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赤ずきん【混ぜるな危険】 その一

パロディ昔話第二十七弾。

今回は趣向を変えて、物語を混ぜてみました。

赤ずきんに何の物語を混ぜたのか。

お楽しみください。

 昔々あるところに、赤ずきんという女の子がいました。

 赤ずきんはいつも赤い頭巾を被っていたので、そう呼ばれていたのです。

 ある日赤ずきんは、森に住むおばあさんのお見舞いに行くために、森の小道を歩いていました。

 そこにオオカミが現れました。


「おやおや、赤ずきんちゃん、どこに行くんだい?」

「この道をまっすぐ行ったところにあるおばあさんの家に、お見舞いに行くの」


 オオカミは心の中で舌なめずりをしました。

 おばあさんの家の中なら、狩人に見つかる事なく赤ずきんとおばあさんを食べられると考えたのです。


「お見舞いにはお花がいるんじゃないかな? そこの小道を少し行ったところに、花がいっぱい咲いているよ」

「そうね。オオカミさん、ありがとう!」


 赤ずきんが小道に入ったのを見て、オオカミはおばあさんの家に走りました。


 こんこん。


「あら、赤ずきんかしら? 鍵はかけていないから入っておいで」


 ベッドで縫い物をしていたおばあさんが声をかけると、オオカミは扉を開けて飛び込みました。


「あ! オオカミ!」

「ぐへへ、お前は前菜だ! メインディッシュには赤ずきんが控えているからな! さっと食べてやる!」

「きゃあ!」


 おばあさんは丸呑みにされてしまいました。

 しかしおばあさんの手には縫い針がありました。


「えいえいえいえいえいえいえいえいえいえい」

「痛だだだだだだだだだだ!」


 お腹の中を針で刺されまくったオオカミは、おばあさんを吐き出しました。

 その拍子にオオカミは、小さな木のハンマーをドロップしました。

 そこに赤ずきんがやってきました。


「あら? オオカミさんにおばあさん」

「あ、赤ずきんかい?」

「おばあさんおばあさん。おばあさんはどうしてローション相撲をしたみたいにぬるぬるなの?」

「それはね赤ずきん、私がオオカミに食べられかけたからだよ」

「まぁ! 悪いオオカミさんだったのね! でもおばあさんおばあさん、そのオオカミさんはなぜ倒れているの?」

「それはね赤ずきん、この縫い針でお腹の中をつつきまくったからだよ」

「さすがおばあさん! さすおば! それじゃおばあさんおばあさん、この木のハンマー、何だかわかる?」

「! それは! 赤ずきん! それを私に向けて軽く振りながら、『おばあさん元気になぁれ』と言っておくれ!」

「? よくわからないけどわかったわ。おばあさん元気になぁれ」


 するとおばあさんの病気が治り、ついでに粘液まみれの状態異常も消えました。


「わぁすごい! この木のハンマー、不思議な力があるのね!」

「そう、それは『打ち出の小づち』と言って、持ち主の願いを叶えてくれるんだよ」

「じゃあ、オオカミさん、人を食べないいいオオカミさんになぁれ!」


 すると不思議な力で、オオカミはベジタリアンになり、性格も温厚になりました。


「いやぁおばあさん、今日はとんだ失礼をいたしました」

「こちらこそお腹の中をつつきまくって悪かったね」

「うふふ、みんな仲良しね!」


 オオカミは一人暮らしのおばあさんのお世話をする事になり、おばあさんと二人、幸せに暮らしましたとさ。


 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


はい。一寸法師でした。

丸呑みされて内部から攻撃は、色々な物語で使われていますよね。

……もしかして、赤ずきん、オオカミと七匹の子ヤギ、一寸法師、じごくのそうべえの教訓は、『よく噛んで食え』なのかも?

そしたら話が一気にスプラッタになりますけどね……。


もう一つ、赤ずきんの【混ぜるな危険】シリーズがありますので、そちらもよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おばあさんとオオカミさん、いつしか二人の間には種族を超えた愛が芽生えていそうです。 丸のみしてしまうほど、貴女が魅力的だったのですと、紳士なオオカミさんが情熱的に口説いてたりして。 [一言…
[一言] うそ、コレ、最後のところで、一挙にホラーテイストに……。 ギャアァァァァ━━━━━━(|||゜Д゜)━━━━━━!!!!!! ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ピクピク
[一言] えっ? 一寸法師!?
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