Sランク冒険者パーティー・光の翼
ダンジョンから帰ってきた次の日。
俺達は大量の素材や魔石、宝箱から出てきた物を鑑定してもらう為冒険者ギルドに向かっていた。
「今回の探索でかなりの物が手に入ったわね。今回の報酬から経費を引いた分が山分けで、三十層のボスの魔石二つがルージュの物であっているわよね」
「それと、三十層の特殊ボスから出た弓と矢筒は、ハルヤ君に使って貰えばいいんだよね」
「そうだな。これでダンナもかなりの援護が出来るようになって、俺様達と一緒に戦えるから嬉しいぜ」
いや、俺は戦う気はあまりないのと、弓は最近は使ってないから腕も落ちていると思うぞ。
そう考えていると冒険者ギルドに到着したので、一旦考えるのを辞めて中に入る。
すると、ギルドの中にいる冒険者達が一斉にこちらをみてきたので、近くにいた天の刃のメンバーの人達に理由を聞く事にする。
「あの、一体この状況は何があったのですか?」
その問いに答えたのは前にいたソトスさんだ。
「それは、副ギルド長がハルヤさん達に無茶な事を依頼したと聞いたけど本当か?」
「それは、無茶というレベルではない事を頼まれましたよ……」
そうやって話しているとソルが話を変えてくる。
「そういえば、ソトスさん。わたし達が冒険者ギルドを出た後はどうなったのですか?」
「それは、赤髪の美人さんが暴れた後は、ハルヤさんの〈ポーション〉を使って怪我を治していったのだけど、等級の割にかなりの回復力があったから凄い事になっていたぞ」
なる程、ルージュと契約した事で魔力が凄く上がった事が原因だよな。いつも通りに作っていたから気がつかなかったな。
そう思っていると、ソトスさんが話を続ける。
「そして、その〈ポーション〉を買いたいという奴らがかなりいてな。それで作った奴は誰だという話になってハルヤさんの名前が出てきたという事だ」
ちょっと待て、それってかなりヤバくないか。このままだと大変な事になりそうだと思うのは俺だけかな。
すると、冒険者達の中から高級そうな装備を着た四人がこちらに近づいてきた。
俺は帰りたくなったが、ソトスさんがある事を喋ってくる。
「まさか、Sランクパーティーがこちらに近づいてくるとは。ハルヤさんすまん、おれ達は関わりたくないから離れているな」
そう言って、天の刃の人達はそそくさ離れていく。
「私達が何かSランクパーティーに関わったか?」
レイナがそう言うとエルが答える。
「前にルージュにボコボコにされた人達じゃないかな? 確かSランクパーティーも混ざっていると言っていたからね」
「そんな奴らがいたのか。俺様は適当にぶっ倒していたから気づかなかったぞ」
でしょうね。そして、絶対面倒な事になるような気がするけど大丈夫か?
少しして、リーダーぽい金髪の青年がこちらに話しかけてきた。
「少しいいかな。灰色の君があの凄い効力がある〈ポーション〉を作った青年かい?」
なんか無駄にイケメンだなと思いつつ、その事に答える。
「そうですけど、それが何か不都合があったのですか?」
そう話すと金髪のイケメンの横にいる水色の髪をした女魔法使いが喋ってくる。
「あの〈ポーション〉に込められていた魔力が可笑しいレベルで込められていたので、その事でお話を伺いたいのですがいいですか?」
よくないので、ここからどっか行ってください。とは言えず一応頷く。
すると、金髪のイケメンリーダーがこちらをさらに見てきてある事を言う。
「それなら、冒険者ギルドの相談室を借りようと思うけどいいかな。そこなら会話も漏れないはずだからいいと思うけど大丈夫かい」
もう、ここまできたら断りずらいので「大丈夫です」と伝える。
「それはよかった。君には色々聞きたいこともあるから、その事でもゆっくり話したいからね」
そう言った後、俺達は相談室の使用許可を取って話し合いが始まった。
そして、まずは自己紹介からする事になったので、こちらの自己紹介をした後、今度はSランクパーティーの人達の説明になった。
すると、まず最初に話しかけてきた金髪の青年が話してくる。
「まずはオレからだな。オレの名前はシェイズ。このSランクパーティー光の翼のリーダーをしている。武器は片手剣と盾を使った戦いをする。これからよろしくな」
なんか、少し苦手なタイプだなと思っていると二人目は、赤髪の筋肉質な女性が喋る。
「アタシの名前はカエデだ。このパーティーの切り込み隊長をしている。武器はこの大きな戦斧を使う。とりあえずよろしく」
なる程、おそらくレイナと同じく脳筋タイプに感じるな。
三人目は俺とそこまで体型が変わらない、弓使いの青年が口を開く。
「ぼくの名前はドルト。このパーティーの援護をメインとしている。武器はこの弓で、アイテムポーチに大量の矢を入れている事で長期戦にも対応している。とりあえずよろしく」
なんか、俺と同じく苦労してそうだなと思う。
そして、最後水色の女魔法使いが俺を見ながら言葉を発する。
「私の名前はミーナです。このパーティーで後衛をしています。得意な魔法は水魔法で一番威力がある魔法は、水魔法第五階です。それ以外にも水魔法には劣りますが色々魔法が使えます。皆さまよろしくお願いします」
なる程、冒険者には珍しい魔法使いか。
そう考えていると光の翼の四人が俺を見てくる。
「あの、ハルヤさん。すみませんがあなたの事は少し調べさせていただきました。他の人から凄腕の回復魔法使いと言われているのは本当ですか?」
いきなりそれを聞くか……。 その事にどうやって答えようと考えていると、エルが話す。
「その事はボクが答えるね。確かにハルヤ君は凄腕の回復魔法使いだけど、本業は雑貨屋店員で商人だからそこは間違えないであげてほしい」
エルのその言葉を聞いたミーナさんが、こちらをさらに見てきて話してくる。
「あの、ハルヤさんにお聞きします。ハルヤさんは回復魔法第三階を数百人にかけても魔力消耗を殆どしないのは本当ですか?」
「確かに自分はあまり魔力消耗はしないですね。でもしにくいだけでする時はあるという事だけは伝えておきますね」
とりあえずこう言っておけば大丈夫だなと思っておく。
すると、今度はカエデさんがルージュを見ながらある事を喋る。
「アタシはそこの大柄な美女に興味があるな。前に簡単にボコボコにされたから、話を聞きたいと思ったからな」
その事にルージュが口を開く。
「俺様は特に話す事はないぜ。それにダンナの護衛だからお前とは関わる気はないぞ」
そう話しているとカエデさんが少し切れ気味でこちらに言葉を発してくる。
「確かに前は負けたけど、次こそは負けない。それに乱戦だったから一対一ならどうなるかわからないぞ」
いや、正体は上位級のドラゴンだからたとえSランク冒険者でも余裕でボコボコにされると思うぞ。
ただ、ルージュの正体を知っているのは俺達だけなので、その事は絶対に話さないという約束をしているので黙っておく。
すると、カエデさんがルージュに指を刺してくる。
「なら決闘だ。アタシとどちらが強いか勝負だ。もしお前が勝ったらアタシが好きな願いを叶えてやる。それでどうだ?」
えぇ!? なんか面倒な事になっているような気がするけど大丈夫か?
するとその事にルージュが
「いいぜ。それなら戦ってやる。でも、言った事は守れよ。そうじゃなかったら、とんでもないトラウマを刻み込んでやるからな!」
そう言ってカエデさんを睨みつけた。
俺はシェイズさんにある事を聞く。
「あの、これは大丈夫なんですか? 絶対大変な事になるような気がするのですが……」
「そうだな、それは同感だ。ただ、カエデは脳筋で話をあまり聞かないからたまには痛い目にあって考えて欲しいとも思っている」
そうやって話していると、ここで戦いが始まりそうだったので、なんとか止めて修練場に移動する。
そして、その時ある事を思う。
俺達はここにきた目的がズレているような気がすると。




