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たつのこたろう その二

一月以上のご無沙汰、申し訳ありません。

仕事で大やらかしをして、なかなか執筆へと戻れませんでした。

でもやっぱり書く事はやめられません。

おちこんだりもしたけれど、私はげんきがあれば何でもできる!

ん!? まちがったかな…


そんなこんなで今回のお話は『たつのこたろう』でお送りいたします。

今回は話にあまり出てこない父親にスポットを当ててみました。

どうぞお楽しみください。

 昔々あるところに、太郎という男の子がおりました。

 太郎の家には両親がいませんでしたが、優しいお婆さんに育てられ、すくすくと大きくなっておりました。

 太郎が十二歳になったある日、お婆さんは真剣な顔で太郎にこう言いました。


「……昔おめぇのおっ父とおっ母は、病気で死んだと話してただな?」

「……あぁ」

「だが本当は違う」

「え?」

「おめぇのおっ母は生きとる」

「……そ、そんな……! 何で死んだなんて嘘をついただ!? い、今どこに!?」

「落ち着け太郎。順を追って話す」


 狼狽える太郎を嗜めると、お婆さんはゆっくり話し始めました。


「まずおめぇのおっ父だが、おらの子ではねぇ」

「えっ!? ど、どういう事だ!?」

「おらが娘っこの時、山で光ってる赤ん坊を見つけてな。こら神様の子だろうという事で、村の衆と相談しておらが育てる事になった」

「……へぇ……」


 情報が多過ぎて混乱している太郎の頭を撫でると、お婆さんは話を続けます。


「大きくなると倅は不思議な事を言うようになった。大昔の村の事を見てきたかのように話したり、先に起こる災難を言い当てたりした」

「す、すげぇ……」

「そんな倅だから、この村だけでなく、近在の村々から結婚の話が持ち込まれただ。しかし倅は首を縦に振る事はなかったんじゃ」

「なして……?」

「普通の娘では自分の子を産めない、無理をすると死んでしまうから、と言っておった」

「じゃ、じゃあおらのおっ母は……?」

「竜じゃ」

「りゅ、竜!?」


 次々と明らかになる衝撃の真実に、太郎の思考回路はショート寸前でした。


「山の奥の湖に住んでおる竜、それがおめぇのおっ母だ」

「……おっ父は神様の子で、おっ母は竜……」

「おらが話せるのはここまでじゃ。後はおっ母に聞くとえぇ」

「……わかった……」


 太郎は混乱した頭のまま、山へと行きました。

 大きな湖のほとりに行くと、そこに大きな竜が佇んでおりました。


「……太郎かい?」

「……おっ母……?」


 目を合わせてそう言った瞬間に、二人は自分達が親子である事を確信しました。


「おっ母!」

「……太郎……!」


 飛び付いた太郎を、竜はその尾で優しく撫でるのでした。




 少しして落ち着いた太郎は、母に問いかけます。


「おっ母、おっ父は今どこにいるんだ……?」

「……あの人は未来に起こる災厄から人々を守るために、時の中を旅しているのです。そして太郎、お前はその助けになるべく生まれてきたのです」

「……おらが、人々を守る……?」

「そう。あの人が見た未来の災厄は、あの人の力を持ってしても乗り越えられないものでした。そこであの人は私と契りを結んでお前を産んだのです」

「……」


 それを聞いた太郎は複雑な表情を浮かべました。

 まるで自分が災厄のためだけに生まれたような気分になったからです。

 耐えきれずに太郎は母に尋ねました。


「……おっ母はどうしておっ父と結婚したんだ……?」

「それはもう素敵な人だったからよ! 男らしくて誠実で、でもちょっと強引なところもあって、それがまた良いところで……!」

「えっあっうん」

「顔立ちも素晴らしいのだけど、最高なのはその引き締まった身体! 厚い胸板! 割れた腹筋! でも一番は後ろから抱きしめられた時に見える腕の筋肉!」

「あっハイ」


 突然早口になって語り出す母に驚きながらも、太郎の顔には笑みが浮かんでいました。




 この後、太郎は自分の中の父と母の力を使いこなせるようになり、過去と未来を行ったり来たりしながら、知らない世界を旅する事になりました。

 そして時間の旅ガラスとなった父の足跡を追い、ついには世界を揺るがす災厄に、父と力を合わせて立ち向かう事になります。

 ですがそれはまた別のお話……。

読了ありがとうございます。


仮◯ライダー電◯を思い出した人は僕と握手!

S◯Ga2を思い出した人も僕と握手!

仮◯ライダーキ◯゛? 知らない子ですね……。


それにしても時間の中を旅する太郎はごくろうさんね。

……ここまでなら法には触れないはず……。


何が何だかわからない人は、タツノコで検索しちゃダメですよ!


次回は『分福茶釜』で書こうと思います。

よろしくお願いいたします。

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[一言] デタマンを思い出しました。
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