一章 始動編3
二人がタブレットの中に入っているファイルを開くと、そこには一つの捜査資料が入っていた。
内容は最近起きている連続放火の資料だったが全て読んでみたが、何の変哲もない資料だった。これを見た二人は何故これを見せられたかがわからなかった。すると、燐がいつきに真剣な面持ちで質問した。
「これって普通の捜査資料ですよね。俺たちは高校生ですよ?流石に関係が無いように思えるんですが」
確かに二人には関係が無さそうな資料だったので二人からこの質問が出てくると予想していたいつきは質問を聞いた後、バッグの中からもう一つのタブレットを出した。
バッグから取り出したタブレットの中にあるファイルを開いて二人に渡すと、二人はそれを見て驚愕した。
なぜなら、そのファイルに入っていたのは最初に見た連続放火の資料と思ったが内容が違ったからだ。
『今回の連続放火に、星霊が絡んでいる可能性がある』
この一文が最初に書いてあったからだ。この一文を読んだ二人は完全に目の色が変わり、詳しい事を聞くためにいつきを見た。状況をしっかり確認したいつきは、詳しい情報を話し始めた。
「まず初めに、そこに書いている事は間違いです。二人は私の能力の事は知っていると思いますが、私の能力である霊力感知で全ての現場から同じ残存する魔力を確認することが出来ました」
そう言って二人が持っているタブレットを受け取り違うファイルにを開き、二人に渡し話を続けた。
「それを見ながら聞いて欲しいのですが、そのグラフに書いている通り通常の霊力とは異なる霊力でした。更に、何故かこの霊力に覚えがあったので昨日まで調べてようやく辿り着いたのが数百年前に貴方たちのお母様が戦った相手の霊力に酷似しているところがありました」
それを聞いた途端、二人は少し殺気が漏れてしまったが直ぐに抑えて質問した。
「本当に酷似していたんですか?」
「はい。ですので今回は二人に報告として話しました。私としてもあの時のことは今でも忘れる事が出来ない事ですから」
少しの間、三人は黙った。そして、その静寂を壊すかのように楓がいつきに提案した。
「この件、私たちは全力で力を貸します。その代わりに四つ約束してください。
一つ目は、何か情報を得たらすぐに連絡すること。
二つ目は、誰かに邪魔されると迷惑ですので干渉しないようにすること。もし、干渉して来たら敵と見做します。
三つ目は、解決までの費用の半分を解決後に出すこと。
そして最後に四つ目は、私たちが捜査するとき、いつきさんは必ずついて来てください。
これが提示する条件です」
この条件を聞き、いつきは『了解』と直ぐに返答し二人が協力する事が決定した。すぐに動くべきだと判断した二人はいつきに明日から操作する事を話した。
「明日の夜に最初の現場に行こうと思っているので明日の二十時に今日と同じ所に集合でいいですか?」
二人の質問に『わかった』と返答した。
話が終わり、時計を見ると二十一時を回っていた為、三人は帰り支度を始めた。帰る前に聞きそびれていたことを思い出し、燐は最後に質問した。
「そういえば、星霊石って出て来ましたか?」
この時、燐はとある想像をしていた。何故なら、いつきの返答次第では更に事態が悪化する可能性出てくるからだ。
少し険しい顔で質問して来た燐を見て、この質問にいつきは意味があまりわからなかったが、しっかりと返答したついでに質問した。
「星霊石は出て来てないけど、それがどうしたの?」
返答のついでにいつきから問われた質問に燐は返答するか迷った。それを察した楓に話すようにと促され、事実を伝えた。
「先程の捜査資料の写真を見ながら聞きてください。恐らく、今回の星霊のランクとしては上位星霊以上の可能性があります」
いつきは驚き、二人を見たが直ぐに冷静になり話の続きを聞いた。
「理由として、先程の燃えた場所の写真に広範囲に渡って溶けた場所があります。どのランクの星霊でも溶かす事は可能です。しかしあれだけの規模になると中位星霊や下位星霊だと全ての力を使い果たしてしまい消滅してしまい星霊石だけが残ります」
ここまで聞いてようやくいつきにも先程の質問の意図がわり恐怖した。
「流石に上位星霊となると話が変わりますね。もし星霊と対峙しても攻撃せずに防御に徹する事と、通達しておきます。もし対峙したらすぐに二人に連絡しますね」
「ありがとうございます」
燐は直ぐに対策してくれるいつきにお礼を言い、明日の事についてもう一度確認し三人は店を後にした。
店を出ると、直ぐにいつきと別れ二人は帰路に着いた。
次の日、二人はいつもとは違い何があっても良いように完全装備する事にした。完全装備と言っても隠蔽が施されているので周りの人が見ても気が付かない。早めに食事も済ませ、待ち合わせの場所に向かった。
二人は先に待ち合わせ場所に到着し、少ししていつきが到着した。
「お待たせ。それでは行きましょうか」
そう言って三人は、出来るだけ目立たないように電車を使って問題の現場に向かった。




