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1日目 21時から22時 ボス戦 

 スケルトンの群れを片付けたところでレベルが5に上がった。七階層まで降りてきてようやくである。成長補正のスキルがあっても相手が弱ければ得られる経験も少ないのだろう。


「このダンジョンでのレベル上げはもう無理なのか?」


 レベル10以下の駆け出し冒険者向けのダンジョンという話だったが、この調子ではレベル10まで上げるのにどれだけ時間が掛かるかわからない。


「そうですね。アキラ様が強すぎるのが原因ではないかと」

「強すぎる?」

「ダンジョン攻略について私は門外漢ですので確かなことは言えないのですが、アキラ様の攻略速度が尋常でなく早いのではないでしょうか。副団長はどう思われますか」

「殿下のおっしゃる通りです。新兵が実戦経験を得るためにダンジョンに挑ませることはあるが、一日かけて一階層進むのがやっと。才あるもので二階層を攻略できるかどうかというところではないでしょうか」

「あー、つまり、順調に進み過ぎているせいで七階層まで降りていながら倒している敵の数も少ないということか」

「通常ならもっと時間が掛かるため再出現した魔物と何度も戦うことになるのです」


 まあ、地図ありきの攻略とはいえ進みすぎということか。この調子だとしたら長居をしても仕方ない。それなら別のダンジョンを目指したほうが効率的だろう。


「このダンジョンはこの辺で終わりにするか。これ以上はあまり効率がいいとも思えない。ダンジョンを出るのにも数時間は掛かりそうだしな」

「ようやく終わりなのー。よかった」

「イーナ。少しは口を慎んでください。アキラ様。引き返すのもいいですが、このままボスを攻略してみませんか。アキラ様なら問題なく討伐できると思います。それにボスを倒せば入り口まで一気に戻ることができますので」

「なるほど、それは都合がいいな。で、ボスはどこにいるんだ」

「次の階層になります」

「よし、ならそれで行こう」


 筋道が決まったところで俺たちは一気に七階層を攻略していく。この階層から魔法を使うタイプのスケルトンも出てくるようになったが、魔法の詠唱は遅いため弓兵と脅威度は変わらない。つまり、俺の相手にはならないということだ。

 群れる数も5~6体と増えているがそれでもサポートメンバーの力を借りることなく一人で蹴散らしていった。


 そして到着したボス階層。

 重々しい扉を開いた先にはさっきまでとは一味違う装備を身につけた大柄のスケルトンが一体立ちふさがっていた。


「スケルトンナイトです。すべての能力値がさっきまでのスケルトンの二倍はあると思ってください」

「了解」


 背後で扉が閉まると同時にスケルトンナイトが声無き咆哮を上げた。大気が震え身体をびりびりとした波動に襲われたような錯覚を覚える。次の瞬間にはスケルトンナイトが大きなストライドで俺に向かって走り込んできた。剣を構えて俺は大ぶりの斬撃を受け止める。


 あまりの衝撃に手がしびれ剣を取り落としそうになる。

 必死にこらえて一歩スケルトンナイトから距離を取ろうとするが追撃が入る。まともに打ち合っては今の俺の筋力では耐えきれそうもないので、相手の剣を斜めに受ける。勢いを流されたスケルトンナイトが前のめりに体勢を崩した。

 

「ここだー」


 俺は気合を入れて剣を翻してスケルトンナイトの胴を切り裂いた。上下真っ二つになったスケルトンナイトだが、そのまま腕を付いて起き上がると片腕で剣を振り回してくる。だが、下半身のない攻撃は力はさっきまでとは比べ物にならないほど弱く逆に打ち返すと、仰け反るようになったスケルトンナイトに真上から唐竹割の一撃を叩きつけた。


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