表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/171

ウサギとカメ その一

パロディ昔話第十九弾。今回は「ウサギとカメ」です。


私の中で白雪姫の鏡コントばりにネタが多いのに、なぜこれまで書いてこなかったのか、コレがわからない。


さっくり短めですので、お茶請けにでもどうぞ。

 昔々ある所に、足の速さを自慢しているウサギがいました。

 ウサギは足の遅い動物を、いつもバカにしていました。

 ある日、カメを見つけたウサギは、早速からかいに行きました。


「いやー、いつものろいねぇカメ君! 世界で一番のろいんじゃないの? そこんとこいくとボクは速いよ!」

「……」


 そこに馬が通りかかりました。


「ウサギ、お前オレより足遅いよな」

「……すいません」

「カメ、気にするな。こいつが調子に乗っているだけだ」

「……ありがとうございます」


 馬は悠々と去って行きました。

 しかしウサギは、こりていませんでした。


「まー、確かにウマさんには勝てないけど、でもカメさんののろさよりはマシだからー! ぷぷー!」


 そこにチーターが通りかかりました。


「お前、オレより遅いよな」

「……すいません」

「……あと、お前うまそうだな」

「ひぃっ!」


 ウサギはまさに脱兎の如く逃げ出しました。


「カメ、あいつがまた調子に乗ったらオレに言えよ」

「……ありがとうございます」


 こうしてウサギは足の遅い動物を、バカにする事はなくなりましたとさ。


 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


因幡の素兎もそうですが、何故ウサギは余計な事を言ってしまうのか……。イキリ体質?

でも『悪役』のオオカミや『狡知』のキツネとはまた違う話の流れになるのは、やはりどことなくお間抜けで、憎めないキャラだからでしょうか。


次回は二十回達成記念!

元話は内緒のまま、昔話をベースにした物語をやります!

「十回の時に記念とかやってないじゃん」とか言っちゃダメ!


それでは次回『三峰みつみねの果て』、お楽しみに!

ちなみにこの話、子どもには話した事ありません(重要)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 脱兎のごとくと兎の語呂合わせに吹き出しました。 上手い……上手すぎる‼ 流石ですね!
[良い点] 亀さんが馬さんやチーターさんに庇って貰えるのは、亀さんが真面目で優しい好かれる性格だったからなのでしょう。 とても優しいお話で面白かったです。 [気になる点] 亀さんは亀さんでも、ワニガメ…
[一言] ウサギって欧米でも日本でも、比較的身近にいる動物ということで、いろいろなイメージや象徴として扱われるようです。 月のシンボルだったり、豊穣・多産のイメージ、更には性的なイメージ(バニーガール…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ