見張りの順番
何故か俺とソルは人数分紅茶を入れるはめになり、その後新しく出来たダンジョンの事とかブラウントロールの事などを話して、最後に今日の見張りはどうするかの話し合いが始まった。
「前半と後半で分けたいと思うけどいいか?」
シェイズさんのその言葉に俺達は頷く。
「それなら自分達とそちらで見張りを出し合うので大丈夫ですか? こちらは前半二人で後半三人になりますね」
「私はどうすればいいのかしら? ハルヤくん達か光の翼の方に入って見張りをすればいいの?」
メルさんの質問にエルが答える。
「それはどちらでもいいと思うよ。」
「ならハルヤくん達の方に入れてもらってもいいかしら?」
俺は別にいいが、他のメンバーを見ると大丈夫そうなので頷いておく。
「それならどちらとも三人ずつになるな。さて私達の戦いが今から始まるな」
レイナの言葉にメルさんと光の翼のメンバーは頭に?を浮かべているが、説明は面倒なのでこのままにする。
そして、レイナ達四人はオレが前用意しておいたクジをやり始めた。
「あの、ハルヤさん。今から何が始まるのですか?」
「ミーナさん。見ていたらわかるので静かにしておいた方がいいですよ。うるさいとか言われて吹き飛ばされたら大変ですからね」
そうやって話しているとくじ引きの結果、ルージュとソルがガッツポーズをして、レイナとエルは三角座りで落ち込んでいる。
「これで、俺様はダンナと一緒に寝れるぜ」
「わたしも忘れないでよね。ハルヤ、今日はゆっくり寝ましょうね」
その言葉にメルさんと光の翼のメンバーが俺の方を見てきて引いている。
「あの、何か勘違いしてないですか? 普通に添い寝するだけですよ」
「本当か? アタシが見ている限り何か起きそうなのだが。もちろんハルヤさんが襲われる方だと思うが」
確かに半分あっているような気がする。例えばいつも抱きつかれたりしているとかかな。
そう考えていると、その事でソルが口を開く。
「ここは危険地帯だからハルヤを襲ったら次の日がご飯を作るのが大変になるから多分やらないわよ」
いや待て、色々怖いんだけど。
「そうだな。ダンナを美味しくいただきたいけど、今回はやめておくな。それに他の時の方がさらに美味しくいただけると思うぜ」
ルージュが俺の方を見て舌舐めずりをしてくるのでこれはかなりマズイと思う。
「ハルヤさん。僕からはこれしかいえないです。頑張ってください」
ドルトさん。それを言われると悲しくなってくるのですが。
「あの、結局私はどうすればいいのかしら」
俺が現実逃避していると、メルさんがそう言ってくるので答える。
「メルさんはレイナとソルと一緒に前半の見張りを頼んでいいですか?」
「もちろんいいわよ。元々前半でも後半でもどちらでも良かったから気にしなくていいわよ。後ハルヤくんは大変ね」
その大変は色々ありますけど!?
そうやって話しているとシェイズさんがこちらに話してくる。
「とりあえずオレ達は前半がカエデとドルト。後半がオレとミーナだからよろしくな」
「了解です。こちらはさっき見た通り、前半がレイナとエルとメルさん。後半が自分とソルとルージュですのでよろしくお願いします」
「そういえばハルヤくんはなんで後半なのかしら?」
メルさんがそう質問してきたので俺が話そうとしようとしたが、ソルとエルが先に話す。
「それは朝ごはんを作るためよ。ハルヤはわたし達の中で一番料理が出来るからいつも後半の見張りに置いているのよ」
「それにボク達は大量に食べるから、ハルヤ君を前半に置くと起きてからの料理は時間がかかるから後半の方が効率がいいからね」
「なる程、それなら理解出来たわ」
それなら良かった。
そして、話していると眠くなってきたのて後半組はテントの中に入って寝る事にする。
「さて、先に言っておくが疲れたからゆっくりして寝させてくれ」
俺はそうやってテントの端で毛布にくるまって寝ようとしたかったが、二人は手を掴んできて真ん中に連れて来られた後、抱きつかれた。
「悪いけど、ハルヤは真ん中でわたしとルージュの抱き枕になって貰うわ。それだとゆっくり寝られるわ」
それはお前らだけだろ。俺は暑くて寝ることが出来にくいんだよ。
そう考えていると、ルージュが喋ってくる。
「俺様達はダンナを抱き枕にして寝たいんだよ。それにこうやっていると安心できるから、ずっと抱きついていたいぜ」
そうやって上から大きめの毛布に三人でくるまって寝る事になった。
俺は疲れたので突っ込む気力も無かったのでこのまま寝る事にする。
次の日の交代の時間。
俺はそろそろだと思い起きようとすると、ソルとルージュがガッチリ抱きついていて、全く動けない状況になっている。
「やっぱりこの状態になったか。レイナとエルはともかくメルさんにこの状態を見られたら面倒な事になりそうだな」
そう言ってなんとか二人を起こそうとするが、起きる気配が全くしない。
そして、そうやって諦めずに起こそうとしている所に、レイナ達三人がテントの中に入ってくる。
「二人の言う通りこうなっていたわね」
「そうだね。しかもこうなっているとなかなか起きないから大変なんだよね」
「あのさ、そうやって話してないで二人を起こすのを手伝ってくれないか」
俺はそうやって言うとソルがなんとか起きる。
「うるさいわね。もう少しハルヤに抱きついて寝かせなさいよ」
「おい待てソル。私達は見張りの交代の時間がきたからお前たちを起こしにきたんだぞ」
その言葉にソルは
「ハァ、わかったわよ」
と言って俺から離れて体を起こした。
ただ、問題はルージュをどうやって起こすかを考えているとレイナが何かを思いついたみたいだ。
そして、ルージュに何かを耳打ちをするといきなり起きて俺の方を見てきてヨダレを垂らしている。
「おいレイナ。ルージュになにを耳打ちした!?」
「それは今起きたら少しだけハルヤを美味しくいただいてもいいよと言っただけだ」
「おい……。それは大変な「いただきます」えっ?」
俺が話している時にルージュに唇を奪われて、そのまま舌を入れられてしまう。
そうやって俺が美味しくいただかれている間、メルさん達は何かを話し合っている。
「レイナちゃん達もハルヤ君を美味しくいただきたくないの?」
「確かに美味しくいただきたいわね。でも少し恥ずかしいからハルヤが寝ている時に基本しているわね」
「そうだな。ハルヤが寝ている時が一番無防備だから結構な頻度でいただいているな」
なんか幼馴染達がかなりヤバイ事を話しているような気がするが、俺はルージュに美味しくいただかれているから話を聞けない。
そうやって十数分が過ぎ、やっとルージュが離れたので俺は息継ぎをする。
そして、俺は少し休憩してソルとルージュと共に後半の見張りに立つ。
外に出るとちょうどテントからシェイズさんとミーナさんが出てきたので、タイミングがいいなと思う。
「ハルヤさん。なんでそんなに疲れた顔をしているんだ?」
「それは色々あって大変だとだけ答えておきますね」
シェイズさんの質問に俺は疲れながらそう答える。
それから、あんまり喋らずに見張りを続けていると日が出てきたのでもう少ししたら朝ごはんをつくろうと考える。
少しして、時計を見ると六時半になったので俺とソルは朝ごはんを作るための準備を始める。
「とりあえず朝ごはんを作りますね」
そうやって作ること三十分。カエデさんとドルトさんがテントの中から出てきたのでこちらもルージュに起こしに行ってもらう事にする。
「ルージュ。レイナ達を起こして貰っていいか?」
「了解だぜ」
そう言ってルージュはテントの中に入って行った後、何回か破裂音がしてレイナ達はお尻を押さえて出てきた。
「いったい何があったんだ?」
すると、レイナとメルさんがその事に答える。
「ルージュに尻を叩かれた。しかもかなりの力で叩かれたから凄いヒリヒリする」
「さっき見たけど真っ赤な手形かついていたわ。ルージュさん痛いからお尻を叩かないで」
「いや、これなら簡単に起きそうだと思ったからしただけだ」
ルージュのその言葉に俺は後半に起きていて良かったと思う。
ただ、ルージュにはもっと丁寧起こしてくれと伝えておく。
そして、そうやって話しつつ朝ごはんを食べる事にする。




