないと言いきり直後に戦闘が再開した。
しかし二人には余裕があった。
最初の一撃と先程の一撃で大まかな実力が測れていたからだ。そして、余裕の態度を見せる二人に対して流石に敵わないと察した男は高濃度の霊力を練り始めた。
「ちっ、今日はこの辺で引くとしますか。
完全に燃やし尽くす事が出来ませんでしたがいいでしょう」
逃げようとする男に対して攻撃を仕掛けるが全て避けられてしまった。すると男が何かを思い出した。
「そういえば、あの人の声色ついて一つ忘れていた事がありました。あの人の声色は女性でしたよ。では」
そう言って練り上げた霊力で巨大な炎の壁を作り、その場から立ち去った。
「くそっ、逃げられた」
「深追いはしないで」
直ぐに追おうとした燐は楓に止められ少し不服そうではあったが従った。しかし逃げられはしたものの、力を渡している人物がいるという情報が手に入っただけでも十分な収穫だ。二人は建物の外に出るといつきと合流し、楓はもう維持する意味がなくなった結界を解いた。燐も全ての装備を解除して三人は現場から直ぐに立ち去った。離れながら新たに得た情報を伝え、いつきは早急に調べる必要があると言い、駅の付近で別れ、二人は家に帰宅した。
-戦闘中結界外にてー
「うぉっ、何だこの結界。相当な強度と規模だな」
とある二人の男が結界を見てつぶやいた。外から眺めているだけしか出来なかったが二人は中で何が起きているのかが気配で分かっていた。
「それにしても凄い霊力だな」
「そうだねここまでの霊力は僕も記憶に無いかな」
「だよなぁ。これは相当な実力者だろ。
俺たちでは太刀打ちできなさそうだな」
「絶対に相手にはしたく無いな」
そう話していると突如として結界が消え、中からとある人物が出てきた。二人は出てきた二人を見て驚いた。
「あの二人って、あの二人だよな」
「そのようだね。でも何であの時とオーラが違うんだろう」
「まぁ考えても仕方ないか。明後日聞けばいいだけだろ」
「だね。なら今日は帰るか。面白いものも見れたし」
そう言って二人は帰った。この後、二人は大変なことに巻き込まれていくことはまだ知らない。




