表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/181

レイナへのお仕置きとエルの買い物

 二人の戦い(ガチンコファイト)が終わり二人とも治療室で寝ているため、俺はギルド長から仮眠室を借りて一夜を過ごした。


 朝を迎え仮眠室から出て、治療室に向かう。

 

 少し歩いて、俺はドアの前に立ち少し強めにノックした。

 

 それで待っていたら、中からエルがドアを開けてくる。


「おはようハルヤ君。昨日はありがとう、ボク達の傷を治してくれて」

 

「別にあれくらいはいつもやっているから気にしなくていいぞ。それより、もう動けるのか?」


 そう質問すると頷いて来たのでよかったと思う。


 後、ここで話すのもあれなので中に入る事にする。


 すると、もう一人の女性、幼馴染の一人であるレイナも起きていたので俺に顔を合わせてきた後、同じくお礼を言ってきた。

 

 そして次にある事を言う


「合格だ、これからはハルヤの用心棒を任せてもいいか」


 おい、勝手に決めるな! あと、用心棒は要らないと言ったよな。


 その事を聞いて突っ込む事にする。


「いやいや、最初から言っているが、俺には用心棒はいらないと言っているだろ」

 

 そう伝えるが『いや、これからいることになる』と二人は声を合わせてきた。


 そんなこんなで色々な事を話していると、いきなりドアが開いて、俺とレイナの幼馴染である銀髪の少女、ソルが中に入ってきた。


 その表情をみると、用心棒がいるわと思ってしまう程の形相をしていた。


 そしてその表情で俺達を一瞥すると、まずレイナを睨んだ。


「この状況はどうなっているのかしら。わたしがお仕置きのせいで苦しんでいる間に、知らない女がいるのはどうしてかしら。答えなさいレイナ」


 今回は前の時とは逆に、ソルが低い声でレイナを責めている。

 

 うん、この状況どうやって脱出しようか?


 そう考えつつレイナを見ると、ブルブル震えてながら少しずつ話す。


「実は、この少女がハルヤの用心棒になりたいと言って、私がそれを阻止しようとしただけだ」


 よし、今のうちに外に出よう。

 

 だが、よくよく考えたらソルはドアの前にいるから脱出できない事に気づく。


 しかも、今度は俺の方を見てきた。


「貴女の説明ではよくわからないわね。ハルヤ、代わりに説明してもらってもいいかしら」

 

 オイィ!? なんでそうなる。


 その後、俺はなんとか事の顛末を説明すると、さらにレイナを睨んだあと、背負っていたバックから羽子板のようなものを取り出した。


「やっぱりこれが必要と思ったわたしは間違ってなかったわね。さあ、レイナお尻を出しなさい。前回わたしがされたお仕置き、お尻叩き千回を今度は貴女が受ける番よ」


 ソルは、羽子板のようなものを手に持ち今にも振りかぶりそうになっている。


 よし、今の内に逃げるかと思ったが、その前に逃げようとするものがいた。

 

 それはレイナだ。でもあっけなくソルに捕まった後、さらにお尻叩きの回数が追加される。


 その事を聞いてこれ以上レイナは逃げるのを諦めたみたいで、ベットの上に四つん這いになった。


「今回逃げようとした罰として、二百回追加するけど文句はないわね」


 とソルは言った。


 なんかエグい事になっているのは気のせいかな?


 俺と、いつのまにか震えているエルを放置してソルはレイナを見ている。

 

 そして、レイナは力なくコクンと頷きお尻を突き出し、そしてソルが真ん中を思いっきり叩いた。


 大きな破裂音がしてレイナは歯を食いしばり耐えている。

 

 次にソルは次は左尻を狙いもう一発叩いた。

 

 さっきと同じ音がして痛かったのか、レイナは手でお尻を庇いながら撫でていた。


 それを見たソルは


「ハルヤと黒髪の貴女は外に出てもらってもいいかしら。このバカにはさらに厳しいお尻叩きが必要みたいだから」

 

 と言い右尻を叩いて、俺とエルは外に追い出される。


 そして、これはとんでもない事になりそうだなと思い、なんとかエルと一緒に部屋の外に出る。

 

 一時間後、俺達はロビーで待っていたが、お尻叩きのお仕置きを始めて結構な時間が過ぎるが、全く終わる気配がしない。


 その間、俺とエルはイスに座りながら話す事にする。

 

「レイナは大丈夫かな、なんかとんでもないことになっているね」

 

 エルはイスに座りながら俺にそう話してくる。


「まぁ、いつもあんな感じだから大丈夫だと思うぞ」

 

 俺は昔からの事を思い出しそう話す。


「なんで、あの銀髪の女の子があんなに怒っているのかがボクにはわからないよ」

 

 エルは、腕を組みながら真面目に悩んでいるみだいだ。


 まぁ、実際には俺もあんまり分からなかったが、これじゃないかなと予想がつくのでその事を話す。


「多分、レイナがソルに相談せず大事な事を勝手に決めたから怒っているのかなと思うが。でもこれは俺の予想だから本人に聞かないとわからないけどな」


「用心棒の件だけであそこまでなるのかな?」

 

 そう呟き、俺達は二人揃って悩む。


「そういえば、話は変わるけどお前、荷物とかはどうしているんだ?」

 

 俺はこの空気を変えようと、ふと思った事を口にする。


「それは、ボクの腰についてるアイテムポーチを使っているよ」

 

 なるほどアイテムポーチを使っていると聞いたが、俺は内心驚いてる。(アイテムポーチは、一定の量のアイテムなどが重さが変わらず入る+容量も多くて、安い物でも一般の家が買えるくらいの値段がする)


 その事を聞いて、俺はなんでコイツが行き倒れになったのかがわからない。

 

 正直アイテムポーチを売れば、かなりのお金が入って来るので旅の路銀になると思うのだが。


 そんな事を考えていると、エルのお腹がなった。 


「ごめん、ハルヤ君お腹が空いたから何か食べに行かない?」


「確かに、今日はまだ何も食べてないな、メルさんに伝言を頼んで何か買いに行くか。お前、お金はないのは知っているから、俺が奢ることになるな」

 

 と言い、昨日のせいで軽くなった財布の中を見ると、昨日回復魔法で稼いだ分を思い出す。


「昨日、臨時で働いた時の報酬があることを思い出したから、昨日みたいにあれだけの量を食べられるのは困るがある程度は大丈夫だぞ」


「なるほど、それなら軽くなら食べてもいいよね」


 とエルが喜んでいるが俺は


「先に言っておくが最大でも三千パルまでだからな」

 

 とその事を伝えておく。

 

「え〜なんでよ。昨日結構稼いだよね。少しぐらい奮発してくれてもいいじゃないか」

 

 そう文句を言ってきたので


「そうかお前は朝ごはんいらないんだな」


 と俺が反論すると黙った。


 メルさんに、俺達二人は朝ごはんを食べに言ってくることを伝えると


「了解よ。二人が出てきたら伝えとくわね」


 と快諾してくれた。

 

 そして、俺達は朝ごはんを食べに行くために、手頃な店を探す。


 冒険者ギルドから出て近くの喫茶店に入ると


「へぇ〜冒険者ギルドの近くにこんなオシャレなカフェがあるんだね」


「そうだ、でも今日はそこまで人数はいないな」


 そう思って店員さんを呼ぶと


「いらっしゃいませ、お二人様ですか?」


「はい、そうです」

  

 俺はエルをチラッと見てそう答える。


「それでは、席にご案内しますね」


 店員さんは俺達を先導して、二人席に案内した後、メニューを俺とエルに渡してくる。


「今日のモーニングセットはこちらになっています」

  

 そう言われてモーニングセットを見ると、五百パルでパンと目玉焼きとソーセージ三本にコーヒーが付いたセットだった。


「それでは自分はこのセットでお願いします」


 俺がそう話して、店員さんがメモを取っていると


「それじゃあ、ボクもハルヤ君と同じセットを六個頼むよ」


 やっぱりか、俺は頭を抱えたくなりながら店員さんの方を見ると、案の定固まっていた。


「あの、モーニングセットを六個ですか?」


「六個だよ。もしかして無理なの?」


 エルが店員さんにそう聞くと


「大丈夫ですが、食べ切れるのですか?」

 

「大丈夫だよ。それよりも頼めるなら持ってきてくれるかい」


 そう言って店員さんが驚きながらメモを取ってキッキンの方に向かって行った。


 俺はなんともいえなくなっているとエルの装備を見てある事を思う。


「そういえば、お前、服とか結構痛んでいるが大丈夫か?」


「確かにボクの装備はボロボロだけど、新しい装備を買うお金がないんだよ……」


 と悲しくなってくる事を言ってくる。


 俺は財布と昨日働いた分の事を考えて、そこそこな金額があるなと思ったので

  

「なら今から新しい装備を買いに行ってもいいぞ、範囲内ならお金は俺が出すからな」


 とエルに伝える。

 

「いいの、でもなんでそこまでしてくれるの?」


「ボーナスが入ったのと、その格好を見てられないからだ」

 

 俺がそう言うとエルが笑顔になった。


「成る程、君ってさ素直じゃないね」


 そう言われたので、俺はなんでだと思いため息をつく。

 

 その他にも色々話しているとモーニングセットが運ばれて来る。


 なのて、俺は一人前を食べて、エルは六人前をペロリと食べて会計をする。


 腹も膨れたので次の目的地、ギルド提携の大型装備販売店に向かった。


 中に入ると新品の武器や防具が売っている場所が入り口の近くになっていて、奥には新人が作った装備や中古の装備、掘り出し物が売っている場所がある。


「とりあえず、お金は五十万パルまでで頼む。それ以上は流石にキツイ」

 

 財布と袋の中身を見て使えるお金を伝えた。


「わかった。五十万パルならある程度は買えるね。でも高いものはあまり買えないから、まずは奥の方に行こう」


「そうしてくれ、流石に数百万パルとかする物は買えないからな」


 俺は、入り口近くにある高級な装備を見ながら言う。


 その後、俺達は高級装備売り場から離れて、奥の比較的安い装備が売っているところに歩みを進める。


「なるほど、こっちでも意外といい物売っていて、これなら予算内でも買えるからどの装備にしようかな?」


 エルがそう悩んでいた。


 少しした後、


「決めた。この装備にする。値段の合計は、全部で四十八万パルだね」


 そうニコニコしてきたので、その装備のお金を払うため会計カウンターに向かう。


 そして、お金を払った後、エルは更衣室でその装備に着替えてきて俺に見せてくる。


「どう、ボクに似合っているかな?」

 

 俺はあんまり装備とか興味ないから適当に褒めておく。


 「君はあまり興味がない顔をしているね」


 と言われたので俺は目をそらす。

 

 とりあえず、目的は達したので外に出て冒険者ギルドに向かうことにした。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 装備品一式買ってあげるなんて気前良いなあ、まあ、これから長く付き合うことになりそうだし、それくらいは奮発するか、というか馴染むのが上手い子ですね、適応能力が高いので、行き倒れたのはほとんど…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ