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国軍少尉との出会い

 次の日、今日は定休日なのでベットの中でゆっくりする事にした。


 だが、店の入り口の方から激しくノックしてくる音が聞こえて来る。


 朝からうるさいな、定休日くらい休ませてくれ。


 でも、今にもドアが破壊されそうなので嫌々動く事にした。


 ベッドから出てパジャマ姿でサンダルを履き、ザ寝起きの姿で外に出る。


 そして、ドアを開けると、全身甲冑の騎士鎧を着た人達が六人ほど立っていた。

 

 何事だと思ったら騎士の中から代表者? が一人兜を頭から外し、こちらに近づいてくる。

 

 その顔は、中性的な顔をしていて男性か女性か、俺にはわからなかった。


「君が噂になっている、回復魔法使いであっているかい」

 

 いや、なんの噂だよ。


 俺の職業は雑貨屋の店員で商人で、回復魔法使いは副業なのだが……。

 

 その事を伝えると


「そうか、それなら君の力を見せてもらうよ」

 

 そう言い騎士の人はナイフを取り出し自分の左腕を刺した。


「いやいや、なにやっているんですか!?」

 

 俺は、この人はバカなのかと思ってしまう。


 だが、騎士のの人はほとんど表情を変えずに、こっちに怪我をした左腕を差し出してきた。


「これで君の力がわかる。さあ私に回復魔法をかけてくれ」

 

 うん確定だ。この人も幼馴染と同じく基本的に話を聞かないタイプだわ。


 そう思い俺は


「自家製のポーションを取ってきますね。少し待っていてもらってもいいですか」

 

 と言いポーションを取りに行こうとしたが、いつのまにか騎士の人は、ナイフをしまって怪我をしてない方の手で俺の左手を掴んできた。


「いやいやここは回復魔法を使うところだと思うよ。それにポーションは前のイレギュラー討伐戦の後から品薄状態が続いているはずだよ」

 

 と左手を掴まれる力が増した。


 確かにそうなので、大変不本意ながら回復魔法をかける事にした。

 

 ちなみに左腕からは今でも血が出ていて地面に垂れている。


「わかりました、使いますから手を離してください。」

 

 このままだと、あらぬ疑いがかけられそうなので、仕方がないと思いそう話す。


「助かる。それでは頼むな」

 

 と言われ騎士の人は、こちらに左腕を差し出してきた。


 俺は渋々、回復魔法の第三階サードヒールをかけて怪我を癒し終わると、怪我をした騎士の人は左腕を見て痛みがないかを確認しているようだ。


 俺はまだ眠いので、家に帰ってもう一度寝たいと思い、ドアを開け家に入ろうとしようとした時、肩を掴まれてしまう。


「ちょっと待て、君はどこに行こうとする?」


 決まっているだろ、家に帰って寝たいんだよ。

 

 それと、『流石にいい加減にして欲しい』とこの事を伝えると


「それでは、私達がここにきた意味がないではないか」

 

 と言ってきて、他の五人の騎士も頷いている。


 それは知らん。それよりも流石に苛ついてきたので少し強めに返す。


 「あのですね、朝にガンガン店のドアを叩いて無理矢理起こしてきた挙句、自己紹介もなく自傷行為をして治せと言うなら、治療院に行って好きなだけやって来てください」

 

 と言った後、掴まれた肩を無理矢理振りほどいた。


 俺は今度こそ無視して店に入ろうとした時、騎士の人が確かにと頷き、自己紹介を始めようとしたため、スルーしようとするがまた止められる。

 

 止められた時に、あの流石に中に入って寝たいからいい加減帰れと伝えるが、騎士はまた腕を掴んでくる。

 

 もうどうすればいいのか分からなくなっていると、騎士の人は半泣きになりつつこちらに喋ってくる。


「ここは話を許してくれて話を聞くところだろう、何故無視するんだ!?」


「もう一度言いますが、何者かがわからないのに関わりたいと思いますか」 


 もう家で寝させてくれ。


 だが、その願いが届かず話が続く。


「なる程。というか君が中に入ろうとしたからだと思うが。まあいい、確かに自己紹介していなかったな、私は王都騎士軍(国軍)ロートス支部所属、エルナ少尉だ。後ろにいるのは私の部下だ」


 あのな、国軍の騎士が大人気なく俺に責任転換するなよ。


 あと、人の迷惑を考てくれ、こちらは休みだからゆっくり寝ていたんだぞ。


 そう考えているとエルナ少尉が話を続けた。

 

「今回貴殿の元に訪問する事になったのは、この前起きたダンジョンのイレギュラー魔物、通称赤オーガの件で話を聞くためだ」


 あの、その件は冒険者ギルドから話を聞けばいいのでは? 


 なんで俺が関係するのかを考えていると、エルナ少尉が俺の服装を見てきた後、ある事を言う。


「それより、いつまでそこ格好でいるんだ?」


 それはお前らのせいだろ。しかも自分達は悪気がないと思っているような感じがするから、少し強めに喋る。

 

「自分が寝ている時にいきなりガンガンとドアを叩いているので焦って出てきて、そのあとも店の中に戻る事も出来なかったのでこの格好のままです」


 そう言うと、お付きの騎士達は顔を背け、エルナ少尉はどうすれば良いのかわからず固まっているようだ。

 

 俺は、その隙に今度こそ店の中に入り着替えてくる事に成功した。

 

 その間に、なんで朝からこんなに苦労するんだ本当と思ってしまう。


 そして普段着に着替えて店の外に出ると、騎士の皆さまは何故か敬礼していた。


 いや、なんだこの状況と思いつつ固まっていると、エルナ少尉が敬礼を解きこちらの目の前に立ってくる。


「申し訳ありません。やることがなかったので敬礼して待っていました」


 と言ってきたが、俺は全く意味がわからなかった。

 

 しかも、こいつら店のドアの前でしているから、さらに迷惑になっているので正直やめてほしい。


「それで何を話せば良いのですか? あと、ここでは邪魔になりますのでどこか別の所で話せないですか?」

 

 と伝えると


「では、我らの国軍の支部に向かいましょう」


 と言い、俺は何故か国軍の支部にに連れて行かれてしまう。


 そして連れて行かれること数十分後、街の中にある国軍の支部に到着した。

 

 俺は現実逃避するため、支部の形は冒険者ギルドの建物より大きく立派だなと考える。


 だが、それと同時に何故連れてこられてしまったんだと思う。

 

 俺はしがない、雑貨屋店員で商人なのに……。


 そう考えていると、入り口の前に着き見張りで立っている騎士敬礼してきたので、それに対しエルナ少尉達も敬礼を返して入っていく。


 俺も無理矢理連れて行かれる。


 その状況を考え、なんか捕まった犯罪者みたいな感覚になってしまう。

 

 その事を感じてか、他の騎士の人が


「大丈夫ですよ、手荒なことはしませんので」

 

 あのな、既に面倒な事になっているからな。

 

 いい加減伝えようと思いつつ、入り口から少し歩いてそこそこ大きな部屋に着くと

 

「ここで少しまってくださいね。係の人がくるので」

 

 と言いエルナを筆頭に騎士達が、全員部屋の外に出て行ってしまう。


「いやいやこの部屋で一人で待てと、せめて誰か残るだろ普通」

 

 と独り言をつぶやく。

 

 そのあと部屋を見渡すと、そこそこの大きさの丸テーブルとイスが八個置いてあり、俺はその中の一つに座った。


 そして少しまっていると、三十代後半くらいのオッサンと、その秘書みたいに付き従っているクールビューティな女性が入室してくる。


 そしてイスに座っている俺を見つめると、二人は頭を軽く下げてドアを閉めて近づいてきた。


 オッサンが


 「貴殿がイレギュラー討伐戦の時に、ダンジョンに入った優秀な回復魔法使いであると聞いているが?」

 

 と言ってきたので

 

「優秀かどうかは知らないですが、自分はハルヤです。回復魔法は一応使えますが、本業は雑貨屋店員で商人をしています」

 

 と伝える。


 すると、横にいる秘書さんが


 「ご丁寧にありがとうございます。私はこの支部の支部長の秘書をしていますエアと言います。私の横にいるこちらの方は支部長のゾルスです。今日は忙しい中ありがとうございます」


 と社交辞令を話してきたのである事を思った。それはーー……。

 

 なんで支部長とその秘書が出てくるんだ!?


 後、このパターンは絶対面倒な事になる可能性が高い。


 そう感じてしまいながら、俺は頭を抱えそうになりながら話し合いが始まった。



















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― 新着の感想 ―
[気になる点] うーん、主人公の消極的なところと周りの頑固さがちょっと読みづらいです。 [一言] ちょっとここまで読みましたが、読みづらさにギブアップさせてもらいます( ̄▽ ̄;)
[良い点] 眠いところを起こされたところに、突然の自傷行為で平然としてる騎士、怖い。
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