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ウサギとカメ その三

日曜の元気なご挨拶。

パロディ昔話第百十一弾です。

今回は『ウサギとカメ』で書かせていただきました。


色々ネタは思いついたのですが、昔話らしいほのぼのを選んでみました。

どうぞお楽しみください。

 昔々、あるところにウサギがいました。

 ウサギは足の速さを自慢にするばかりに、足の遅い動物をいつもバカにしていました。

 ある日カメを見つけたウサギは、いつものようにからかい始めました。


「やぁカメさん! そんな遅い動きでどこに行くのかな?」

「ウサギさん?」

「世界で一番遅いんじゃないのー? どうしてそんなに遅いんだろうねー!」

「むー! そんなに言うならかけっこで勝負だ!」

「カメさんが? ボクと? はっはっは! 勝負になるわけないじゃないか!」

「やってみないとわからないよ!」

「あぁいいよ! かけっこ勝負、やろうじゃないか! 折角だから、森のみんなにも見てもらおう!」


 こうして森の動物達が見守る中、ウサギとカメのかけっこ勝負が行われる事になりました。


「カメさん頑張れー!」

「ウサギさんに負けるなー!」


 森の動物達は、いつも足の遅い動物をバカにするウサギよりも、カメを応援していました。

 しかしウサギは平気な顔。


「どんなに応援したって、ボクがカメさんに負けるわけないのにねー!」


 さて、かけっこのコースは、曲がりくねった道の先にある、小山の麓まで走る道になりました。


「スタートしたら、僕達はゴールに先に行って待ってるからね」

「二匹とも怪我しないように頑張って!」

「うん! ありがとう!」

「ボクが怪我なんかするわけないじゃないか。ノロマなカメさんならともかく」

「……じゃあ、よーい、スタート!」


 いよいよかけっこが始まりました。

 ウサギは勢いよく駆け出しました。

 その後をカメが一生懸命追いかけます。

 しかし二匹の速さの差は明らかでした。


「何かハンデをあげても良かったかなー」


 しばらく走って後ろを振り返ったウサギは、カメの姿が見えないのを確認して、余裕の笑みを浮かべました。


「あーあ、このままゴールしてもつまんないなー。今日は天気も良いし、良い草むらもあるし、ちょっと昼寝しても良さそうだな」


 そう呟くと、ウサギは草むらにごろりと横になりました。

 お日さまぽかぽか良い天気。

 風はそよそよ良い気分。

 ウサギはいつの間にかぐっすり眠ってしまいました。


「えっほ、えっほ……!」


 そんなところにカメが走って来ました。


「あれ? ウサギさん、寝てる……」


 立ち止まってその姿を見たカメは、自分も草むらに横になってみたくなりました。


「ちょっとだけ……」


 カメも草むらにごろりと横になりました。

 お日さまぽかぽか良い天気

 風はそよそよ良い気分。

 カメもぐっすり眠ってしまいました。


「遅いなぁ。カメさんはともかくウサギさんまで……」


 ゴールで待っていた森の動物達が、なかなかやって来ない二匹を心配してやって来ました。


「あ、二匹とも寝てる!」

「かけっこはどうしたんだろう」

「でも気持ち良さそうだね」

「ちょっと横になってみようか」


 森の動物達も草むらにごろりと横になりました。

 お日さまぽかぽか良い天気

 風はそよそよ良い気分。

 動物達もぐっすり眠ってしまいました。




「はっ!」


 ウサギが目を覚ましました。

 日は夕方になりかけていました。


「しまった! かけっこは……!」


 跳ね起きると、カメや森の動物達がみんなでぐうぐう寝ているのが見えました。


「え、どういう事……?」


 ウサギはわけがわかりません。

 とりあえずカメを揺り起こす事にしました。


「か、カメさん……」

「うぅーん……。あと五分……」

「寝ぼけてないで起きて……」

「……あ、ウサギさん……? おはよう……」

「いや、もう夕方なんだけど……」

「え……? あー、気持ち良いからすっかり寝ちゃった。えへへ……」

「……」


 ふんわり笑うカメに、足の速さの事ばかりを考えていたウサギは衝撃を受けました。


(足が速い事なんかより、一緒に昼寝してくれる友達がいる事の方が、きっと嬉しい事だよね……)


 そう思ったウサギは、カメに頭を下げました。


「……足の遅い事をバカにしてごめんね……」

「え、あ、うん、謝ってくれたら全然良いよ」

「……それで、その、ボクと友達になって、くれない、かな……」

「勿論だよ! これからよろしくねウサギさん!」

「……! うん! よろしく!」


 こうしてウサギとカメは友達になりました。

 するとウサギは足の遅い動物をバカにする事はなくなり、森の動物達とも仲良くなりましたとさ。

 めでたしめでたし。

読了ありがとうございます。


お昼寝の前では、等しく無力……!

特にお休みの日、洗濯とかを終えてごろっと昼寝する気持ち良さよ……!

で、気が付けば一日が終わっているという……。


卯年にぴったりという事で(さっき気付いた)、次回も別ネタで『ウサギとカメ』を書きたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ほんわかあったかくて良いお話でした。 みんなで一緒に御昼寝をして、友達の大切さをしったうさぎくん、これからもたくさん御友達が出来るといいですね。 [一言] お休みの日は11時くらいまで寝て…
[良い点] カメさんが寝ているのを幸いにそのままゴールしようとするのではなく、キチンと揺り起こしてあげる所に、ウサギさんの誠実さと善性が感じられました。 冒頭や中盤では口の悪い所が見受けられたウサギさ…
[一言] えーッ!? そうなるの!?
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