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世界を守る守護者たち  作者: 綾崎大輔
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一章 始動編16

 次の月曜日、燐達六人は駅で落ち合うとあの後の事を話しながらゆっくりと学校に向かった。

 すると正門の前に人だかりが出来ていた。そこに行ってみると夏休みが前倒しになると言う張り紙が貼られてあり終業式も無しとの事だった。

 生徒達はみな、引き返して帰宅していた。

 理由は先日の戦闘で校舎が半壊してしまったせいだ。

 少し悪いことをしたなと燐は思っていたが、逆にこれは有難いとも思っていた。

 直ぐに六人は一度帰宅して八凪家へ再集合となった。

 全員が八凪家へ集合し終えると、一つのボードを取り出すと唐突に燐から発表があった。


「全員こちらに注目してください。今回、夏休みが前倒しになってしまった為、全員で強化訓練をしようと思います」


 そう言ってそう言って不敵な笑みを浮かべる燐であった。

 そんな笑みを見て四人は不安に思い、楓はどういった意味かわかった為、呆れていた。


「よし、全員ついて来てくれ」


 そう言うと燐は扉を開き、全員を連れてとある場所に出た。

 そこはとても綺麗な花畑だった。四人は少し拍子抜けしていたが、それを気に止めることもなく燐は進み続けた。

 すると、とある洞窟に辿り着いた。


「ここだよ」





 とある某所、いつきがカグツチ事件の対応に追われていた時、一本の電話が届いた。

 電話の人物はカグツチ事件の時に誰も気が付かなかったその人だった。

 電話の内容は、以前から依頼されていたとある島への入島許可の申請だった。

 許可を出せるのはいつきだけで、許可を簡単に出す事が出来ない理由もしっかりあった。

 しかし、ようやく許可を出す準備が出来た。


「お待たせ。入島許可が出せたわよ。その代わり前に言った事は絶対に守ってくださいね」

『わかりました。ありがとうございます』


 この許可を出してしまった事が、後にいつきの首を絞める結果になってしまう事はこの時はまだ知らなかった。





 燐は洞窟の前で特訓の詳細を話していた。

 その詳細は驚愕のものだった。何故なら常識的な事だったからだ。


霊力(マナ)の総量って増えるんですか?増える事がないって言われてますけど」


 霊力の総量は産まれた段階で決まっている。どのような事をしても増えないのが事実である。

 しかし、燐はそれを否定した。それは、四人にとって嬉しさがあった。四人の霊力は少なくはないが決して多いという訳でもない。カグツチ戦では限界ギリギリで動けなくなる程だった。それが四人にはわかっていた為、方法を聞いたがそれは想像のつかないものだった。


「霊力の総量が上がる条件がある。それは死ぬ直前に僅かだが霊力の総量が上がる。しかしその為には霊力を完全に使い切る事が必要だ」

「死ぬ直前なんて出来るわけないじゃないですか」

「確かに死んだら元も子もないが、この場所の洞窟は違う。ここは『夢幻の迷宮』と呼ばれる場所で実際に死ぬ事はなく、この入り口に戻ってくる。だから思う存分に死ぬ事ができる」


 死ぬ事がトリガーとはいえ簡単に割り切れるものではない。

 しかし、強くなる為には力を手に入れなければならなかった。

 四人は各々考えた。そして四人で一つの結論を出した。


「やります。強くなる為には手段なんて選んでられない」

「後ろで見ているだけじゃ無くて皆んなの隣で立っていたい」


 四人の目からは覚悟が見えた。しっかりと真っ直ぐ先を見据えていた。

 その姿を見て燐は、迷宮の事を簡単に説明した。

 まず初めに迷宮内では星霊が召喚出来ない。迷宮内は別の次元であるからである。

 この決まりは誰であろうと例外無く、自分だけの力で迷宮を攻略していかなければならない。

 次に、迷宮内の時間は現実の千倍のスピードで進むと言う事だった。幾ら迷宮に潜っても現実の時間が掛からない事は、四人にとっては有難い事だった。強くなる為にはいくら時間があっても足りない事は確実であり焦っていた部分が少しはあった。

 そして、最後は迷宮内では全員一人での攻略になるというものだった。迷宮内では各々の実力にあった敵が出てくる為バラバラになってしまうのだ。

 夢幻の迷宮の説明が終わった後、一つ言い忘れてた事を思い出した。


「そういえば、一つ目標を言わなければいけない事を忘れてたわ。これから夢幻の迷宮を学校が始まるまでの約二ヶ月間に千層まで到達する事」


 その目標に四人は言葉を失った。

 夢幻の迷宮の説明を聞いた限り、簡単な場所ではない事は確かだ。その迷宮を二ヶ月で千層というのだ。休む時間はないだろう。

 しかし、四人は言葉を失いながらもウォーミングアップを終え、迷宮に入る準備が整った。


「「「「行ってきます」」」」


 そう言って四人は迷宮に入って行った。



 いつきに入島許可を出してもらった人物はもう一人を連れて島に上陸していた。

 事前にいつきから渡されていた地図の通りに進んでいくと一本の道が続く花畑に辿り着いた。地図ではもう少し掛かるらしい。

 ずっと進んでいくと森の中にあるとある洞窟に辿り着いた。そこは地図に書かれた目的地だ。


「ここが夢幻の迷宮と呼ばれる場所ですか。少し休憩したら直ぐに入りましょう」


 もう一人の人物にそう伝えると少し座った。

 五分が経過したところで立ち上がり、二人は迷宮内に入って行った。

 二人が入ったのと入れ違いで四人が強制的に迷宮の入り口に出された。

 

「あーっ、負けた負けた、なんなんですかあいつ」

「いやっ、皆んなバラバラだからどんな相手が出るか分からないですよ。まぁ、すごい理不尽だった事に変わりはなかったと思いますけどね」

「そうですね。一層目からあのレベルの敵だと千層の時にはどんな敵が出てくるのか想像も出来ませんね」

「とにかく、次に行こうぜ。流石に今日までに十層行かないと厳しいだろ」


 そう言うと再戦するために直ぐに迷宮内に入った。

 その後も、四人は何度も死にながらも夜までに目標の十層を超えて二十層に到達していた。既に時間は二十二時を過ぎていた。

 その日は精神的な面も考慮してここで一度中断する事にした。

 そこで野宿しながら次の攻略に向けて休んだ。

 燐達も迷宮に入って千層以上を攻略していた。千層を突破してから迷宮の難易度が跳ね上がる。そして迷宮の仕様も変わる。星霊も呼ぶ事ができるしパーティーとして挑む事だってできる。しかし、流石の二人でも一筋縄では行かなかった。

 現実の時間で迷宮内に入って3時間が経過したところで二人はようやく千十層をクリアした。そして直ぐに次の層の攻略に取り掛かったが、一瞬で負けてしまった。

 一度休憩も取るため近くにある湖に向かった。

 そして長い休憩を取った後、再び何度も迷宮に入り区切りをつけて四人と一緒に野宿をしている湖の辺りでゆっくり休んだ。

 一方、いつきの許可でここまできた二人も迷宮攻略がそこまで捗らずに一度ゆっくりする事にした。

 そして次の日の昼、奇跡的にすれ違っていた六人と二人は思い掛け無い出会いを果たした。


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