一章 始動編9
次の日、全員で封印の場所に向かった。
そこは人が来ない海沿いの廃倉庫だった。しかし何処も荒れた気配は無かったが確認する為に中に入った。
やはり何事も無かったが、その場所には不相応な大きな水色の結晶が浮いていた。
「これが封印の要石か。皆んなは周りを確認してくれ」
「それにしても凄まじい量の霊力を感じる」
「実物を見ると流石に肌が張り付く様なプレッシャーを感じるな」
二人は結晶を細かく調べていると、四人が周りの調査を終えて帰ってきた。報告を聞く限り周りには家など一切無く人の気配すら無かったらしい。
「まあ、何かが起きても何も気付かれないだろうな」
報告を聞き、戻って来た皆んなと結晶の調査を終え、いつきに電話をしようとしたところでスマホがなった。スマホの画面を見てみるといつきからだった。
『おっはよー』
「おはようございます。ちょうど電話をしようと思ってたところです。詳しい事は後で話しますがまずい事が判明しました」
『マジかーこっちも少しまずい状況になってるから直ぐに家に戻って来れる?』
「大丈夫ですよ。今から十分後に待ってます」
『了解。こっちも直ぐに準備して向かうよ』
そう言うと通話は切れた。
燐と楓は何があるかわからない為、用心として楓に結界を張った。
そして、今の会話を聞いていた五人は直ぐに帰る準備をし、燐が開いた扉で直ぐに家に戻った。
家に戻るとまだいつきは来ていなかったが一分も経たないうちにいつきが六人が居る居間に入って来た。
「お待たせ。色々と厄介な事になったね」
「そっちはどんな感じでしたか」
すると直ぐ様タブレットを取り出し皆んなに複数の写真を送った。一同は送られて来た写真を見ると、そこには三箇所の内二箇所で結晶が破壊されている光景だった。
一つは海中でもう一つは山中だった為、気付かれずに今まで過ごして来た事になる。だが、最後の一箇所は何事も無く無事だった。
「この二箇所については仕方が無いだろう。気が付いたのが最近ではどうしようも無かっただろう。問題は残りの二箇所をどう守るかだ」
「とりあえず私が結界を張る事は確定事項として、どれくらいの人数で護るかよね」
皆んなで考えているといつきがこの場所は私たちで守らせてほしいと真剣な眼差しで懇願してきた。
あまり面倒な事は自分から懇願しない性格のいつきなだけに二人はびっくりしていた。
二人はいつきが本気だという事を感じ、楓の結界は張った状態という条件を付けて了承した。
ようやくいつきサイドの報告が終わりこちらの調査報告の番になった。
「今日見た結晶はすごい肌が張り付く様なプレッシャーを感じたと思うがあれでも霊力が半分しか注がれていない事がわかった。もしあれ以上霊力を込めると周りが歪んでいただろう。それほど強力なものだった」
「そんな。それじゃあ封印されている星霊は最上位を超えるかもしれないって事ですか?」
「まだ分からないけど恐らくは・・・」
そう言うと全員が沈黙した。
流石の燐達も見通しが甘かったと反省をしていた。
すると流れていた沈黙を遮るかの様に日向が、
「じゃあ、これ以上黙っててもしょうがないから今日の夜から皆んなで結晶を護りながら来た敵を捕まえましょう」
そう言われ、その道しか無いということで全員で迎え撃つ準備を始める事にした。いつきと楓は結界を張るためにもう一つの場所に向かい残りの五人で準備を終わらせ、今日の夜から結晶の守護に入った。
それから三日後自体が動いた。
敵が攻めて来たのである。




