新しいダンジョンの調査
朝ごはんを食べ終えた後、ルージュに結界を解いて貰って目の前にあるダンジョン?を調査する事にする。
「しかし、外から見ると不気味だな。でも、壁に松明みたいなのがあるからそこまで暗くないな」
「そうですね。でもシェイズさん、何があるか分からないから気をつけた方がいいですよ」
まぁ、こういう時は絶対何か起きるのはいつものオチだよな。
そう思っていながら先を進む。
入ってから少し歩くと、ゴブリンの群れがこちらに近づいてきた。
「なる程ね。ここはやっぱりゴブリンが出現するダンジョンなのね。という事は前に起きた大量発生はスタンピードの可能性が高いわ」(スタンピードとは、ダンジョンなどから出て来る、大量の魔物が街などを襲う現象)
「確かにスタンピードなら前の事は納得がいくね。ただ、出来たばかりのダンジョンからゴブリンロードまで出てくるかな?」
「そうですね。僕はダンジョンについて調べた事がありますが、Sランクの魔物が出現する前例はあるみたいですけど、かなり確率は低いみたいですよ」
なる程、それなら五年前のダンジョンが出来た時の流行病も関係あるのか?
そうやって話していると、ゴブリンが近くにきて攻撃してきたのでレイナ達は普通に迎撃を始める。
俺は護衛のルージュとエルと一緒にその光景を見ながらある事を喋る。
「しかし、今回も何か起きそうだ。ただ、何が起きるかは分からないけどな」
「確かにボクもそう感じるね。でもこちらもかなりの戦力だから相当な事が起きない限り大丈夫だと思うよ」
「ダンナのその予感は結構当たるから警戒はしておくぜ」
まぁ、一応大丈夫だと思っておくか。
少しして、レイナ達がゴブリンを討伐して魔石と素材を回収していたので、アイテムバックの中に入れる。
そうやって出現してくるゴブリンを倒しつつ、進んで行くと階段を見つける。
「あの、メルさん。ここからどうしますか? オレの意見は一回ロートスの冒険者ギルドに戻って報告をした方がいいと思うのですが」
シェイズさんのその言葉に光の翼のメンバーは頷く。
「私もそれがいいわね。ここにダンジョンが出来た事はギルドに伝えた方が対策出来るから帰るのが一番ね」
メルさんもそう話してきたので俺もその意見に賛成しようとしたが、ルージュがある事を言う。
「なら、俺様達はこのダンジョンのボスを見にいかないか?」
おい待て、なんかとんでもない事を聞いたのだが気のせいか?
だが、気のせいではなかった……。
次にエルが言葉を発する。
「確かに、ここのボスを知っておい方が、後の攻略は少しは楽になりそうだね」
エルお前もか……。
そう思っていると今度はレイナとソルが話してくる。
「そうだな。私もその意見に賛成だ。まだあんまり戦っていないから体が鈍りそうだ」
「わたしもボスの情報を知りたいから賛成よ。後は連携の練習もしたいからちょうど良かったわ」
お前ら……。後、このパターンは凄い嫌な予感がする。
そして、その予感は当たった。
「ハルヤもついてきてくれるよな。私達だけだと攻略はしんどいから頼んでいいか?」
「断る。俺は今すぐにでも家に帰ってゆっくりしたい」
俺のその言葉に四人が固まる。
少しして、この話を聞いていたメルさんが俺達をみて話してくる。
「ハルヤくん。申し訳ないけどレイナちゃん達についていって貰える?」
「いやあの、それは断ると言ったばかりですが……」
これ以上危ない所には行きたくないんだよ。
だが、メルさんは
「多分、ハルヤくんはレイナちゃん達の精神的な支柱になっていると思うから、帰りたいと思っても帰れないと思うわよ」
それいつものパターンですよね!?
ちなみにその言葉を聞いた四人は思いっきり頷いている。
そして、ドルトさんが俺の肩に手を置いて言葉を発してくる。
「ハルヤさんドンマイです。この状況では貴方の意見は通らないと思います」
もう俺の味方はいないんだな。
そう思っていると、ドルトさんが離れてルージュが腕を掴んでくる。
「ダンナ、すまないがついてきてもらうぞ」
そうやって俺はダンジョンの奥に引っ張られて行く。
「ハルヤくん。ここまでの調査のことは冒険者ギルドに伝えておくわね」
メルさん。何故今それをここで言うのですか?
そう思いこちらもある事を言う。
「自分はこの後の事は冒険者ギルドに報告しないですからね。このダンジョンはそちらが頑張って調査してくださいね」
情報を話すのが面倒なのでその事を話しておくと、メルさんと光の翼のメンバーの顔が驚いているので良かったと思う。
そうやって話した後、俺達は階段を降りて第二層に到着する。
「やっぱりあんまり変わらないね」
「そうだな。でも魔物は何がいるかまだ分からないから気をつけて行かないとな」
「レイナ、多分ここもゴブリンだと思うわよ」
エルと幼馴染二人がそう話しているのを横で聞いていると、ソルが言った通りゴブリンが出現してこちらに近づいてくる。
「やっぱりこいつらか。でも弱いから楽に倒せるな。後、ダンナ。前に俺様がプレゼントした弓は使わないのか?」
確かにここで弓を試しに使ってみるのも良さそうだな。
「なら使わせて貰う。まだゴブリンには距離があるから試しにはちょうどいいな」
そう言って左手のブレスレットを天銀の弓に変えて魔力を込めて矢を召喚する。
「とりあえず、前にメルさんが言っていた矢を増やしてみるか」
相手は十体なので、十本に増えるように矢を射るとその本数になりゴブリンを貫いて全員倒せた。
それを見ていたエルはこちらを見てきて驚く。
「ハルヤくん。なんでそんな上手く弓が使えるの?」
「それは、この弓が俺にピッタリ合うのと、昔レイナとソルに無理矢理探検に連れて行かれた時に、戦えるよう練習していたからな」
「なる程ね。でも昔からレイナとソルは変わらないんだね。それに巻き込まれるハルヤくんは回復魔法以外に戦う手段がいるよね」
その言葉に俺は頷いた後、ゴブリンの魔石と素材を回収しに行く。
そして、回収しながらルージュにある質問をする。
「そういえばルージュ。なんで今回ダンジョンのボスを倒しに行こうと思ったんだ? 後何層まで行くつもりだ?」
「それは、初見ボスは一回しか倒せないと聞いていたのが大きいな。俺様の一番はダンナの護衛だが、強い敵とも戦いたいと思ったからそう言っただけだ。後どこまで行くかはその時に決めるぜ」
「なる程ね。それならわたし達はルージュが初見ボスと戦っている間は、ハルヤの護衛をしていればいいのかしら?」
「そうだな。もしかすると俺様が苦戦するボスが出てくるかもしれないからその時はよろしく頼むぜ」
いや、俺はボス部屋には行きたくないんだが……。
だが、やっぱり現実は非情だ。
魔石と素材を回収した後、俺はそう思いつつソルが先導するのでついて行く。
何故ソルが先導しているかというと、この中でジャンケンで負けてそうなったらしい。
ちなみに俺はそのジャンケンに参加していない。
理由はもちろん、後衛で護衛される俺が先頭に立つのは本末転倒なので後ろでいる事が確定している。
そして、この後も何回もゴブリンとの戦闘になったが、ルージュは護衛で幼馴染二人とエルは連携の練習をしながら討伐している。
それを見ながらルージュが話してくる。
「なぁ、ダンナ。あいつら連携の練度が上がってないか?」
「俺はその辺はわからないけど、ルージュがそういうならそうなのか」
そうやって話しながらダンジョンの奥に進む。




