襲撃の可能性
俺はルージュの方を見ながら、ある事を話す。
「多分、今日の夜に襲撃がある可能性が高いぞ」
「なんだと! それなら俺様の出番じゃねーか」
「ハルヤ、何故そう思うんだ?」
レイナが不思議そうにそう聞いて来たので
「簡単な事だ、あんだけ手のひらで転がされて、プライドがズタズタに見えたからな。その証拠に、リーダーのオッサンが立ち上がって文句を言っていただろ、多分相当苛ついていたはすだ」
「それはわたしにも分かっていたわ。でもそれだけだと襲ってくる証拠にはならないわよ」
ソルがそう話して、他のメンバーも頷いている。
「確かに確定では無いから、襲ってこないかもしれないけど、ハルパ派はどんな奴らかいる?」
「そうですね。ハルパ派は面倒な奴は暗殺者を雇って物理的に消したり、権力でどうにかする人達だから襲撃はありえますね」
「なる程、でも襲撃とルージュは何か関係があるのかしら? 結界を張ってもらって襲撃に備えるくらいしか思いつかないわよ」
「まぁ、俺が言いたかった事を言われたな。ソルの言う通り結界を張ってもらって明日に備える事だな」
「ダンナ、それだと俺様の仕事が少なく無いか?」
ルージュがそう言ってふてくされているので
「すまないけど今はあまり動けないからな。でも、おそらく明日に動きがあると思うから、その時に備えてくれるかみんな?」
俺のその言葉に頷いてくれたので、一旦この話は終わる事にする。
それから他にも色々話していると夕方になったので、俺達は国軍支部から出て、食堂に入って夜ご飯を済ませた後、泊まっている宿に向かった。
そして、宿に到着して、全員が風呂とかを合わせた後、雑談タイムになった。
「さて、そろそろ今日のお楽しみに行こうぜ」
「お楽しみ? 正直もう寝るだけだろ、今日は疲れたからゆっくりさせてくれ」
現時点でならない事をしたからかなり眠いが、コイツらを放置すると何をやるか分からないから、何とか起きておく。
「ハルヤ、今日はまだ大事なイベントが残っているぞ」
「何か嫌な予感がするが、一応聞くよ」
レイナ達全員がこちらを見てくるのでそう答える。
「主君、ワタシの勇姿を見ていてください、必ず主君の寝るときの、隣は手に入れますので」
「ローゼ、そうはいかないよ。ボクもハルヤ君と一緒に寝たいからね。ハルヤ君はちょうどいい抱き枕だからね」
俺抱き枕にされていたのか……。
「ならエル、抱き枕を買えば良く無いかしら? わたしはハルヤに抱きついて寝たいと思っているから、この戦い(ジャンケン)に望んでいるのよ」
ソル、お前もお前でそんなに熱くなる事か? それにキャラが変わってないか?
「お前ら、今日は俺様がダンナと一緒に寝させてもらうぞ。それにローゼとレイナは前回一緒に寝ているから除外だな」
「ちょっ!? 私もハルヤと一緒に寝たいからな」
「そうですよ。それならこのリビングでみんなで寝ないですか? それならいいと思いますが」
「「「「それだ(よ)」」」」
えぇ!?
なんでそうなるんだ! よし、俺は逃げよう。
そう思ったが、横にいるローゼに手を掴まれてしまう。
「主君、いい空気なのに何処に行くのですか?」
「いや、ちょっと離れようかなと」
「ハルヤ、逃がさないわよ」
うん、やっぱりこうなるか。
その後、ルージュに結界を張ってもらって俺達はリビングの家具を端に移動させて、シートと布団を敷いて、俺が真ん中に寝かされる。
そして、俺の隣は誰が寝るかになってジャンケンでエルとルージュが勝って隣になって、一人美味しい思いをしてなかったソルが正面から抱きついて来た。
「ソル、流石に少ししんどいからどいてくれるか?」
「ハルヤ、このメンバーの中でわたしが一番小柄で体重も軽いわよ。多分、わたしがどいたら、さらにしんどい思いをするかもしれないわよ」
「はぁ、なら仕方ないか」
俺は、少ししんどく感じてしまうが気にしないようにして眠る。
次の日。
部屋の外を見るとボロボロだったので宿の人に理由を聞くと、予想通り暗殺者が来たけど、国軍の腕利きの兵士達が取り押さえたと言っていた。
そして、アルスト商会が仕向けた証拠もあったのでそれを貰ってある準備をした。
その後、俺達は荷台にミスリル像の2体分を用意して、アルスト商会スートル支部に向かって歩き始める。
「主君、やはりこちらを見てくる人が多いですね。どこから襲撃があるか分からないので気をつけてください」
「分かっている。でもさ、何回も思うけど俺は静かに雑貨屋を経営出来ないのかな?」
「ハルヤの思いは分かるけど、わたし達もなんでこうなるのかが分からないのよ」
凄く悲しくなって来たが、仕方がないかと思い割り切る事にした。
そう考えつつ歩いていると、アルスト商会の建物に到着したので、立っている門番に
「昨日話し合いに来た者ですが、アルスト商会のお偉いさんの答えは決まりましたか?」
「はい、すぐに呼んでまいります」
門番の人は急いで中に入って行って、昨日会ったお偉いさん達が出てきた。
「お前らなんで生きているんだ!?」
「やはり襲撃して来ましたか、昨日お伝えしたはずですよね。武力で来たら容赦しないと」
「い、いや、ワシじゃない。他の奴がやったんだ!」
「まぁ、どちらでもいいのですが、護衛の一人が話したい事があるそうですがいいですか?」
俺はそう言ってローゼの方を見る。
「護衛だと、そんな奴から何を聞けばいいんだ」
「笑えるわ。自分では無理だから護衛に任せるのは」
まさか、ここまで来てこんな反応をされるとは思ってもいなかったぞ。
「ではそろそろワタシの正体を明かしますね。ワタシはソーラント辺境伯家の長女、ローゼリア・ソーラントですよ」
ローゼは辺境伯家の証を取り出して、アルスト商会のお偉いさん達に見せる。
「……。えっ? もしやワシらとんでもない人達を相手にしていたのでは?」
お偉いさん達のリーダーの人がそう言った後、ローゼの元にソーラント辺境伯家の騎士達が現れた。
「ローゼリア様、騎士百人と兵士三百人配置に着きました。これからアルスト商会スートル支部の調査を始めます」
「キズード隊長よろしくお願いします」
ローゼがキズードさんにそう言うと、アルスト商会のお偉いさん達の方に向いて
「貴方達はこの街で好き勝手やっていましたね。ワタシ達は貴方達の犯罪の証拠を集めさせていただきました。これで不正も終わりですね」
「ちょっと待て「またないです」」
そう言ってソーラント辺境伯家の騎士達や兵士達の仕事が始まった。
それを見ていた俺達は
「すまんルージュ。ミスリルを荷台に乗せてこなくても良かったな」
「大丈夫だぜダンナ。それよりも何かあっさり終わりそうだな」
「そうだな。ソーラント辺境伯家の騎士と兵士達はかなり優秀だから俺達の仕事はここまでだな」
それから数時間後、不正の書類が大量に見つかりアルスト商会のお偉いさん達は騎士達に連行されて行った。
勿論戦闘になったが、キズードさん達は難なく倒して手錠を嵌めていた。
「ローゼリア様、不正の証拠が大量に見つかりましたのでこれから職人達や借金貴族の解放に向かいます」
キズードさんがそう話した後、俺達はここから移動する。
それから人質は解放されて、ライムやポルカさんの家族も無事だった。
だが、工房の方はアルスト商会に破壊されていたので、仕事は一旦休止にするらしい。(損害はソーラント辺境伯家が調査してアルスト商会本部に賠償を伝えるみたいだ)
俺とローゼとルージュは、改めて公爵家の依頼を受けに行くためにロートスに戻り、レイナとソルとエルはスートルに残って鉱山で修行するらしい。
なので俺達は、一旦お別れパーティーをして、次の日に帰る事にした。




