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シンデレラ その四

日曜の元気なご挨拶。

パロディ昔話第百六十一弾です。

今回は『シンデレラ』で書かせていただきました。


どうぞお楽しみください。

 昔々あるところに、シンデレラという美しい娘がいました。

 シンデレラはお母さんを病気で亡くしました。

 そこでお父さんは娘を二人持つ女の人と再婚しました。

 しかしお父さんも病気でなくなってしまうと、その新しいお母さんとその娘二人は、シンデレラに辛く当たりました。


「ほらほら! 掃除をするんだよ!」

「その後は洗濯よシンデレラ!」

「お夕食の支度もですわ!」

「……はい……」


 シンデレラは来る日も来る日も家の仕事をさせられていました。

 そんなある日の事。


「お城で舞踏会ですって!?」

「王子様とお近づきになる絶好の機会ですわ!」

「シンデレラは家で繕い物でもしていなさいね!」

「……はい……」


 新しいお母さんとその娘二人は、シンデレラを置いてお城に行ってしまいました。

 シンデレラは言われた通り、服の繕いをして過ごしていました。

 その時です。


「シンデレラ」

「あ、あなたは……?」

「魔法使いさ」

「魔法使い……?」


 大きなつばの帽子を被った、恰幅の良い女の人は、そう言うとにこりと笑いました。


「今日はあんたに一つ提案を持って来たのさ」

「提案、ですか……?」

「あんたには魔法の才能がある」

「えっ!?」

「それも私より、いや、世界の誰よりも立派な魔法使いになれる才能が、ね」

「そ、そんな、私が……?」


 この国では魔法使いはとても貴重な存在でした。

 薬の効かない病気を治したり、大きな災害を事前に察知したりする事ができるからです。

 もし魔法の力を手に入れられれば、今の生活は一変する事でしょう。


「あんたがその気なら、魔法学校へ招待するよ。あんたの才能なら、学費も生活費も全部学校が持ってくれるさ」

「そ、そんな……! ほ、本当に……!?」

「本当さ。私の魔法に誓って」

「……!」


 魔法使いが自分の魔法に誓うと言う事は、もしそれが嘘だった時に魔法の力を失う事を意味しています。

 それをお父さんから聞いて知っていたシンデレラは、手を握りしめて決意を固めました。


「お願いします! 私を魔法使いにしてください!」

「よしきた! じゃあ早速行くとしよう! さ! 箒の後ろに乗りな!」

「はい!」


 こうしてシンデレラは魔法学校に転入。

 持ち前の真面目な性格で才能を開花させ、仲間と共に学校での生活を満喫します。

 そして立派な魔法使いとなって元の家に戻りました。

 魔法使いとなったシンデレラに、新しいお母さんと娘二人は猛然と謝り、身の回りの世話をするようになりました。

 そして魔法を国民のために使うシンデレラを知ったその国の王子様からプロポーズされ、シンデレラは王妃様として幸せに暮らしましたとさ。

 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


継母と義姉はジャンピング土下座を決めました。

魔法使いがその気になれば、人を消し炭にするなど簡単ですからね。

シンデレラにその気はありませんが……。

そして掃除洗濯お料理皿洗いと、甲斐甲斐しく尽くすのでした。

ざまぁ展開は良いものです。


次回ももう一話『シンデレラ』で書きたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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