一章 始動編10
前回の調査から三日後、全員は周りを警戒していた。
深夜0時を回った時に事態が動いた。
それは入り口から一人の男が入って来た。入って来た男は結晶の前にいる6人を見ると少しだけ驚いていた。
「おやおや。これは先客が居ましたか。しかしよく見ると、お二人は以前にお会いしましたね」
そう言うと不気味な笑みを浮かべながらこちらを見た。
全員が臨戦体制をとる。
「いやー、怖い怖い。今日は一筋縄ではいかなさそうだ。私も前回とは違い全力で行かせてもらおうか。来い『イグニス』『サラマンダー』」
そういうと男の下に上位星霊が2体顕現した。しかし男はこれだけでは無かった。
「イグニス、サラマンダーよ我が身に纏え『霊装』」
すると男は二体の星霊を身に纏った。
その光景を目の当たりにして全員が驚いた。『霊装』自体は全員が出来る。しかし、二体以上になると話は別だ。星霊の相性もあるが、一番難しいのは霊力の供給問題である。霊装を行うと身体能力に加え、魔法の威力も格段に上がるがその分、霊力の消費は激しいものになる。燐と楓も二体以上の霊装は簡単に行う事ができるが、身内以外で出来る者を見た事がなかった。直ぐに我に返り、楓が認識阻害と外から入る事ができない様に結界を張った。
「なんだよあれは。あんなのやべえだろ」
「でもここで止めないと被害が大きくなる。止めよう」
そう言うと全員は霊装を纏った。
攻防が始まり既に30分が経過していた。お互いに一歩も引かず膠着状態が続いていた。
「くそっ、全然攻撃が当たらねえ」
「落ち着け、焦ったらあいつの思う壺だ。まあ、決定打が無いのはきついところではあるけど」
相手の様子には余裕があったが少し苛立ちも見えた。
「守護者と言ってもこの程度ですか。しかし面倒くさいですね。そろそろ終わらせましょうか」
そう言うと男は霊力を集中し始めた。
「さあ、これで終わりだ。『エクスプロージョン』」
上級炎魔法の中でも威力が高く、超級魔法に届くレベルだった。
「楓頼む」
「分かってる。『プロテクト』」
上級防御魔法で全員を護った。煙が晴れると周囲の建物が全て跡形も無く消えていた。しかし結晶には傷一つ無かった。
燐達と結晶が無事なのを見て男は、今までの余裕が消え、苛立ちと焦りに変わっていた。何故あれほどまでに焦っているのだろうと思っていたが、直ぐに答えがわかった。
「いつまで遊んでるつもり。何をしてるのかな」
突如として誰でも無い声が聞こえた。
男はその声を聞くと震え出した。
声が聞こえた方向を向くと結晶の前にフードを被っている人が居た。
(どうやって入ったんだ。結界で外から入る事が出来ないはずだ。)
全員が黙っていると侵入者はケラケラと笑いながら結晶を見つめていた。
「しょうがないな。"最後も“僕がやってあげるよ」
すると身長よりも大きな鎌を手元に出現させると結界ごと結晶を真一文字に振り抜いた。結晶は砕け散り封印が一つ解かれた。




