金の斧 銀の斧 その一
パロディ昔話第十弾。今回は「金の斧 銀の斧」です。
本来のパロディ昔話に立ち戻り、サクッと終わらせる話にしてみました。
手抜きと言ってはいけない(懇願)。
物足りなさも含めてお楽しみください。
昔々あるところに、とても正直者の木こりがいました。
いつものように森で木を切っていると、手が滑って斧が泉に落ちてしまいました。
「あぁ、一本だけの斧が……。オゥノー!」
木こりが泉のほとりで嘆いていると、泉が光りました。
「え、一体何が……!?」
木こりが驚いていると、光の中から美しい女性が現れました。
「私はこの泉の女神です。貴方が落としたのはこの金の斧ですか? それともこの銀の斧ですか? それとも……」
女神は自分の頭を指差しました。
「この頭に直撃した鉄の斧ですか?」
そこには見事なまん丸のたんこぶがありました。
「え、あの、その……」
「向きが違ったらえらい事でしたよ。で? これは貴方の斧ですか?」
「いや、その……」
「貴方の斧ですね?」
「……はい……」
その後木こりは女神から、斧をしっかり持つ大事さをこってり説教されましたが、最後には許してもらえて、斧も返してもらえました。
正直という事は大事ですね。
めでたしめでたし。
読了ありがとうございます。
べっ別に昨日から書いていたやつが仕上がらないから慌てて書いたんじゃないんだからねっ。
一日一話はこだわっている訳じゃないんですが、投稿しないとどうにも座りが悪くて……。
頻度よりも質で勝負できる、そういうものに私はなりたい。
お付き合い頂き、ありがとうございます。