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救出作戦

 よくわからない形でミスリルを大量に持ち帰る事になった俺達は、何とか鉱山? から脱出して鉱山組合に行くために歩いていた。


「まさか、ダンジョンになっているとは予想外でしたね。ルージュさんがいなかったら、僕とハルヤさんは大変な事になってましたね」


「そうだな。俺は物理攻撃力は皆無だしライムは普通の子供だしな」


 そう話していると、鉱山組合に到着したので中に入る事にする。


 時間は、昼前くらいなので人が少なく受付は空いている状態なのだが、昨日のオッサンが俺達を手招きをしていた。


 そして向かうと

 

「どうだった鉱山の中は? お前らにはまだ早いと思っていたがその通りだったかもしれないな」

 

 いや、あれが鉱山だったら、とんでもない死人が出ると思ったのは気のせいだろうか?


「そうですね。僕達にはまだ早かったと思います。今回は色々な体験が出来たので良かったです」

 

 ライムが、子供なのに社交辞令を言っているではないか。


 そう少し話していると、いきなりボロボロの人が鉱山組合の中に入って来る。


「助けてくれ。見たことのない魔物が現れてみんなが防戦一方なんだ」


 うん、なんでこのタイミングでこうなるかな……。


 そう考えつつ、その事を聞いたルージュの目が光り出しているのを見て、俺はコイツは絶対に戦いに行きたいなと思っていると感じてしまう。


 案の定、俺の方に振り向いて来て口を開く。


「なあダンナ、俺様達が行かないか。その強い奴に戦いたくなったぜ」


「やめとけ、絶対に面倒なことになる。それよりもローゼに鉱山の様子がおかしいと報告しないといけないから、一回スートルの街に戻りたいな」


 その事を聞いていたオッサンは


「ちょっと待て、鉱山がおかしいとはどういう事だ?」


 いや、最近ゴーレム系の魔物が出現してきた時点で気付けよ!


「あの、鉱山は最近まで魔物が現れておかしいとは思った事ないのですか?」


 ライムがそう聞く。


 するとオッサンは


「おかしいと思ったけど、別に土塊の人形ごときが現れたくらいで驚かなかったからな」


 なる程、ある程度理解した。


 つまり言い方は悪くなるけど、ここにはあまり気にしない人ばかりで、放置していたらこうなったということか……。


「街の町長さんや領主様に、早くこの事を伝えた方がいいですよ。もしかするととんでもない事になるかもしれないですよ」


「だがダンナ、誰が報告に行くんだ? けど俺様達はその魔物を何とかしないといけないだろ。ここの人達に任せるのは少し心配だと思うぜ」


「だが、俺達だけでは解決は無理だそ。魔物はともかく鉱山の状況を確認するには色んな人の許可とかいるんじゃないのか? それにどんな危険があるかわからないからな。あと、ルージュは何故行く事になっているんだ?」


 そう話していると、治療を受けていた人が周りの人に助けを求めている。


「オレの仲間の一人は。子供が生まれたばかりでここで死なせるわけには行かないんだ。お金なら、後で払える限り払うから頼む」

 

 ここは鉱山の人達が集まる所で、冒険者は殆どいないから絶望的だと思うぞ。


 なので、予想通り組合にいる人は話を聞いてくれる人がいない。


 少しの間、沈黙が続いていた時にライムが


「ハルヤさん、何とかならないのですか?」


 と聞いてきた。


 どこまでお人好しだとライムに呆れていると、ルージュも


「確かに、ガキが生まれていきなり親を失うのは悲しい事だと思うぜ。ダンナ、俺様からも頼む。何とかしてくれ」


 ルージュお前もか。


 しかし、このまま面倒な事が続いたらこっちまでさらに被害が来そうだなと思ってしまうが


「はあ、わかった。とりあえず今問題なのは、魔物と鉱山の異変だよな」


 俺は受付のオッサンを見ながらそう言った。


「そうだな。このまま鉱山が閉鎖とかになったらオレ達は食っていけなくなるからな」


 受付の人はそう話す。


 その事を聞いた、俺は色々考えた結果


「仕方がないですね。気が進まないですが俺達は鉱山に入りその人達を救出して、組合の職員はこの事を街の上層部に伝えてください」


「いいのか? お前達かなり危険だぞ」


「大丈夫ですよ」


 そう言って俺達は、動けるようになった怪我をしていた人の先導で救出に向かうことになる。


 そして、鉱山の中に入りまずまだ怪我が治りきっていない男性に回復魔法の第三階サード・ヒール使う。


「アンタ、回復魔法が使えるのか。それなら後で俺らの仲間にもかけて欲しい」


「それは、とりあえず状況を見て考えるな。俺はただの付き添いだからな。そしてこんな危険な所からさっさと出たいから早く案内してくれ」


 俺は、もはや敬語も辞めてそう喋る。


 そして、前に進んでいるルージュが


「しかし、どんな強い奴がいるか楽しみだな。俺様はそこそこ期待しているぜ」

 

 うん、戦闘狂は静かにしてください。


「でも、僕まで来てしまって良かったのでしょうか?前も言った通り全くの戦力外ですよ」


 知ってる。


 けど連れて行かずに放置すると、さらに面倒だと思って連れてきただけだ。


 そう考えつつ、かなりの時間歩いていると、何か音がする入り口の前に到着する。


「ここです。この奥で戦っていると思います。お願いします。オレ達、鉱夫はあんまり戦力にならず、知り合いの冒険者を護衛として雇ったんですが数が多くて逃げれたのはオレだけです」


「なる程な、それなら俺様が一掃してやるよ。ダンナと小僧ともう一人の奴は、他の奴らを避難させてくれ」


「了解した。でもあんまり無茶はするなよ。お前の力の加減を間違えると本気で鉱山がとんでもないことになるから、ある程度は抑えてくれよ」


 ルージュは、わかったと頷き俺達は中に突入することになる。

 

 中には、冒険者と思わしき装備をした男女数人と、鉱夫の人達が壁際まで追い詰められている。


 そして、追い込んでいる相手は、前見たことのある土塊、ゴーレムとその倍くらいあるボスみたいなゴーレムが大量に発生して攻撃をしている。


「俺様がこの大群を蹴散らすから、ダンナは怪我をしている人の所に行ってくれないか。流石に別れていると守るのが大変だからな」


「そう言ってもこの数の中、あの場所に行けると思うか?」


 俺は、そう言ってルージュを見たが、大丈夫だと言って拳をゴーレムの方にに突き出すと、衝撃波が起きてかなりの数が粉々になる。


 それを見た、男性とある程度ルージュの力を知っていたライムも、何故か固まって動かなかったが


「これで行けるだろ」


 行けるけど、その後は考えているのか? 俺はとりあえず、その事に突っ込みたがったけど、先に行動する。


「わかった。とりあえず俺がポーションや回復魔法で回復させたあの人達を避難させた後は思いっきり戦うのか?」


「それもいいが、あの程度なら速攻で片付くと思うぜ」

 

 そう自信満々に言ってくる。


 だが、この間にもどんどんゴーレムが増えているため、俺達はさっさと救出に行く事にする。


「あの、赤髪の護衛さんめちゃくちゃ強くないですか!? あと、なんでゴーレム達をあんな簡単に倒しているのにオレ達は救出に行っているんですか?」


「それは、俺達は戦いの邪魔になるから出来る限り離そうとしているだけじゃないですか?」


 俺は、無双しているルージュを見ながらそう話す。


 そして、こちらは何とかボロボロの人達の所に到着して治療を開始する。


「おい、助けが来たぞ。あの赤髪のねーちゃんは、ゴーレム相手に圧倒できるから何とかなるぞ」


 俺とライムは無視か……。


 その後は死人は何とか居なかったみたいで、俺の回復魔法サードヒールで全員回復してルージュは無双してボスゴーレムまで余裕で倒しこちらに戻って来る。


「ダンナ、とりあえず落ちている魔石を回収しようぜ。これだけ大量にあって売ったら、かなりの量の飯を食えるよな」


「それはな、百個以上落ちているから大量に食えると思うぞ。ただお前が本気で食べると数食分にしかならなそうだが」


 そう言って、こちらは頷く。


 その後、全員何とか無事に助ける事ができたので、良かったと思いつつ、この事をどうやって説明しようかと悩みつつ、帰る時に出てきたハニワの魔物をルージュが簡単に破壊していたので考えるのをやめる。


 そして、これ以上は特に問題は起きなかったので、良かったと思いつつ俺達や鉱山で働いていた人達は、一人も死ぬ事はなく無事に鉱山から脱出出来たのでホッとする。


 その後、鉱山組合に説明した後、出ようとしたけどある事が起きてしまったので、俺は頭を抱える事になってしまう。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハルヤの頭抱えてる率が上がってきましたね、そろそろ限界まできてるような気もしてきました。 [一言] ルージュの相手になるやつが出るまでひたすら叩き潰していくことになりそうで、ルージュの更に…
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