O・N・GA・E・SHI
色々あって一日早いパロディ昔話。
今回は第八十弾。人間なら傘寿。
キリ番なので、いつも通り元ネタを隠してお送りいたします。
どうぞお楽しみください。
ライブ会場は凄まじい熱気に包まれていました。
イケメン六人による歌と踊りのパフォーマンスは、デビュー半月とは思えない完成度と魅力を兼ね備えていました。
「みんなー! 今日もありがとー!」
きゃあああぁぁぁ!
最高!
こっち見てー!
「僕達の歌、どうだったー!?」
最高ぉぉぉ!
幸せぇぇぇ!
もっと聴かせてぇぇぇ!
「楽しんでもらえて良かった!」
「そんな中、こんな事言わなきゃいけないのは、とっても辛いですが……」
え……?
何……?
期間限定ユニットだって言ってたけど……。
「デビューした時から言っていた事ではあるのですが……」
えー!?
マジー!?
やだー!
「僕達は今日でアイドル活動を休止します!」
いやあああぁぁぁ!
やめないでえええぇぇぇ!
生き甲斐いいいぃぃぃ!
「実は僕達、ある人に恩返しがしたくて、アイドル活動を通じてその資金を貯めていました」
「その資金が貯まったので、アイドルは一度休止という形を取らせてもらいます」
やだあああぁぁぁ!
まだ歌ってえええぇぇぇ!
お願いいいぃぃぃ!
「でもまたきっとみんなの元に戻ってくると思います!」
「だってこの世界に親切な人はたくさんいるから!」
「ここに集まってくれたみんなみたいに、ねっ☆」
きゃあああぁぁぁ!
大好きいいいぃぃぃ!
愛してるうううぅぅぅ!
「では最後の曲は、僕達のデビュー曲!」
「聴いてください!」
『O・N・GA・E・SHI!』
ぴゃあああぁぁぁ!
強い身体は まるで石
衆生を救う 固い意志
六人集いて 進む道
その様正に 六の獅子
でも 君が差し掛けてくれた笠
初めて気付く 雪の寒さ
他人を思う その優しさ
恩を返すは 正に今さ!
どうか君が笑顔の花満ちる
新たな春を迎えられますように
ありがとう 君に問う
何が見せるの? そんな笑み
ありがとう また会おう
届け僕らの O・N・GA・E・SHI
「ありがとうー!」
「みんなみんな、大好きだよー!」
わあああぁぁぁ……!
六人のラストライブは、こうして熱狂の中幕を閉じたのでした。
「じいさま、餅やら米やら野菜やらがこんなにたーんと……」
「ありがてぇありがてぇ。これで新しい年を迎えられるだ……!」
読了ありがとうございます。
恩返しとてただではできませんからねぇ……。
偶像崇拝万歳!
お好きな男性アイドルで脳内変換をどうぞ。
明日は『この作品の作者はだーれだ』企画の的中リクエストで、『サトリの話』を投稿する予定です。
よろしくお願いいたします。