始まりの時part3
元雄界....確か父さんが昔話してくれたっけ?
~9年前~
その日は、父さんと母さんが両方ともうちにいた。
お母さんの膝にのりながら三人で話していた時に俺が、なんで父さんはそんなに強いの?と質問した記憶がある。
拓真「父さんは昔、修行をしていたんだ。そこは体術、剣術、能力、戦闘力を鍛えられる場所だったんだ。そこで父さんは五年は修行したな~。光真もいつか連れていってあげるよ、『元雄界』にね。」
堕天「おーーい、大丈夫か~?」
ルシフェルがぼーっとしていた俺の目の前で手を振っている。
光真「思い出した!元雄界......父さんが昔修行した場所だ!」
堕天「正解! 昔君のお父さんも僕のお父さんに連れてかれてあの世界に行ったんだ。
つまり僕と君のお父さん同士は今の僕と君みたいな関係なんだよ~。」
この人めちゃくちゃノリが軽い。そこら辺の友達感覚で俺と話してくるな。
「なるほど、それはとてもな関係。
ちなみに聞くけどルシフェル....さんは人なんですか?」
堕天「あ、僕に気は使わなくていいから、タメ口でいいよ~。というか、さっきまでタメ口だったでょ。」
光真「いや、改めて考えると見ず知らずの人をタメ口にするのはまずいかと。でも、そう言ってくれるならそうするよ。」
堕天「コホン、では改めて、
僕は悪魔と精霊のハーフ。
魔霊混血っていう種族なんだ。よろしく~」
悪魔、精霊?おとぎ話じゃないのか...
ルシフェルはそう言っているが、完全に見た目は人に見える。
堕天「あ、今おとぎ話だろって思ったでしょ。」
光真「それは、そうだろ。そもそも悪魔と精霊って実在してるのか?」
堕天「もちろん!まあ、一般的には知られてないかもね。僕たちの種族も人間界には基本的に関与しないってことになってるから。」
ルシフェルの種族は悪魔でもあり精霊でもあるため、本来敵対関係にあるこの二つの種族でも中立を保っているらしい。
しかし、一番驚いたのは神も存在しているってことだ。
まあ、そりゃあ悪魔と精霊がいれば神もいるか...
でも、この三つは勢力の均衡を保っているらしく、お互い人間界には手を出さないってことにしているらしい。
ここでふと疑問が湧いた。
光真「じゃあ、ルシフェルは何で人間界にいるんだ?」
堕天「カオスデモンリットは、人間界とその他3つの種族の連絡の仲介役でもあるんだ。僕のお父さんはその組織のリーダーをやっていて、君のお父さんともよく連絡を取っているよ~」
光真「連絡ってどんなことをするんだ?」
そう聞くとルシフェルは、首を横にふった。
ルシフェルはまだこの仕事について初めの任務らしく、普段父親に内容を聞いても教えてくれないらしい。
光真(うちの親とそっくりだな)
聞きたいことも終わった...後はルシフェルに頼んで元雄界に行くだけだ。
光真「ルシフェル。そろそろ俺を元雄界に連れていってくれ。」
堕天「あ~、そうだね。じゃあ行こうか!」
そして、さっきルシフェルが作った穴に入ると、ここに来た時のような光に包まれた。
~この世界の説明~
・能力はこの世界が生まれたときからあった
・精霊、悪魔、神、人間が存在。
・しかし、神と悪魔は次元が違う世界にいるため、召喚系能力者の最高位の人でも呼び出すのが難しい。仮に呼び出せても制御は出来ない。それらには人間と同様に意思があるからである。
・精霊は人間と同様神によって作られた為、普通に存在することが出来る。