始まりの時
それは、ある日いつも通りの下校路を歩いていた時だった。
いきなり眩しい光が俺----月聖光真を包みこんだ。
それが始まりだった。
1月5日。冬休み明け最初の学校への登校日。
いつもどおりの登校路歩いている....そう、いつもどおりのな
???「おい、月聖光真だな。」
いきなり物陰から、怪しい男たち数人が出てきた...そしてその手には凶器が握られている。
光真「また、あんたらか...もう諦めろよ。」
そう言うと男のただでさえいかつい顔が怒りのせいか、さらにいかつくなった。
???「黙れ、ガキ...今日こそはお前を」
光真「はいはい、もうそこから先は聞き飽きたよ。ほら来いよ、おっさんたち!」
俺はそう言うと、いきなり男たちから全力で逃げるように走った。
そう、これが俺の日常....
どことなく普通にいるような学生でそれなりに運動も出来てそれなりの学力を持っていて、人付き合いも良くてなんの変哲もない日常を過ごしているただの学生。
しかし、俺には一つだけ一般人と違う点がある。それは、明らかに闇世界側の人間たちに付きまとわれるという点である...
闇組織幹部「待て、このガキ!」
減速『速度低下』
この世界は100万人に一人しかいない『能力者』という存在がいる。
まあ、様々な能力者が世間には出ていて、その力で色々なことを手助けしたり政府が抱え込んだりしている。
光真「もう、おっさんの能力は見飽きたよ!」
何回その技を受けたと思うのか...
俺はすぐ近くの川に入って下流に沿って泳いだ。
幹部たち「くそが、お前ら先回りだ!」
しかし、能力を悪用しようとする連中は必ず存在してしまう。
そうして、追いかけようとする男たちの後ろに影が現れた。
???「はい、君たちそこまでだよ。」
重縛『鋼鉄拘束』
次の瞬間、男たちは鉄の拘束具に身を包まれていた。
そして、それらを止めるための組織も当然存在している。
「くそ、離せ!」
男たちは必死に縄を解こうとしているが、解ける気配は全く無い。
???「やっと、捕まえた....月聖家の息子さんを5回狙って全部失敗するが、全て逃走した...なんて闇組織がいるなんてバレたら大事なんだから勘弁してくれ。あとは...おーい、大丈夫かー?光真くーん」
光真「あ!秋夜さん、来てくれたんですね!」
この人は漠河秋夜
俺の昔からの知人で恩人であり、よくこうして助けてもらっている。
なんとか、川から上がった俺に秋夜さんはタオルを渡しながらこういった。
秋夜「光真くんも大変だよね〜、毎日裏組織のやつらに追いかけ回されて」
光真「まあ、でもいい運動だよ。それに危なくなったら、秋夜さんたちが来てくれるからね」
秋夜「まったく、僕達『星光未来』がいなかったら光真くん、100回は死んでるね。」
そう、この世界は今秋夜さんが所属している『星光未来』とさっきの男たちが所属している組織、
『暗黒未来』という勢力が争っている。
何百年も前から、この2つの組織は闘いを続けていてそれが未だに世界を光側と闇側に二分しているのである。
そして、なぜ俺がこんなに狙われるのか...それは親である。
秋夜「まあ、光真くんの親は星光未来の隊長たちだから、それは闇組織の連中も目を血眼にして捕まえようとするよね。」秋夜さんも最近、半ば諦めている口調になってきている。
そう、俺の親は隊長それも
星光未来第一部隊隊長『月聖 拓真』
星光未来第一部隊副隊長『月聖 麗華』
『世界最強』の立ち位置にいる二人なのである。
そういえば、この2つの勢力は百年に一度、必ずといっていいほど大戦争を起こす時期があるという話を聞いたことがある。
前回は...確か星光未来の隊長と暗黒未来の『8人の厄災』の副リーダーが相打ちになり戦争は終わったらしい。
俺も父さんから聞いただけであって詳しく知らないし、このことを秋夜さんに話してもわからないらしいので、父さんの作り話ではないかと勝手に考えている。
秋夜「じゃあ、光真くん。学校いってらっしゃ~い。」
光真「うん、いつもありがとう、秋夜さん。」
そうして、案の定学校には遅れるわけであるが先生たちも事情はわかってくれているので特に点は引かれない。
「大丈夫か!光真」
休み時間になればみんなが俺の机に来てそう言う。
友達ってありがてー...毎日そう思うなあー。
同級生たちも俺のことを心配してくれてるし、人付き合いをうまくやっておくと色々気が楽である。
まあ、それ以外がきつすぎるっていうのもあるが....
そうしていると、あっという間に下校の時間になる。
友達「光真ー、一緒に帰ろうぜー!」
光真「おう、ちょっと待ってくれ〜」
ちなみに闇世界の奴らは下校の時間には出てこない。なぜかというと、絶えず秋夜さん達星光未来の人たちが夜遅くまでパトロールしているからだ。
朝はその警戒が最も弱い時間であるためよく襲われるのである。
大体いつも一緒に帰っているこいつは、緑冬輝魂
魂「光真も大変だよな〜、毎日毎日危ない奴らに追いかけられて。」
光真「まあ、でも意外と慣れるとそうでもねえよ。」
魂「そんなの慣れたくねえな。」
そうして、二人で帰って何事もなく家につき、普通に寝た。
〜翌日〜
(はあ、今日の朝も何か起きそうだな)
そんなことを考えながら、朝起きて部屋から下に降りた。台所から朝御飯のいい匂いが漂ってくる。
父さんはいつも忙しいはずなのに(どうやって来ているのかわからないが)朝御飯だけ作ってくれている。
母さんはそんな時々いなくなる父さんの分働くから一年であうことは2、3回程度。
というかたまには母親のご飯も食べてみたい...と思うだけであまり期待はしていない。
光真「まあ、母さんも忙しいよな」
椅子に座り、ご飯を食べようとした時何か机の上に置き手紙を見つけた。
(父さんだ。珍しい)
拓真「光真へ お父さんとお母さんは今年は帰ってこれなさそうなんだ。暗黒未来の行動が活発でね。そこでお前にも被害が及ぶこともありうる。光真も、もう15歳だから、そろそろ修行をしてもらう。今日中には修行場所へ誘う人が来るだろう。そこに父さんが前に使っていた家があるから、そこで一年間修行しておいで。目標は【1000万】ね。」
読み終えた俺は、別の意味で何かが起こったということに唖然となった。
「待て、待て待て待て。いきなりなんだこれ!確かに暗黒未来が最近活発なのは知ってたが!が!なんで今修行なんだ...これから俺受験だぞ。」
(父さん、もしかして俺を星光未来に入れたいのか...いや、入れる気だな。確かに昔入りたいって言ったけど!てか、今日中にそこに行くのか?)
様々な疑問を抱きながらも、彼は今日もいつも通りに過ごすつもりだった。