勝利者インタビュー
日曜の元気なご挨拶。
パロディ昔話第百二十弾です。
今回はタイトルを伏せて書かせていただきました。
元話を予想しながら、お楽しみください。
ーー今回は大勝利、おめでとうございます。
「ありがとうございます」
ーー体格差をものともしない、見事な勝利でしたね。
「まぁそこの不利は織り込み済みでしたから」
ーー勝因は何だと思われますか?
「気持ちで負けない事。それと最後まで諦めない事ですかね」
ーーこの勝利と栄光をどなたに伝えたいですか?
「故郷の両親に、ですね。家を出る時には随分心配をかけてしまいましたから」
ーー強くなるために特別に行ったトレーニングなどありますか?
「そうですね……。川下りは肉体的にも精神的にも鍛えられたかな、なんて思いますね」
ーー今後の展望は?
「体格差を克服して、人並みの幸せをつかみたいな、と」
ーーちなみに熱愛も噂されていますが?
「か、彼女には僕がここに来た時に助けてもらった恩があるから、それに応えたまでです。まだそんな関係じゃ……」
ーーまだ、という事は、今後はわからない、という事でしょうか?
「と、とにかく今は一人前になる事が優先です!」
ーーでも今回の勝利でそれが可能になるとか。
「……記者さんの情報網ってすごいですね……。はい、そうなんですよ」
ーーそうしたらもはや秒読みなのでは?
「……やめてくださいよ、からかうのは」
ーー失礼しました。しかしそうすると、そのお姿はこれが見納めになりますかね。
「そうなりますね。次にお会いする時には目線を合わせてお話できると思います」
ーー若干腰が痛かったですからね。
「ははは、お手数をおかけします」
ーーいえいえ、机の高さでもあなたには落ちたら大怪我をする高さですから、仕方ありませんよ」
「お気遣い、感謝します」
ーーではありがとうございました。記事の内容は姫様宛にお送りしますね。
「楽しみにしています。その頃には記者さんの記事を、自分の手で持って読めると思いますので」
読了ありがとうございます。
次に会う時は名前も変わっているかと思います。
もう三センチじゃないですからね。
次回は『シンデレラ』で書こうと思います。
よろしくお願いいたします。