三匹のこぶた その五
日を跨いでしまいましたが、日曜の元気なご挨拶。
パロディ昔話第百十七弾です。
今回は『三匹のこぶた』で書かせていただきました。
今回は趣味に走ってみました。
どうぞお楽しみください。
昔々、あるところに三匹の子ブタがいました。
子ブタ達はお母さんブタに言われ、それぞれが自分の家を建てて独り立ちする事になりました。
長男のブタはワラの家。
次男のブタは木の家。
三男のブタはレンガの家。
それぞれが一生懸命にお家を作りました。
そんなある日、オオカミがやってきました。
「ん? 何だ? 新しい家ができてるぞ? 一体誰の家だ?」
長男のワラの家を覗き込むオオカミ。
するとけたたましい警報が鳴り響きました。
「な、何だ!?」
『侵入者接近! 侵入者接近! 変形シマス!』
「変形!?」
驚くオオカミの目の前で、ワラの家が立ち上がります。
「ワラの繊維を集めて丁寧に縒り集める事で、軽さと強靭さを兼ね備えたストローファイバー! それによって変形に耐え得る強度を得たんだ!」
「えぇ……!?」
「そして! カッタカルの木で作った僕の家は、重量こそストローファイバーより重いものの、伸縮と自動再生の能力を持つ!」
「増えた!?」
次男の木の家も立ち上がって、ワラの家の横に並びました。
「そして僕のレンガの家は、最も堅牢でどんな攻撃も跳ね返す強度がある! それを生かして! 合体!」
「合体!?」
オオカミの叫び声と共に、レンガの家が足と腰の部分に変わります。
その上に木の家が乗って胴体の部分と、伸びた部分が腕となりました。
更にワラの家が上に乗り、頭と背中の羽根になりました。
「三家合体!」
「トライハウシーズ!」
「見参!」
大きな一つの巨人となった三つの家は、オオカミの前でポーズを決めました。
「すっげー! かっこいい!」
オオカミは目を輝かせて叫びました。
「変形に合体とか最高! なぁ! もう一回やって見せてくれ!」
「この家の良さがわかるの!?」
「オオカミさん、良いオオカミだね!」
「よーし! もう一回やろう! 兄さん!」
こうして三匹の子ブタとオオカミは、共通の趣味を得て仲良しになりました。
この後、台風や地震などの災害の時に、オオカミの指示の元トライハウシーズが大活躍をするのですが、それはまた別のお話……。
読了ありがとうございます。
変形合体はロマンですよね。
原型、人型、合体の三種形態ができると更に良いですね!
次回は『白雪姫』で書きたいと思います。
よろしくお願いいたします。