表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/171

三びきの子ブタ その一

パロディ昔話第八弾です。今回は『三びきの子ブタ』になります。


三びきの子ブタと言えばこの方!

西欧昔話界のダークヒーロー、オオカミさんの登場です!


牧畜において、オオカミは憎むべき害獣でした。

故に悪の代表として苛烈な目に遭う事を望む声が、彼をダークヒーローへと押し上げたのでしょう。

……こう書くとバ◯トマンのジョ◯カ◯みたいで格好良いですが、日本で言ったら時代劇の悪代官ですね。


手向かいすると為に成らぬぞ! 大人しくギャグに着けぇ!


それでは『三びきの子ブタ』お楽しみください。

 昔々、あるところに三匹の子ブタがいました。

 子ブタ達はお母さんブタに言われ、それぞれが自分の家を建てて独り立ちする事になりました。


 長男のブタはワラの家。

 たった一日でできました。


 次男のブタは木の家。

 一週間でできました


 三男のブタはレンガの家。

 一月たってもまだ途中。




 一匹のオオカミがいました。

 オオカミはお腹がペコペコでした。


「腹へった……。どこかにうまいものは……」


 と、そこで長男ブタを見つけました、


「うまそう! いっただっきまーす!」

「わー! オオカミだー!」


 長男ブタはワラの家に逃げ込みました。


「くくく、こんな家、吹き飛ばしてくれるわ!」


 オオカミは大きく息を吸い込んで、


「ふぅー!」

「うわー! お家がー!」


 ワラの家を吹き飛ばしてしまいました。


「ぐへへ、覚悟しろ!」

「うわー! 助けてー!」


 長男ブタは辺りに散らばったワラを投げ付けます。


「ぐへへ、無駄な抵抗を……、あ、いた! 痛い! ワラって目に入ると超痛い! 目が、目がぁ! あいた!」


 オオカミは目をこすっている内に、バランスを崩して地面に頭を打ちました。


「おおおぉぉぉ……!」


 オオカミの頭にはぽっこりたんこぶができました。

 オオカミが痛がっているすきに、長男ブタは次男ブタの木の家に逃げ込みました。


「ちくしょう、ひどい目にあった……。次は木の家か。こんな家、吹き飛ばしてくれるわ!」


 オオカミは大きく息を吸い込んで、


「ふぅー!」

「うわー! お家がー!」

「僕のお家がー!」


 木の家を吹き飛ばしてしまいました。


「ぐへへ、覚悟しろ!」

「うわー! 助けてー!」

「誰かー!」


 長男ブタと次男ブタは辺りに散らばった木を投げ付けます。


「ぐへへ、無駄な抵抗を……。ちょ、そんな太いのらめぇ! ぎゃあ!」


 二匹が投げた太い木は、オオカミのたんこぶを直撃しました。

 たんこぶは雪だるまみたいになりました。


「あがががが……!」


 オオカミが痛がっているすきに、長男ブタと次男ブタは三男のレンガの家に逃げ込みました。

 しかしレンガの家はまだ作り途中で、柱と屋根はありますが、壁が未完成でした。


「くっくっく、吹き飛ばすまでもないな。三匹まとめて食ってやる!」

「うわー! 助けてー!」

「誰かー!」

「お母さーん!」


 長男ブタと次男ブタと三男ブタは、作りかけのレンガを手当たり次第に投げました。


「おい! ちょっ! それは当たったらシャレにならないだろ! やめっ! こんなのお子様方が真似したらどうするんだ! コンプライアンスとかへの配慮がぐわぁ!」


 レンガがクリーンヒットし、オオカミの頭のたんこぶは三段重ねのアイスみたいになりました。

 オオカミは、「こんなの絶対おかしいよ」と泣きながら森に帰りました。


 その後三匹は協力してレンガの家を完成させて、仲良く暮らしました。


 オオカミは『世にも珍しい三段重ねのたんこぶ!』とテレビ番組に取材されて一躍有名人になり、美味しいものをいっぱい食べられましたとさ。


 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


ギャグのお陰で、煮っ◯がしにならずに済みました。

良かったね! オオカミ!


『三びきの子ブタ』のオマージュ作品として、『3びきのかわいいオオカミ』という絵本があります。

大学時代の知人からクリスマスのプレゼント交換でもらったのですが、可愛さと話のぶっ飛び方が最高です。


オオカミが三匹で協力してレンガの家を作ったところ、悪い大ブタがやってきて、家を吹き飛ばそうとします。

しかしレンガの家は壊れません。

すると悪い大ブタはハンマーを持ち出して……。


エスカレートするお家と大ブタの悪行が堪りません!

いつか書きたいあんな話。


それでは次回は赤ずきんネクストシーズン……。

ダメ? やだ? 仕方ないなぁ。そのたんこぶ引っ込むまでだよ?

では次回『シンデレラ』で参りたいと思います。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 読みました。面白かったです! とりあえず『目が、目がぁ!』で大笑いしました。ジ○リネタ弱いんですよねぇ(笑) オオカミさん、たんこぶで済んでよかったね(笑) 次回、シンデレラ。楽しみに…
[気になる点] >『世にも珍しい三段重ねのたんこぶ!』 時間が経てば、引っ込んでしまうよね? [一言] 猫は、オオカミが出てくる絵本というと、『やっぱりおおかみ』を思い浮かべてしまいます。 子供の頃…
[良い点] 狼さんが太いのらめぇ、とかコンプライアンスを気にしていたり、某魔法少女の台詞を言っていたり、意外と余裕があるのが笑えました。 最後はお腹いっぱい食べられて、一応ハッピーエンドでしょうか? …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ