装備作成の相談
そして、どういった装備を作るかマルグさんと俺達の話し合いが続く。
「まず自分は一応、回復魔法使いなのでそっち系の装備を作って欲しいです。それで例外を除いて攻撃方法がないので戦闘になっても後方支援だけしかできないのでお願いします」
もはや、雑貨屋店員にいらないものだと思っているが、ここまできたら作ってもらおうと思う。
「確かに見た目はその辺にいる青年じゃからの。しかし、わしの腰を簡単に治す事が出来る回復魔法使いなら護衛と一緒に敵と戦う時に、万が一の備えとしているかもしれないことはわかるぞ」
俺は戦う事はあまり好きではないし平和に暮らしたいからあまり気が進まない。
そう考えているとレイナが
「これでロートスのダンジョンにも入れる事になったな。戦闘訓練などは私達が教えてやろうか?」
と言ってきた。
その事に俺は
「断る。俺は雑貨屋の店員で商人だ。戦闘はやりたくないし護身術も戦闘訓練も習う気はない」
誰が好き好んであんな危険な所に行こうかと思うし、後痛い目はあいたくないから戦闘訓練もやりたくないわ!
そう考えていると次にソルが何かを言う
「確かにハルヤは物理的に戦う事は嫌いなのは昔から知っていますが、戦わないと生きていけない時もあると思いますよ」
「別に戦う手段はないわけではないから大丈夫だろ。それに魔法使い全員が近接訓練をしているのか? おそらくやってないだろ。もし俺は戦うとしても後衛で援護するだけで大丈夫だからな」
俺のその事を聞いて幼馴染二人は静かになる。
すると、次にルージュがその状況をみて話す
「別に俺様がダンナを守るからそこは大丈夫だと思うぜ」
よし、ルージュはこちらの味方だ。
最後に今までの話を聞いていたローゼが口を開く。
「ワタシの率直な意見は主君に平和に生きてもらいたい事です。それに主君は戦わないとは言っていない+後衛ならまだチャンスはあるのでそれで大丈夫だと思いますが」
その事を聞いて幼馴染の顔が明るくなったので俺は続いてある事を言う。
「先に言っておくが俺は例外を除いてダンジョンの中には入らないからな。後商品を集めるためや旅行するために他の街に行くこともあるから、そこはまだなんとかなるから殆ど戦う事はない」
俺はルージュを見ると頷いてきてその後に幼馴染の顔を見ると、まだ納得している顔になっていた。
そう幼馴染をみていると、ライムがある事を話してくる。
「あの、今回は皆さんの装備を作りにきたのではないのですか? これではハルヤさんが何故戦いたくないかの話になっていますよ」
確かにそうだよな。
確かここでは装備の話をするのに何故か俺の話になってしまっているからどっかでズレたんだろうな。そう思い俺達は話を修正する。
「そこの回復魔法が使える青年の意見は聞いたが他の嬢ちゃんたちはどういった装備が良いかの?」
そうマルグさんが聞いてきたので、最初に口を開いたのはルージュだ。
「俺様はこの鎧がぴったりだから新しい装備はいらないぜ。それより他の奴に聞いた方がいいと思うぜ」
ルージュはそう言ってレイナ達の方に向く。
そして、次に話すのはレイナだ
「私はガンガン前衛で戦うから軽装鎧よりは少し重装にしてもらえますか? 後武器は鉄の剣でお願いします。ミスリルだと軽くなると思うので、逆に使いにくいと思うので。剣の大きさはこれくらいです」
そう言って腰につけていた剣をマルグさんに渡す。
「なる程、かなり使い込まれている剣じゃな。手入れも不器用みたいじゃがまだマシにされておるの」
「うぐっ、不器用なのは昔からです。細かい事はハルヤとソルに任せてきました」
レイナがそう言ってきて俺達を見る。
本当、昔からソルと合わせて問題児だったから、俺がどれだけ振り回されてきたか……。
そう考えているとマルグさんがレイナに剣を返し次にソルの方に向く。
「そんで次に銀髪の嬢ちゃんは何を作って欲しいのじゃ?」
その問いにソルが答える
「わたしもレイナと同じく剣と丸盾を作って欲しいです。戦い方はレイナより慎重に戦うので怪我は少ないので軽装でお願いします。後、剣と丸盾は素材は鉄で形はこんな感じです」
そう言ってレイナと同じく装備をマルグさんに見せる。
「こちらはさっきのより上手く手入れもされておるのう。だが年季が入っていてこちらも刃こぼれが酷いと見えるな」
「そうですね。かれこれ数年は使っていますからそうなります。ですがわたしはまだマシに手入れはしてきたと思います」
ただ性格はすごいタチが悪くてある意味レイナよりも厄介だったからな。
前の開発の件とか他にも色々強引に巻き込まれてきたからな。
そう考えつつマルグさんはソルに武器を返す。
そして最後にローゼの方を見た。
「そんで最後に青髪の嬢ちゃんはあまり欲しそうな事を聞いてないし黒髪の子は何がほしいのかの?」
マルグさんはローゼがそう頷くのを確認してエルに聞く。
「ボクは今着ている装備に追加のミスリルで補強して欲しいと考えています。後武器の方ですがこの剣で大丈夫ですので気にしなくてもいいですよ」
そう言っていつも身につけている高価そうな剣を軽く叩く。
「なる程、大体分かった。今回は先に料金はもらっているから本題のミスリルを見せて貰ってもいいかの?」
そう言われたので俺は頷いた後、アイテムリュックからミスリルの破片を取り出しマルグさんに渡す。
「見てみたけどかなり質の良いミスリルのようじゃな。これを装備に使うといいもんできるじゃろ。それじゃあ採寸して作らせてもらうわい」
そう言われて俺達は採寸されその後使う分のミスリルを渡して装備を作ってもらう事になった。
そして、話し合いなどが終わり俺達はお礼を言って工房の外に出てゴズスさん一家は自分の工房に帰り俺達(レイナ、ソル、エルも一緒)は一緒の宿に行く事になった。
ちなみにローゼは鉱山の調査のためお付きの騎士の所に向かって行った。
俺達は前から止まっている宿に着くと、従業員さんに今度はハーレムなのかと言われたので、俺は違いますと言っておく。
すると、店員さんは笑っていたのでこれは誤解が解けてないと思い頭を抱える。
少しして、俺は一人部屋一つと四人部屋を借りようと思ったけどその事に女性陣四人が反対してきた。
それを見て驚いたが俺は自分の意見を言う事にした。
「いやいや、流石におかしいだろ。野営の時は仕方なかったけどここは普通の宿だぞ。それよりお前らと寝るのは変だと思うのは俺だけか?」
その問いに女性陣四人が頷いた後最初に口を開いたのはエルだ。
「それだと君の護衛ができないじゃないか。ボク達はハルヤ君の護衛だから誰かが近くにいないといけないと思うよ」
「だったらその護衛はこの街で別行動しなければよかったと思うのは気のせいか?」
俺がそう言うとエルが痛いところつかれたといった顔になった。
少しして、見かねたソルが口を開く。
「でも護衛は必要よ。何かあった時にすぐにハルヤを助けれるようにしておかないと何かありそうだからね。後一緒の部屋になるのはわたしね」
うん、ちゃっかり自分の要望を入れているのは流石としか言えない。
そう考えつつ、俺はこのまま話を聞くのはまずいと思い他の空いている空間に移動する。
そして、その結果三人部屋と二人部屋に別れる事になり前野営の時とは違いソルとエルが同じく部屋になった。
俺はその結果を見てある事を思う。俺は一人部屋でゆっくり寝たいんだよ! そう思いこの結果に異議を唱えようとしたが棄却された。
何故こうなってしまうんだと考えつつ、頭を抱えて部屋に入った。




