かぐや姫 その一
パロディ昔話第三十二弾。忘れていた『かぐや姫』です。
あっという間に終わります。
どうぞお楽しみください。
昔々あるところに、『竹取りの翁』と呼ばれるおじいさんがいました。
おじいさんは竹を取っては色々なものを作る仕事をしていました。
その日もいつも通り、竹を取りに山に入りました。
「おや、あれは何じゃろう」
おじいさんは、竹の中に光るものを見つけました。
近付いてみると、竹の節の一つが光っているようでした。
「これは……! 中に何か入っとるんじゃろうか……」
おじいさんは、竹を斜めに切ってみました。
すると中に小さな女の子が座っていました。
「こりゃ、どうした事じゃ……!」
驚くおじいさんの耳に、渋い声が聞こえてきました。
「Five」
「え?」
「Four」
「な、何じゃ?」
「Three」
「ど、どこから?」
「Two」
「だ、誰の声じゃ?」
「One」
「な、何が起きるんじゃ?」
「Fire」
その瞬間、竹は下から凄まじい勢いで、空へと飛び立ちました。
おじいさんはぽかんと空を見上げました。
青空には、竹に乗った少女の笑顔が、半透明に浮かび上がっているようでした。
こうしてかぐや姫は、無事月に帰りましたとさ。
めでたしめでたし。
読了ありがとうございます。
ほら、竹ってロケットみたいに見えるじゃないですか。
先が尖って、節が切り離し式多段ロケットみたいで。
なので導入によく使っていました。
ちゃんとしたの期待してた方、いましたらごめんなさい。
次回久々『混ぜるな危険』シリーズで『赤ずきん』やります。
よろしくお願いいたします。