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世界を守る守護者たち  作者: 綾崎大輔
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一章 始動編13

「じゃあ、頑張ってね」


 そう言って保科麻美は、何処かに消えてしまった。

 残った燐たちは、封印が解かれ目の前には出現した最上位星霊であるカグツチと対峙する事になった。


「全員、一先ず奴のことは忘れろ。目の前の敵に集中するぞ。じゃないと死ぬぞ」

「あぁ、それは大丈夫だよ。現れた瞬間からずっと警戒してるから」

「流石に全員が霊装しなければしんどい相手でしょうね。とりあえず学校に結界を張るわ」


 楓は直ぐに結界を張り巡らせた。

 結界が完成した瞬間、星霊の攻撃が始まった。

 とてつもない数のフレイムカッターが六人を襲った。全員は全てを避けきり、星霊を召喚した。


「霊装、ラファエル」

「霊装、ウリエル」

「我が身に纏え、ディーネ」

「我が身に纏え、サラマンダー」

「我が身に纏え、ラピス」

「我が身に纏え、ムーン」


 全員は霊装を終えた。燐と楓は四人が上位星霊を霊装していた事に驚いた。

 そして四人も二人が最上位星霊を霊装している事に驚いていた。


「二人は最上位星霊と契約してるんですか?契約している人、初めて見ましたよ」

「だろうな。最上位星霊の契約は普通じゃないからな。それよりも驚いたよ。四人とも上位星霊と契約してるなんて」

「いやぁ、それ程でもあるかな」


 朝陽は笑いながら答えた。


「まぁ、その話は後にして来るわよ」


 話している隙に、カグツチは更なる攻撃を仕掛けたが霊装をした六人は先程の攻撃より簡単に避ける事が出来た。それを見た燐はとある事を思いついた。


「それにしてもどうしますか?全員で戦うにしてもこの星霊に勝てるんですか」

「皆さん本当に避けるのが精一杯って感じですし」

「それに楓さんは戦闘に参加出来ないですから実際には五人で闘わなければいけないわけですしね」


 どう戦えばいいのか、攻撃を避けながら四人は模索していた。


「今の攻撃で奴の大体の強さが分かったよ。それなら四人でやってみなよ。四人の実力の把握も兼ねて、俺はここで見ておくから」

「「「「!!」」」」


 四人はその発言に驚いた。後方でも楓が頭を抱えて大きな溜息を漏らしていた。

 楓には明らかに勝てないと分かっていた。その為、余計に燐の発言には呆れていた。

 確かに四人の本当の実力は二人は知らない。だが、知る方法は今では無いだろうと思っていた。

 そしてやはり四人は動揺を隠し切れなかった。


「よっ、四人でですか?流石に厳しいのでは無いでしょうか」

「まあまあ、一回やってみなよ。危なくなったら直ぐに助けるから」

「わかりました」

「やりましょう」


 燐は全体が見える位置まで後退し、四人を見守った。

 四人はどのように闘うかを攻撃を避けながら考え、まず初めに弱点を探す事から始めた。




 四人の戦闘が始まってから15分が経過しようとしていた。四人は徐々に攻撃を避けながら、逆に攻撃を仕掛けることができるようになっていた。

 更に、一つ弱点を見つけていた。カグツチの攻撃は広範囲に攻撃がされていると思われていたが、よく観察すると後ろだけには攻撃がされていなかった。


「皆さん、どうでしょうか。この作戦で行きませんか?」

「いいね。やってみる価値はありそうだ。海音と朝陽はどうだ」

「私も良いわよ。深月の作戦なら疑う余地は無いしね」

「僕も良いよ。やってみよう」

「合図は私が出しますので深夜さんよろしくお願いします」


 弱点も分かり攻撃にも対応が出来るようになり、ようやく反撃する準備が整ったと言っても良い状態になった。しかし海音だけは少しだが胸の奥で何かが引っ掛かる感じがあった。

 全く理由は分からなかった。モヤモヤしたものが晴れないまま作戦が始まった。


「深夜さん、お願いします」


 その言葉に深夜はカグツチの前に巨大な火球を落とした。巨大な爆発と共に広範囲に渡り土煙がカグツチを襲った。その中に全員飛び入り、出来るだけ接近して一番強い魔法を当てようとした。深夜、朝陽、深月の三人が前方から絶え間無く攻撃を加え後方から日向の光魔法で気配を消した海音がトドメを刺そうとした。


「これで終わりだっ!『アクアランス』」


 入った。

 四人がそう思い、海音の攻撃が当たろうとした瞬間、状況が一変した。海音の違和感が的中した。

 突如カグツチの周りが炎に包まれ、アクアランスは弾かれて蒸発し消えてしまった。そしてその炎から目で追うことができない程速い何かが出て来たと思った瞬間、四人は吹き飛ばされた。

 何が起きたのか分からないまま四人は立てなくなり霊装はボロボロになっていた。


「なっ、何が起こったんだ。海音、朝陽、深月大丈夫か」

「なんとか大丈夫だけど、立つ事は出来そうにねえな」

「私達も同じくです。お姉ちゃんに至っては意地でも立とうとしてますが指一本動かす事すら出来ないようです」

「俺達が生きているのは霊装のお陰か」

「まあ、それでも立たない事に変わりはないけどね」

「それでもやっぱり悔しいなぁ。もう少しで勝てたと思ったのに」


 四人の目からは薄っすらと涙が滲んでいた。

 カグツチを包んでいた炎が消えるとカグツチの雰囲気が変わっていた。今までは全力じゃなかった事がその姿から想像が出来た。

 カグツチは四人に向かってフレアランスを放った。

 しかし四人に当たる事はなく外れた。当たると思った四人は目を瞑ったが一向にフレアランスが来ない事に不思議に思い、目を開けると四人は一箇所に集められ、目の前には燐が立っていた。


「お前ら、危なくなったら助けるって約束しただろ。後は任せろ。俺が倒してくるから少し見てろ」


 そう言うと、燐はカグツチに向かって歩き出した。

 そして四人は楓による回復魔法で治療を始めながら、燐の戦闘を見学する事になった。


「さあ、第二ラウンドと行こうか。カグツチ!」





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