レイナ達と合流
ルージュの食費の件だが、その時に考えればいいかと思い現実逃避する。
なので、最悪食べ放題店に通いまくったらいいと思う。
それはさておき、ミスリルをどう使おうか悩んでいると、ローゼがある事を話す。
「あの、このミスリルを使って主君の装備を作って貰ったらどうですか? その魔法使い風の普通の装備よりもいいと思うのですが……」
「あのな、一応これでも雑貨屋の店員で商人だからな。まず、俺がダンジョンや討伐戦で前線に立たされている事がおかしいと思うのだが気のせいか?」
俺は、なんでいつもいつもこんな戦闘している所に行かないといけないんだ。
俺は雑貨屋の店員として平和に暮らしたいのに……。
そう思って考えていると
「主君、そんなに落ち込まないでください。ミスリルの装備ももしもの時の備えとして、用意しておくだけで戦いに参加しろとは言いませんので」
「ちょっと待て、だったら前のゴブリン戦はどうなるんだ。ガッツリ前線で戦っていたぞ」
俺がそう言ってローゼを見ると、プイッと可愛くて視線を逸らされる。
普通の男性なら惚れそうな仕草だが、俺は騙されないぞ。
そう考えて、俺はローゼを見ているとルージュがある事を言って来る。
「確かに装備はいるな。俺様が護衛するとはいえ、何があるかわからんからな。あって損はないと思うぜ」
「そうですよ。主君は大事な方なので何かあったら大変なのでもう一度言いますが、装備を整えた方がいいですよ」
まさかの二対一になり、俺が不利になった。
だが俺は、ある事を言う。
「ハァ、百歩譲って装備の件はいいけどそれを理由にまた戦いに参加させるなよ。俺の本業は回復魔法使いではなくて、どこにでもある普通の雑貨屋の店員兼商人だからな」
そう言って二人を見ると頷いてくるので、とりあえずまだ何とかなったと思う。
それを見ていたライムが、発言して来る。
「ハルヤさんも大変ですね。確かに回復魔法の腕は凄いと思いましたが、まさかここまでになるとは思ってもいなかったです」
俺だって、赤オーガから始まって鉱山まで、こんなに戦いに駆り出されるとは思ってもいなかったぞ……。
なので、俺はある事を質問する事にする。
「そういえば、装備は誰が作るんだ。確かミスリルの加工は高度な技術が必要な素材ではなかったのか?」
その事を聞くと、この質問に答えたのはゴズスさんだ。
「それは、この街一番の鍛治師に任せる事ですね。この街にいる鍛治師の中でトップと認める人が多数いる、私の師匠であるエグジス工房の工房主マルグさんなら加工は出来ると思います」
「ですが、そんな簡単に仕事の依頼を出来るのですか? 凄い言いにくいのですが凄い頑固なイメージがあるのですが……」
「確かに頑固な所はありますが、多分ハルヤさんの能力を使えば何とかなると思います」
なんか、嫌な予感がするのは気のせいでしょうか。
「それって、ダンナの回復魔法のことか?」
ルージュがゴズスさんにそう聞く。
「当たりですルージュさん。師匠は腰が悪くて回復魔法をかけたりポーションを使っているのですが、あまり良くならないらしくて、ローゼリア・ソーラント様から聞いたハルヤさんの回復力なら。かなり治ると思い伝えさせていただきました」
「なる程です。確かにハルヤさんの能力は見ましたが、怪我をした鉱夫の人や冒険者の人達の怪我を軽く治していたので僕も行けると思います」
ライムまでそう言ってくる。
「主君、そろそろ昼時ですし、何処かにご飯に行ってその後、エグジス工房に向かうのはどうでしょうか?」
ローゼがアイテムポーチから、時計を取り出して発言して来たので
「確かにそうだな。俺様も腹が減ったし前行った食べ放題の店に行きたいな。あそこなら食いまくれるからな」
ルージュのその言葉を聞いて、ある事を思う。
それは、そのまま店を潰すなよと。
それで恨まれたら面倒だからな。
俺はそう思いつつ、他の人達が頷いたのでそこに行く事にする。
そして、弟子さんに挨拶をして俺達六人(俺、ルージュ、ローゼ、ライム、ゴズスさん夫婦)は外に出て前行った食べ放題店に向かう。
すると、たまたまレイナ達三人とばったり出会って、俺達に声をかけて来る。
「数日ぶり、ハルヤ達もここに食べにきたの?」
「そうだ。ミスリルも手に入って加工できる職人の所に行こうとしたが、先に腹が空いたから飯にしようと思いここに来た」
俺達が話していると、ライム達に紹介するため街の端にあるベンチに座り自己紹介を挟んだ。
そして、ある程度自己紹介が終わったのでメインの話をする事にする。
「ハルヤはミスリルが手に入ったのですね。わたし達も鉱山に行ったのですが、中はダンジョンみたいになっていて一回態勢を立て直すためにスートルの街に帰ってきたわ」
「そうか、実は俺達も結局ある理由で鉱山に行く事になったんだ。それで中を探索していると転移トラップに引っかかってな、その先にミスリルの騎士像があったからルージュに破壊して貰って破片を持って帰って来たんだよ」
俺がそう言うと、レイナ達三人はなる程と頷いてルージュの方を見る。
まあ、正体を知っているからそうなるよな。
そう考えていると、ルージュのお腹が鳴ったので、ある事を言って来る。
「なあダンナ、俺様は腹減ったしそろそろ店の中に入らないか?」
「そうですね。ワタシもお腹が空いたので入りたいです。主君もいいですか?」
ローゼもそう言ってくる。
他の人達もその言葉に頷いているので、食べ放題店の中に入る事にする。
そして、店の中に入ると前に見たことのある店員は俺達を見て驚く。
そして、少しお待ち下さいと言われて、待っていると主任と書いてある名札の人が飛んでこちらにきた。
「あの、今日はどのような事でこの店にお越しいただいたのですか?」
いや、ご飯を食べにきただけで警戒しすぎだろと思うが、あれだけ食われたらこうなるか?
そう思いつつその状況をみていると
「ワタシ達は、ただ昼ごはんをここに食べに来ただけなのに警戒しすぎだと思いますが?」
「確かにそうなんですが、コックや従業員に忙しくなると伝えても大丈夫ですか?」
なる程、まあそれならまだ納得できるな。
「それなら伝えて貰って大丈夫てすよ。こちらはかなり食べますので」
ローゼはルージュ達を見ながらそう話す。
その事を聞いた主任さんは従業員達にその事を伝える。
そして、俺達というよりルージュ、レイナ、ソル、エルの四人がいつものように爆食いして店員さんが半泣きになっていたため、そうなるよなと思いつつその状況を見る。
レイナ達は満足そうに食べていて、それを唖然としてみていたゴズスさんロールさん夫婦に、何とか復活してもらい、この街一番と言われる鍛治師がいる工房の話を聞く。
「しかし、さっきお聞きしましたが、マルグさんはどう言った方なのですか? 頑固なのはさっき教えていただきましたが、他にはどういった方なのですか?」
「それは私達がここで説明するより、実際に見てもらった方がいいと思うので、ここでは言わないです。後この店の店員が半泣きになっていますし、どんどん積み重なる皿があるのですが大丈夫ですか?」
「そこは食べ放題ですので大丈夫ですよ。自分達は先にお金を払っているので大量に食べた方がお得ですよ」
俺は、ゴズスさんとそう話していると、ローゼが追加で何か言ってくる。
「主君。それで、どういった装備にしようと思っているのですか?」
その事を聞いて、俺はある事を思い出すがこれはロートスに帰った時でいいなと思ったので、今は黙っておこうと思ってローゼの言った事に答える。
「それは、工房に着いた時でいいか? ここで話すのは何かあるかもしれないからな」
俺はそう言い、そして制限時間がきて、終了したのでミスリルを加工出来る職人がいる工房に向かう事にする。




