鉱山からの帰り
ある事、それは無事に鉱山から帰ってきた俺達への勧誘の嵐だ。
特にルージュは、ゴーレムを簡単に倒せる実力者という事でかなり優遇されている。
対する俺も回復魔法が使える事で、おまけとして扱われる。(ライムは放置された)
ただルージュは
「俺様は、ダンナことハルヤの護衛だから、お前らと働く気はないぜ」
と言ってしまう。
すると、今度は俺が勧誘されまくったが、ルージュがメインで俺はおまけなのは、さっきの状況を見てわかっているので全部断る。
その後は流石脳筋、俺達の事を無視して話してくる奴も沢山いたのでさっさとやる事やって街に帰る事にする。(ちなみに暴動も起きたけどルージュが威圧して全員気絶させた)
俺は、『もうこんな所には来るか!』と思いながら街へ向かって馬車が進んだ。
そして、スートルの街に帰ってくると時間は、夕暮れ時になったので、前行った五千パルする食べ放題店に向うことにする。
「ダンナ。前みたいに大量に食っても大丈夫なのか? 金は入ってくるとは思うがそれも限度はあるんじゃねーか?」
「それなら大丈夫だぞ。前も言った通り食べ放題だから、大量に食わないと逆に損するぞ。でも俺は、普通の量しか食えないけどな」
俺は、いつも見てきた光景を思い出しゲンナリする。
「でもハルヤさん大丈夫ですかね。僕が一緒にいた時も、ルージュさんが大量に食べて皆さんが唖然としてらっしゃいましたが」
「その辺は大丈夫だろ。別に出禁になったり制限がかけられたりしたわけではないからな」
そう言って店に向かって少し歩いたら到着したので中に入る。
すると、前の惨劇を知っている店員が固まる。
逆にその事を知らない店員が
「三名様ですね。先にご案内しますね」
と言って俺達を案内する。
「ルージュ、今回も容赦せず大量に食ってもいいぞ」
俺はそうルージュに伝えておく。
「勿論だ、ダンナ」
そう言って頷いた後、席に座りメニューを聞かれたので前に頼んだことのある五千パルの食べ放題を頼んだ。
(ライムは子供なので半額で済んだ)
そして、お金を先払いして店員さんが砂時計をひっくり返した後、ルージュが大量に注文し俺とライムは普通に頼む。
なので、最初に俺達を案内した店員さんが固まり本当にこの量食べれるのですか? と聞いてきたが、逆にこの量じゃ足らないと思います、と言い返しておく。
それでもしつこく聞いてくる店員に、他の店員が肩に手を置いて
「その人は前とんでもない量を食べて店が大変な事になった人達だ」
と喋る。
それを聞いて納得したのか、その後は大丈夫で数人の店員がテーブルに大量の料理を持って来る。
「ダンナ、食べてもいいか?」
そう聞かれたので
「大丈夫だぞ」
と言った後に、俺達は食べ始める。
そうやってきたガッツリした肉料理、大量のパンや米、さらに大量のサラダとシチューなどのスープ系などさまざまな料理がテーブルに乗っている。
俺とライムは普通に食べて、ルージュは豪快に皿を持ちながら食べている。
「ルージュさんやっぱり凄い大食いですね。あの量よく食べれますね」
「まあ、俺は他にも大量に食べる奴らは知っているから見慣れているけどな」
ライムが驚いている所を俺は、マイペースに自分の料理を食べている。
それから、テーブルの料理が三分の一になったらまた大量に頼んでそれを食べてまた三分の一になったら頼むというループを繰り返すこと数回、砂時計の砂が落ち終わり店員さんがやっと終わったかと思っていたらルージュが口を開いて
「ダンナ、もう一回食べ放題頼んでいいか? 俺様はまだ食い足りないからな」
その事を聞いて、本当にこれからの食費はどうしようか本気で悩む俺。
流石に、これ以上はやめてくれという顔をしている店員だが
「追加で頼んでいいぞ」
と言い店員さんに追加で先払いして、もう一回食べ放題が始まる。
俺とライム、はお腹いっぱいなのでゆっくりしながらルージュは、またさっきのループを繰り返し店員さんに大量の料理を持ってこさせる。
「あの、ハルヤさん流石にこれはヤバくないですか? ルージュさん普通ではありえない量を食べていたのに、さらに追加でこんなに頼むのですか!?」
「俺もここまで食べるとはも思ってもいなかったぞ。確かに知り合いで大食いの女性は知っているけど、ここまでとは知らなかったな」
もはや店の在庫がなくなるがもしれないと思っていたら予想通り砂時計の半分を切ったくらいに、店員さんでも主任とか言われていそうな人がこちらに来る。
「あの非常に申し訳無いのですが、食材の在庫の方がもう殆ど無くなってしまって、これ以上は提供できないです」
と頭を下げて来たので
「なんだと、俺様達はちゃんとお金を払っているのにこれ以上は食えないのか!?」
いや、それを聞いた人達がどんだけ食べるんだよお前はと、突っ込みを入れると思う。
だが、流石にここで暴れられたりすると大変なので何とか止める。
「ルージュ、営業の時間もあるし流石にこれ以上は難しいぞ。あとはデザートを食べてそろそろ帰ろう」
俺がそう言うと、ルージュは今度は大量のデザートを頼み出す。
「デザートはありますので、持って来れる分だけ持ってきますね」
そう言って主任さん? は他の店員に指示を出して大量のデザートを持って来させる。
「まだ俺様がちょうどデザートも食べたい時に頼むのはタイミングがピッタリだぜ。ダンナありがとな」
そう言ってテーブルに乗っているデザートを片っ端から食べ始めて、在庫の殆どが無くなるまで大量とは言葉が治らない程ルージュは食べている。
それを見ていた店員さん+お客さんは唖然よりも言葉では説明出来ない表情をしている。
そして、俺はある程度満足しているルージュと、とんでもない表情をしているライムを連れて店の外に出る事にする。
ふとテーブルを見ると、店員さんは片付けに追われていて、俺は出禁になったりしないよなと思いつつ宿に向かう。
前に泊まった宿に着き、俺はアイテムポーチからローゼの無事かの確認を取るために、通信水晶を起動する。
「もしもし主君、こんばんわ」
と無事な表情をしたローゼが写っていたので
「ローゼそっちは無事か?」
と聞くと
「何回か襲撃がありましたが、全員コテンパンにやっつけて追い返しましたよ」
それは良かった。
そう思っていると今度はこっちが質問される。
「そういえば、主君はミスリルを手に入れられたのですか?」
「その件は話が長くなるけどいいか? とりあえず先に結果だけは言っておく。結果はミスリルは手に入った」
そう喋ると、ローゼはホッとした表情になる。
「それはよかったです。見た感じ主君は特に怪我とかされたませんし、ミスリルも鉱山から手に入ったならそれはよかったです」
「いや、それがよく無いんだよ。ミスリル自体は手に入ったけど、大量のゴーレム系の魔物がいたんだ」
俺は、ローゼの顔を見ながらそう話す。
「それは、前からの報告があったので知っていますが、それがどうかしたのですか?」
そう言われたので、俺はアイテムバックからある物を取り出す。
「これを見てくれ。前俺が赤オーガの時よりは小さいが、かなり大きな魔石が鉱山の中の強い敵から落とされた物だ」
それを見たローゼは、唖然として固まる。
少し深呼吸した後、俺は続きを話す。
「これは俺の予想だが、もしかしたら鉱山はダンジョンになっている可能性が高いと思う。それなら、何故最近ゴーレム系の魔物が出てきたか説明がつく」
その言葉に、隣のベッドで横になっていたルージュも
「俺様も、おかしい雰囲気を感じたから何かあると思うぜ」
と追加で言って来たので
「なるほど、明日ワタシ達がいる工房に来ていただいて細かい話を聞いてもいいですか」
「どちらにしても、工房には行く予定だから別に大丈夫だぞ」
そう言って俺達は明日の予定を打ち合わせを始める。
そして、ある程度話して通話を切った後にルージュとも少し話して今日は寝る事にする。




