チンピラと遭遇
答えがまとまらない中俺はある事を思いつく。
「公爵家に頼むのもいいけど穏便にすましたいならアルスト商会の人達にミスリルを渡すのが良さそうだな」
俺はそう発言するがソルが
「でもハルヤ、それには二つの問題があると思うのだけど違うかしら?」
「そうだな」
その言葉に頷いていると
「それなら、俺様達が鉱山ダンジョンからまた大量にミスリルを取ってきてそいつらに渡して土地の権利をもらえばいいのか」
「ルージュ、そんなに簡単な話ではないですよ。まず前みたいに大量にミスリルが手に入るかわからないですし、手に入ったとしても明らか向こうが得する案件ですよ」
「後、こちらからミスリルを渡したらもっと寄越せとか言われそうだね」
うーん。やっぱり色々面倒だな。
何かいい手がないかと考えていると
「なんか、このままだと答えが出そうにないから、明日に一回現場を見に行くのはどうかな?」
「確かにこの案件は難しいから一回工房の人達の事を聞いてみたいな。ライム、もしよかったら案内してくれるか?」
「それは大丈夫ですが、皆さんはそれで大丈夫なのですか?」
その言葉に俺達は頷いておく。
そして、夕方になってきたのでみんなで夜ご飯を食べに行く事になったけど、ルージュ達が店の商品が無くなるまで食べて他の人達が固まっていたのは、いつもの事なのでスルーして宿屋に帰ってきて寝る事にする。
次の日、俺はいつもの拘束?を何とかして全員を起こした後、準備をして問題の現場に歩いて向かう。
「もうすぐ工房地域に入りますが皆さん大丈夫ですか? もしかするとチンピラ達が喧嘩をふっかけてくるので気をつけてください」
「大丈夫だと思う。それにこのメンバーに勝てたら多分いろんな意味で凄い事になるからな」
「そうだな。ハルヤが言う通り私達はそう簡単に負けないから心配しなくていいぞ」
そうやって話していると前にきた事がある工房地域に到着したので周りを見てみると
「主君周りを見てください。かなりガラの悪そうなチンピラがいますね」
「でもこちらを見てくるだけで何もしてこないな」
「ハルヤ、多分だけど様子見をしていると思うわ。向こうもかなりのバカとかではない限り、観察だけで終わると思うわ」
ソルの言葉を聞いていると、ふとルージュが腰のナイフを抜いて俺の近くにきた後、何処からか矢が飛んできてそれを打ち落とした。
「ダンナ、攻撃があったという事は襲撃が来るぞ!」
ルージュのその言葉に俺を含めた皆んなが武器を抜いて戦闘態勢になると、先程こちらを観察していたチンピラの男女三十人くらいが俺らを囲んだ。
「いやいや、流石におかしくないか? 俺達はこの地域に入ったばかりなのに何で襲撃を受けるんだ!?」
俺はそう突っ込みを入れたのでチンピラ達の中でもリーダー格ぽいモヒカンのマッチョが
「お前らは悪徳金貸し屋シルードを潰しているから俺達にとっちゃあ危険人物なんだよ。だからここで死んどけや!!」
そのリーダー格の言葉でチンピラ達が襲ってきたので
「ルージュ、結界を頼む。その後威圧でチンピラを沈めてくれるか?」
「了解したぜ。ただ、俺様がこいつらを倒すのは少し待ってくれ」
そう言って俺達の周りに結界を張ってくれて、襲ってくるチンピラの攻撃を
「なんだこの結界、武器が弾かれる!」
そのチンピラの声にリーダー格が
「ふん、こんな結界俺が破壊してやる!」
と言って魔力を込めて剣を振り下ろすが
バキーンと音がしてリーダー格の剣を見ると刃が折れて
「嘘だろ、俺の剣は重鉄で作られている業物だぞ。こんな意味わからない結界で破壊されるか!?」
そうやって言って少しパニックになっているが、結界の中にいるルージュが
「俺様の結界がそんな物で破壊されると思うか? それに少し様子見をしたがったが暇になってきたな。そろそろ終わらせるか」
そう言って結界からルージュが出て、魔力の威圧を放ちチンピラを地面に沈めた。
「なんだこれは!? こんなの感じた事がない……」
他のチンピラが意識を失っているが、リーダー格だけは何とか話せるようだ。
「ほう。かなり手加減はしたがまだ意識があるんだな。でもこれでダンナ達が楽に動けるな」
そう言って戦闘?が終了した後、誰かが近づいてくる足音がしてきたのでそちらを見ると
「なんだこの騒ぎは?」
とこの街の衛兵が十人くらいきて、その中でも班長みたいな人がこちらを見てきたので
「チンピラに襲われたのでこうなりました」
とストレートに言うと
「なる程な。お前ら、こいつらを拘束しろ。話は衛兵の館で聞く。後、君たちもここを離れた方がいい、最近この辺は治安が悪くなってきたからな」
そう言ってチンピラを捕まえた後、衛兵の人達は引き上げていった。
「なんか、こんなに話が簡単に進むのはおかしいと思うのはわたしだけかしら? 普通ならこちらの話を伺う為に、一緒に来るように言うと思うのはわたしだけかしら?」
「確かにおかしいですが、ワタシ達の今回のメインはアルスト商会の事なので今は気にしない方がいいと思います」
ローゼがそう言った後、俺は気になっていた事を聞く事にした。
「そういえば、ローゼはアルスト商会がスートルでこんな事をしているとは聞いてなかったのか?」
「そうですね。ワタシの方には全くこの情報は入って無かったですね。それにテルメアの事で大変でしたから父上が話さなかった可能性もありますね」
と話してきた。
「そうだよな。俺達は面倒事に巻き込まれても情報が入ってこない事もかなりあるよな……」
「ハルヤの言う通りの事が多いわね。ただ今回もかなり大変な事には変わりないから、慎重にしていった方がいいわよね」
まぁ、このパターンだと多分さらに何かありそうだな。
そう考えていると
「あの、そろそろ目的地に向かいませんか? 工房が心配です」
「そうだよな。俺達が前きた時よりもかなり治安が悪くなっているから何が起きていてもおかしくないからな」
「ダンナの言う通りさっきの奴らが捕まった時に、急いで離れて行った奴が何人かいたから多分何かあると思うぜ」
ルージュが周りを見ながらそう言ったので俺達は警戒しながらゴズス工房に向かおうとするが……。
「やっぱりかなり見られているわね。しかもかなりこちらを警戒しているのが丸わかりよ」
「それはそうだろうね。それにボク達がさっき問題を起こしたから余計警戒してると思うよ」
「まぁ、それは気にしたって仕方ないからその時に対処するとして、さっきから職人の人やその関係者を全く見ないのはおかしくないか?」
「そうだな、ハルヤの言う通りチンピラとかはいるのに職人の人が全くいないのは何でだ?」
俺はもしかすると連れ去られた可能性もあるかなと考えていると
「それはわからないです。僕もお父さんに数日前にお金を渡されてここから逃げろと言われて工房地域から逃げたので何があったかわからないです」
「では、何で裏路地で蹲っていたのですか?」
ローゼがそうストレートに聞くとライムは
「それは、チンピラにカツアゲされてお金を取られてどうしようもなくなってあの場所にいました」
「まさかのカツアゲか!」
レイナがそう喋ると
「はい。それであそこにいた時にたまたまハルヤさん達が通りかかったのでまだ何とかなっただけで、もし通り掛かかってもらえなかったら死んでいたかもしれないです」
「大変だったな。でもそろそろゴズス工房につきそうだから話は終わりだな」
だが、この時の俺達はもうすぐ着くゴズス工房がどんな事になっているか全く知る由もなかった。




