第二のダンジョン・十層のボスとの戦闘
そして、大食い娘三人が満足するまで俺とソルは料理を作りまくった。
それから結構な時間が過ぎて何とか三人が満足したのを見て、かなり疲れた俺達はイスに座る。
「ハルヤ、いつもの事だけど大変よね。それで料理人を雇いたくなってくるけど気のせいかしら?」
「そうだな。俺もそう思うが、危険な場所に来れる料理人を雇えるのか?」
そうやって話していると、エルが紅茶を入れてくれたのでゆっくり飲む事にする。
「ハルヤくんとソルお疲れ。いつもボク達三人はかなり食べるけどよくこの量を作れるよね」
「最初の一回はお前が手伝ってくれて大量に作れたからな。その後は出来る限り早めに作れるものを出したから何とかなっただけだ」
そうやって話しながらゆっくりしていると、シートに寝っ転がっているレイナとルージュが口を開く。
「ふぅ、食べた食べた。やっぱりハルヤ達の料理は美味しいからついつい食べてしまうな」
「そうだな。正直料理店並みに美味しいから俺様もどんどん食べてしまうぜ。それに味付けもピッタリだ」
そう言って貰えるならよかったけど、流石に体力の限界だぞ。(ちなみに回復魔法には体力を回復する能力はない)
そうやって休憩していると、エルが
「そういえば、今日はボクとレイナがハルヤくんと前半に寝る番だよね。ソルとルージュは見張り頼んだよ」
確かにそうだったな。
そう思って、テントに行こうとすると、ソルがある事を喋ってくる。
「でも、光の翼のメンバーとメルさんがいなくてわたし達だけなのと、ルージュの結界もあるから見張りはいらなくないかしら?」
「ソル、それはずるく無いか? 今日はハルヤの横で寝るのは私とエルの番だぞ」
なんかもう疲れていて、突っ込む気力は無いからそのまま聞き流す。
「別に俺様達はダンナの横で寝るとは言ってないぞ。それに警戒する相手もいないのと、睡眠は少しでも多くとった方が体力回復出来ると思うぜ」
「まさか、戦闘狂のルージュにそう言われるとは思っていなかったよ。それなら確かに一理あるね。でも、ボクとレイナがハルヤくんの横で寝るのは確定だよ」
「それはしかたがないから納得するわ。でもわたしも眠いから少しでも長く寝かせて」
ソルの後半の言葉に俺も同意する。
そして、左からソル、レイナ、俺、エル、ルージュの場所になって寝る事にする。
ただ、今回も嫌な予感がするのは気のせいだろうか?
そう思いつつ俺は、毛布を被り眠っていく。
少しして、何か暑苦しいので目を開けるとレイナが俺の左手にガッツリ抱きついていて、右手はエルが掴んでいた。
「なんでコイツらは俺の方に抱きついてくるのだろうか?」
そうやって二人を見ていたら今度はルージュが起き上がったみたいだ。
「ここは寝やすいけど何か足りないな。やっぱりダンナに抱きついて寝るか」
おい待て、なんでそうなる!?
そうやって思っていだが、結局ルージュに抱きつかられてたので、さらに眠れなくなってしまう。
しかし、眠らないと体力回復出来ないから頑張って寝る事にする。
そうやって俺は何とか夢の中に入って行く。
それから時間が経ち、ふと目を覚まし時計を見ようと腕を動かそうとしたが、レイナとエルがガッチリ抱きついているので動かせなかったが何とか起きてもらって準備を始める。
「ハルヤ、なんで朝からそんな疲れた顔をしているんだ?」
「それ、前も言われたな」
そうやって話しながら準備と朝食を終えてルージュに結界を解いてもらって、探索の続きを開始する。
「でもさ、結界を解いた時に百匹以上のゴブリンがスタンバイしているとは思ってもいなかったよ」
そのスタンバイしていたゴブリンはルージュの炎魔法でキレイに焼かれたけどな。
俺達は焼かれて使い物にならなくなった素材は放置して、ゴブリンの魔石だけを回収しながらそう思う。
「しかし、何か回収が楽になる道具とかあれは楽なんだが、最近は私達が一回の戦闘で倒す魔物が多いから時間がかかる」
「そうね。それに回収している時に他の魔物が襲ってきたら面倒よね」
そうやって少し時間がかかったが回収は終わり先を進む事にする。
その後も道に迷ったり、ゴブリン系の魔物が襲ってきたけど撃退して先に進む。
そして、十層のボス部屋に到着して中を覗く。
「ハルヤ、ボス部屋の中に黒い肌をした大きなゴブリン? とそれよりは小さいけど、鎧を着たゴブリンが五体いるな」
「そうだな。でも前の赤オーガや特殊ボスよりは弱そうに見えるな」
「それはそうだと思うよ。初見ボスとはいえまだ十層だからそこまで強いボスはいないと思う」
「なんだ、エルはそう思うのか。となると俺様の戦うボスはもっと下層になるかな」
「ルージュ、下層に行くのはまた今度でいいかしら? 流石にこのダンジョンは広いから疲れるわ」
ソル、それは俺も言いたかったのと、そろそろ雑貨屋を開きたいと思うから帰りたいと思った。
「なぁ、俺も雑貨屋として働きたいからこのボスを倒したら街に戻りたいけどいいか?」
いい加減に商売をさせてくれと考えてそう言うと、他の四人は納得してくれたのでホッとする。
「なら、さっさと倒して帰るか。俺様も面倒になってきたから家でゆっくりしたいしな」
「それなら入りましょう。そして街に帰って祝勝会をしたいわ」
そうやって言いつつボス部屋に入ると黒ゴブ(仮)
と鎧ゴブ(仮)がこちらを向いてきて武器を持ってこちらに向かってきた。
なので俺は天銀の弓に魔力を込めて矢を召喚して、鎧ゴブ(仮)五体を撃ち抜いて黒い煙に変える。
「やっぱ、この弓は使いやすいな」
そうやって言って、残った黒ゴブ(仮)はレイナ、ソル、エルの三人が戦闘を始めて、ルージュは俺の護衛として横にいる。
「なあダンナ。俺様は手を出さなくて大丈夫なのか?」
「アイツら今回も十層のボスは三人が戦いたいみたいだからいいと思うぞ。ただピンチになったら俺も回復魔法を使ったり弓で援護しようと考えている」
「なる程な。なら俺様はこのままで大丈夫だな。でも苦戦して無いか?」
確かにそう見えるが、アイツらの顔は諦めて無いのでもう少し観察する。
すると、エルがポーチから魔結晶を取り出し魔力を込めてボスに投げつけてた。
その魔結晶が割れて黒い煙みたいなのがボスの顔に当たって、目隠しみたいになっているので、そのタイミングでレイナとソルが強化魔法の出力を上げて重い攻撃を繰り出す。
だが、それだけでは威力が足りなくてエルが剣に魔力を込めて光らせて、ボスの首に向かって振り下ろした。
「これでどうだ!」
その言葉に剣がさらに光り輝いてボスの首を切り落として、黒い煙に変わった。
そして、木の宝箱と直径十センチくらいの魔石が出現した。
「はぁはぁ、何とか倒せたわ。わたし達も練度が上がっていて嬉しいけど、まだまだ全然足りないわね」
「そうだね。ボクも宝具に魔力をここまで込める事は久しぶりだからかなり消耗してしまったね」
なんか今聞き流してはいけない事を聞いたような気がするけど、面倒なのでスルーする。
「それよりもハルヤ。身体中が痛いから回復魔法をかけてもらってもいいか?」
「了解した。」
俺はルージュに見張りを頼んで三人に回復魔法をかけてキズを治す。
「はぁ〜 痛みが消えて行く。やっぱりハルヤはこっちで働いた方が良くない」
「それは断る。俺は爺さんの雑貨屋を経営していきたいから無理だ」
「でも最近はダンジョンに入っているわよね。前よりは気持ちが変わったのかしら?」
いやそれはお前らが無理矢理巻き込んでくるからだろ。
そう思いつつ時計を見ると六時半を過ぎたくらいだったので今日はここで野宿する事にする。(ちなみに木の宝箱からは魔法を込める前の魔水晶が五個出てきた)
そして、ルージュに結界を張ってもらった後、俺は料理を作り始めながら、どうしてこうなったんだろうと考える。




