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推理ドラマ うさぎとかめ

作者: 映像制作UMASHIKA

*本文

■屋上

屋上で寂しそうにしている比嘉。

そこにワカとほなみがやってくる。


わ:比嘉さん、、、こんなところで何してるの?


ひ:うん、いや、、、別に、

  じゃあね。


立ち去る比嘉をじっと見つめるほなみ


ほ:誰?知り合い?


わ:小さな劇団の演出をやっている比嘉さん。彼女の舞台、面白いですよ。


ほ:何か心配そうな顔していたわね。ちょっと調べておいて。


わ:何でですか?


ほ:彼女に恩を売って、私が舞台の主演をするように頼むの。


わ:えー、そんなの無理ですよ。


■部屋(屋上)


ナレーション

ワカ:比嘉さんは最近、SNS上で悪口を書かれていた。

   そしてこの人はほなみさん、ユーチューバーを目指しているけど、フォロワーが僕 一桁という不人気ユーチューバー。

   僕は彼女を人気ユーチューバーにするために手助けしています。


ほ:悪口ねぇ。、、、彼女、そんなに性格悪いの?


わ:いやぁ、、、僕にはそんな感じに見えないですけどね。


ほ:彼女に会って、直接聞いてみましょ。



■部屋(403号室)


わ:悪口が書かれたのって一か月前くらいからですよね。


ひ:うん、そう。


わ:何か心当たりはありますか?


ひ:それは、、、わからないのよ。


・・・時計の針が10~15分くらい進む


わ:今年の舞台、もうそろそろですね。今年はどういうものをやるんですか?


一瞬、表情がこわばる比嘉


ひ:ごめんなさい、今回の騒動で私、関わってないの。


わ:そうなんですか、すいません、へんなこと聞いてしまって。


ひ:ううん、しょうがないよね。


ほ:比嘉さんって、どんな舞台を演出するんですか?


ひ:私? 私、山本周五郎が好きで人情ものが多いかな。

  でも、そういった作品って人生経験もないと上手くいかないから、

  役者さんに厳しく指導してしまうこともあったかな。


わ:でも、僕は比嘉さんの舞台好きでしたよ。


比嘉を見つめるほなみ


■部屋(屋上)


ほ:ワカ。 ワカは「うさぎとかめ」ってどう解釈している?


わ:うさぎとかめですか?

  真面目なカメが努力を惜しまず、才能のあるウサギに勝つ、っていう感じですかね。


ほ:ウサギについては、どう思う?


わ:才能があっても怠け者だと負ける。


ほ:子供だな。

  なんでウサギは休んだのか?休まざる負えなかった理由があったとしたら?

  何があったと思う?


わ:うーん、、、そうなるとケガとかかな?


ほ:そーだな。それも一つある。まぁ、それだけじゃないけど。


■部屋(403)


ほ:悪口、、いやデマを書いている人がわかりました。


わ:そーだったの?


ほ:あなたもわかっていたんじゃない?


ひ:・・・


ほ:日本は島国だし、東アジアの歴史をみても閉鎖的な思考が多いように思う。

  比嘉さんは「うさぎとかめ」をどう解釈しますか?


ほ:私はどうしてウサギは休んでいたのか?ということを考えることがある。

  ワカはケガをしていたからだと答えた。


ほ:ではなぜケガをしていたか?

誰かに罠をかけられた、その可能性もある。


わ:悪口、デマが罠ってこと?


ほ:閉鎖的な組織の場合、自由な競争ではなく、

  相手の足を引っ張って、蹴落とす。

  そういうことは起こりえる。


ほ:悪口、デマを流しているのは今回の舞台を演出する稲里さん。


ほ:それに加え、一部の役者陣も一緒になって多数派工作で流れを作ったんでしょう。


わ:なんでそれを?


ほ:私のトラップにまんまと引っかかったからね。

  彼らには一般の人には見えない、限定公開の彼女の動画を知らせたのよ。

  彼らはそこにも誹謗中傷を書いてたわ。

  そこに書き込めるのは限られた人間、稲里たちになるのよ。


わ:こんなこと、、あるんですね。


ほ:まぁね、資本主義の弊害なのかな?

  あらかた主演にしてあげるとか、いい役あげるとか、

  そういったもので釣ったんでしょう。


わ:正義感って、、、ないんでしょうか?


ほ:政治の世界でもよく金権スキャンダルがあるんだし、身近で起こっても不思議ではない。

  カネや地位を得られればいい、そういう思考になってしまう人もいる。

  そしてそういう人が権力をもって不正をすると自浄は難しくなる。


ほ:でも、比嘉さんはわかっていたんじゃない?


ひ:(うなずいて)うすうすはね。

  私、志田先輩に誘われて、この劇団に入って、感謝していて。

  舞台も近かったから劇団に迷惑かけたくなくて、穏便に解決できないかって。

  志田先輩も今は引退して団にはいないし。


ひ;でも、もう無理よね。

  ありがとう、ほなみさん。

  もうすぐ舞台だから舞台が終わってから、先輩とも相談して、

どういう対応するか決めるわ。




■部屋(屋上)

電話で比嘉と話すほなみ


ひ:結局、劇団は解散することになったの。

  私もひとまず舞台関係のことは休業します。

  ほなみさんにはいろいろお世話になったわ、ありがとう。


わ:元々劇団は志田っていう人が創設したみたいで、

事態をしった志田さんが激怒して解散させたみたいです。


ほ:はぁ~、私の主演舞台、、、


わ:ほなみさん、フォロワー一人増えてますよ。

  これきっと比嘉さんですよ、よかったですね。


ほ;私の主演舞台、、、


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