鶴の恩返し その一
パロディ昔話第六弾。今回は鶴の恩返しです。
色々なところでパロディが作られていて、何番煎じか分かりませんが。
ちゃんと理解しようとしてはいけない(戒め)。
まったりとお楽しみください。
昔々、ある山に一人の炭焼き男が住んでいました。
ある時、山を歩いていると、一羽の鶴が猟師の仕掛けた罠に掛かっているのに出会いました。
可哀想に思った男は、鶴を罠から外し、逃してやりました。
鶴は何度も頭を下げると、空へ飛んで行きました。
しばらくした後、炭焼き小屋に一人の若い娘が訪ねてきました。
「道に迷ってしまいました。どうか一晩泊めて頂けませんでしょうか」
「構いませんよ」
親切な男は、快く娘を泊めることにしました。
「ありがとうございます。ではお礼をしたいので機織り機を貸して頂けますでしょうか」
機織り機とは、布を作るのに必要な道具です。
幸い炭焼き小屋には、なぜか機織り機がありました。
「ではこれから機織りをいたしますが、決して覗かないでくださいね」
そう言うと、娘は戸を閉めました。
とんからり、とんからり。
軽快な機織りの音が家の中に響きます。
「どうぞこの反物を町で売ってください。きっとお金になりますから」
言われた通り町で売ると、高値で売れました。
男は喜び、食べ物を沢山買って帰りました。
「お前の言う通り、たっくさんお金がもらえたぞ!」
「良かったです!」
「お礼に美味しいもの買って来たぞ!」
「ありがとうございます!」
男は食べ物を並べました。
米、野菜、魚、そして。
「これは高級品だぞ」
鳥肉。
「いやあああぁぁぁ! 鳥殺しいいいぃぃぃ!」
「へぶらっ!」
娘は男を引っ叩くと、鶴の姿に戻って飛び去っていきましたとさ。
めでたしめでたし。
読了ありがとうございます。
めでたくない?
一応義理は果たしたと言う事で、恩返し的にはクリア。
鶴は痩せ細る事もなく山に帰れて一件落着。
……ダメ?
次回は『人魚姫』行っときましょう。
悲劇にはなりませんので悪しからず。