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三びきの子ブタ その二

パロディ昔話第二十三弾。「三びきの子ブタ」セカンドシーズンになります。


二十三弾という事で、ふたつとさん、ブタさんとなるので三びきの子ブタにしました。

……嘘です。投稿の際に適当に思いつきました。


楽しんでいただけましたらありがたいです。

 昔々、あるところに三匹の子ブタがいました。

 子ブタ達はお母さんブタに言われ、それぞれが自分の家を建てて独り立ちする事になりました。


 長男のブタはワラの家。

 たった一日でできました。


 次男のブタは木の家。

 一週間でできました


 三男のブタはレンガの家。

 三月みつきかかってできました。




 一匹のオオカミがいました。

 オオカミは、ワラの家を見るなり、すごい息で吹き飛ばしてしまいました。


「わぁ! 僕の家が!」

「家!? ふざけるな! こんな保温性しか考慮してないような家、雨降っただけでおじゃんだろ! 台風が来たら跡形も残らねぇぞ!」

「お、オオカミだぁ! お助けぇ!」

「待てコラァ! 家の大事さをこんこんと説教してやる! キツネじゃなくてオオカミだけどなぁ!」


 逃げる長男。追うオオカミ。

 長男は次男の木の家に逃げ込みました。

 オオカミは木の家も、すごい息で吹き飛ばしてしまいました。


「わぁ! 僕の家が!」

「ばっかやろう! 防炎処置もしてない木材で家建てやがって! 火事になったら逃げる間もなく丸焼けだぞ!? 耐震対策も甘いしよぉ!」

「お、オオカミだぁ! お助けぇ!」

「兄ちゃん、弟のところに逃げよう!」

「待てコラァ! 防災の何たるかをじっくりゆっくり教え込んでやる! シチューのようになぁ!」


 逃げる長男と次男。追うオオカミ。

 二人は三男のレンガの家に逃げ込みました。

 さしものオオカミも、レンガの家は吹き飛ばせません。


「ふむ、耐火レンガを丁寧に組み上げている……。耐震性も問題ない。後は通気性だが……」


 オオカミは家の周りをくまなく見て回ります。


「うーん、窓が少ない……。一酸化炭素中毒になったら危ないぞ……。お、エントツがあるのか」


 オオカミは屋根に登ってエントツをのぞき込みました。


「うーん、少し小さいかなぁ……。換気能力に不安があるなぁ……」


 オオカミはそのままエントツの中を降りて行きました。


「あっ!」


 オオカミは途中で足を滑らせてしまいました。

 下にはぐらぐらと煮える鍋がありましたからたまりません。


「あっつ! あっつ!」


 すごい勢いでエントツを登ったオオカミは屋根を飛び降り、火傷したしっぽをふーふー吹きながら、子ブタの家を見ました。


「まぁとりあえずは大丈夫か……。今度換気扇、だと家に穴開けないとだから、サーキュレーターでもプレゼントしようかな……」


 そんな事を考えながら、オオカミは森に帰って行きました。


「オオカミ怖かったねぇ」

「怖かったねぇ」

「でもここなら安心だから、三人で暮らそうよ兄さん」

「ありがとう!」

「よろしく!」

「こちらこそ!」


 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


流れはそのままでもセリフを変えると大違い。

優しい世界になりました。


次回は「三まいのおふだ」で書いてみようと思います。

よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 防災意識の高いオオカミさん、きちんと話を聞いた方が色々な自然災害や火事に強い家を建てることが出来ていたかも知れないですね。 キツネじゃなくてオオカミだけどなぁ、にくすっとしました。 [一…
[一言] ひょっとして、消防点検だった? 防火扉の前、片付けとかないと……。
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