アイテム鑑定
次の日、俺達はまた冒険者ギルドに来てメルさん達鑑定士に宝箱のアイテムや魔石の鑑定を頼む。
すると
「あの、レイナちゃん達はどうやってこんなに魔石やアイテムをとってきたの?」
素材倉庫部屋に連れてきて貰って、アイテムバックの中にあった魔石や素材を全部した結果メルさんにそう言われた。
そして、メルさんの同僚の鑑定士達もこの量に驚いるのを横目にソルがある事を言う。
「それよりも早急に鑑定して欲しい物があるのですがいいですか?」
「何かしら? でもハルヤ君が装備している指輪みたいに鑑定出来ないものかしら?」
「それは分かりませんが、今回わたしが早急に鑑定して欲しいのはこの銀色の弓です。この鑑定次第でハルヤの戦力がさらに上がるのでお願いします」
もう、何言っても無駄だよな。俺は諦めながらソルの言葉を聞いている。
「そうなのね。もしかしてハルヤ君も冒険者になろうと思っているの? それなら大歓迎よ」
「自分は雑貨屋店員で商人なので平和に暮らしたいので、冒険者になる気は全くないです」
よし、これで大丈夫だろ。
そう考えていると、残念そうな顔をしたメルさんが弓を鑑定して結果を言ってくる。
「この弓の名前は天銀の弓ね。そして、かなりのランクの魔装だから使える人が限られるみたいね。ハルヤ君、この弓に魔力を込めてみて」
言われた通りに魔力を込めてみると、弓が光ってブレスレットになって俺の左腕に装備された。
「また、このパターンか……」
そう思い、俺は元の弓とになるのかを試すと元に戻ったので一安心する。
「なる程、これなら持ち運びが楽でいいな。でも使い方がよくわからないのが辛いな」
その言葉にメルさんが説明を付け加えてくる。
「その弓は魔力を込めると矢が出現して、さらに魔力を込めると威力が上がったり、矢が増えて数で攻撃出来たりするらしいわ。一応他にもあるけど、メインは特殊スキルも使えるみたいよ」
なるほど、特殊スキルか。(特殊スキルとは、魔装などの武具などが使用出来るものである)
「それで、そのスキルだけど私も知らないものなのよ。一応説明は出来るけど聞く?」
「それは聞きますよ。どんなものかわからなかったら怖いですからね」
そう伝えるとメルさんが頷いた後、話してくる。
「じゃあ、説明するわ。その弓の名前になっている〔天銀〕というスキルよ。でも私が説明出来るのはここまでなので、実際に使ってみてね」
まさかの、スキルの名前の説明だけで、どういった物か全く分からなかったのですね。
その後、色んな物を鑑定して貰ったが、弓を超えるものがなかったのでスルーした。
そして、魔石も鑑定して貰ったが、普通の魔石とボスの魔石は買い取って貰ったが、三十層のボスと特殊ボスの魔石は買取は無理と言われた。
その理由を聞いてみると
「まず、その魔石の値段が決められてないわ。ロートスのダンジョンの三十層のボスの魔石は、まだ倒された事がなかったのは知っているわよね」
「そうですね。わたしもその事は知っています」
「あの、一週間くらい前に、副ギルド長がハルヤ君達に三十層のボスを倒してくれと言われて倒してきたのですが、結局値段が決まってないのですね」
その言葉にメルさんが驚いている。
「えっ、私は聞いていなかったわよ。それに三十層のボスを倒す依頼を出すのはめちゃくちゃね。でも、それを倒してくるなんてハルヤ君達は凄いわね」
「いえ、それを倒したのはルージュですよ」
その言葉にメルさんがルージュを見る。
「そういえば、前にSランク冒険者を含む大乱闘の時に、一人で全員倒した赤髪の女性がいると聞いていたけど貴女なのね」
「そうだぜ。暴れていた奴らを倒したのは俺様だ。でもアイツらあんまり強くなかったから相手にもならなかったけどな」
いや、逆に相手になる奴がここにいたら怖いぞ。
そう考えていると、メルさんがルージュの話を聞いて唖然としている。
「えぇ!? Sランク冒険者を相手にして感想はそれなの?」
「そうだな。昨日もカエデというSランク冒険者をボコボコにしたけど、あんまり強くなかったぜ」
その言葉にレイナとソルがかなり焦りながら喋ってくる。
「確かにルージュならそう感じるかもしれないが、普通の冒険者ならまず太刀打ち出来ないからな!?」
「それだから他の人達があれだけ倒されていたのよ……」
なんか、鑑定から話がずれているな。
そう考えて聞いていると、メルさんの他に手伝っていた鑑定士さんがある事を話してくる。
「あの、魔石と素材の鑑定が終わったのでこれから合計金額を出してお渡ししますね。でもかなりの金額になると思うので気をつけてくださいね。後メルさんも話してばっかりでは無くて働いてください」
その後、素材倉庫部屋から出て俺達はゆっくりラバーのイスに座って話すことにする。(メルさんは他の鑑定士達に連れて行かれた)
それで何を話そうかと悩んでいると、ギルド職員がこちらにきて恐る恐る口を開く。
「あの、ハルヤさん達で合っていますよね?」
「はい、合っていますよ」
そう言うとギルド職員が話を続けてくる。
「良かったです。それで声をかけた理由ですが、副ギルド長がハルヤさん達と話をしたいようで呼んでいるのでついてきて貰ってもいいですか?」
うん、多分ダンジョンの件だろうな。
でも、面倒なので断る事にする。
「それはお断りします」
そう言うとギルド職員は固まってしまう。
そして、少ししてソルとエルも話してくる。
「わたし達は報告の義務はないと思いますが、それに依頼でもない事を何故報告しないといけないですか?」
「対価もなく情報を話すわけはないと思うけどね。後、ボク達が苦労して行ってきたのにそれはズルくないかな」
「あの、もちろん話によっては報酬は用意していると思いますよ」
その言葉にレイナとルージュも口を開く。
「お金ならダンジョンから取ってきた魔石や素材だけで、かなりの額になると思うからいらないぞ。それに話すのもしんどいから行きたくないな」
「それになんか利用されている感じがするから嫌だな。後、ダンナが断ったなら俺様も同じ答えだぜ」
それを聞いたギルド職員は顔面蒼白になっていて唖然としている。
なので俺は
「面倒な事になる前に冒険者ギルドから出ないか? 後、少し早いが昼ごはんを食べに行きたいのだがいいか?」
と言いレイナ達も頷いたので固まっている職員を置いて、俺達は冒険者ギルドから外に出る。
そして、今回は特に巻き込まれなかったので安心しながら、何処にご飯を食べにいくかを歩きながら話す。
「今日は大羽食堂はどうかしら? 結構ボリュームがあるからいいと思うのだけど」
「俺様は美味しくて大量に食べられる所だったらなんでもいいぜ」
「それなら大丈夫だな。大羽食堂は大きな食堂だからかなり食えるとおもうぞ。それに値段も安めだからまだ何とかなるな」
「そうだな。ハルヤの言う通り、大羽食堂なら大量に食べれるし美味しいからルージュの要望にピッタリだな」
「それならそこに決定だね」
よし、決まったから向かうか。
その後、レイナ達は大羽食堂の食材の在庫が殆ど無くなるまで食べて店員とお客を唖然とさせた後、お会計が俺の一ヶ月の食費よりも高くなったので、コイツらやっぱり物凄く食べるなと思った。
そして、レイナ達も満足したみたいだからそのまま俺の店兼家に向かう。




