表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/181

大きな騎士像との戦い

 階段を降りて、さっきよりも幅が広い通路に降りる。


 そして、いきなり俺達より大きな土塊で出来た人形みたいな魔物が、こちらに近づいて来たので


「多分、あれがゴーレムだよな」

 

 そう思ったのと同時に、ルージュはゴーレムに拳で攻撃したので軽く粉々になる。


 それをみたライムは


「ルージュさん、めちゃくちゃ強くないですか!? 腕利きなのは知っていましたが、ここまでとは知らなかったです。後、手は怪我をしていないのですか?」


「手は大丈夫だぜ。あと、この程度の相手に俺様がやられるかよ。それよりも、もっと強い奴と戦いたいぜ」

 

 そう言って、準備運動をしているので


「まあ、奥に行ってダンジョンならボスがいると思うし、その時に思いっきり戦えると思うぞ」

 

 正直、よくわからんが適当な事を言っておく。


「なる程な、それならその時まで楽しみに待っておくか」


 なんか凄いやる気になっている……。


 後、ダンジョンの話は幼馴染達から色々聞かされていたが、かなり凶悪なトラップもあるとかなんとか言っていたよな。


 なんな事も考えてつつ、進んで行くと個室があったのでルージュとライムが興味を持つ。


「なあダンナ、この部屋に入ってみないか。もしかしたら強い敵がいるかもしれないしな」


「僕は、ミスリルがあるかもしれないので、入ってみたいです」


 そう言われたので、少し考えて二人の意見を聞いて入ることにする。


 そして、中に入るといきなりドアが出てきて閉じ込められた後、地面が光る。


 それから、少しして光が収まると俺達の目の前には大きなドアが見える。


「さっきの光はまさか転移か。こんなトラップは幼馴染達から聞いたことないぞ」


「しかも、ダンナが言った通りこの扉の先には強そうな気配がするぜ。俺様もやっと少しは、楽しめそうな相手がいるということだな」


 その言葉を聞いて、ライムがガクガク震えている


「ルージュさんが楽しめる相手でも、僕に関しては全くの非戦闘員なので役に立たないですよ」  


 それを言うな。


 俺も、雑貨屋の店員兼商人だから似たようなもんだぞ。


「じゃあ開けるぞ」


 待て待て、何でここに来てあげ開けるんだよ。


 それよりも帰り道を探したいんだが……。


 勿論その言葉はスルーされて扉が開き、中に入ると銀色の騎士鎧を着た鉱像が並んでいた。


 俺はそれをみていると、ライムが物質鑑定を発動させると、その素材に驚いているみたいだ。


「ハルヤさん、あの騎士の鉱像の素材はミスリルですよ!」


 ……。ちょっと待て、あの鉱像はミスリルで作られているのか!?


 そして、俺が動揺していると何か壊れる音がして、その方向を見てみると、ルージュが一個一個鉱像を拳で破壊している。


「ちょっと待てくださいルージュさん。何で鉱像を破壊しているのですか。後、ミスリルなのにそんな簡単に破壊できるのですか」


 その問いにルージュは


「こうした方が、アイテムバックに入りやすくなるからいいと思ったんだが。ダンナ、ダメか?」


「確かに破壊してくれた方がいいぞ。そうすると持って帰るのが楽だからな」


 そんなこんなで、鉱像の破壊が終わり、俺とライムはアイテムバックにミスリルの破片を回収して、ルージュはゆっくりしている。


「あのハルヤさん、ルージュさんは何者なのですか?」


「それは聞かない方が身のためだと思うぞ」


 俺は真剣な顔でそう答える。


 回収に結構な時間がかかったが、ミスリルの破片を大量に集め終わり、お腹が空いたのでかなり遅くなったが昼ごはんを食べる事にする。


 メニューは、堅パンと干し肉とスープいう保存食と鍋で簡単に作れる物を作る。


 少しして、食べ終わったので入ってきた扉に行こうとしたがルージュが待ったをかける。


「すまないがダンナ、さっき言った通りこの奥にはそこそこ強い気配がするんだ。俺様は楽しみにしていたけど戦えないか?」


 なんか、若干しょんぼりしているので、どうしようかと迷う。


「別に、ここまできたら僕も奥が気になりますね。ハルヤさん一緒に行きませんか?」


 なんか嫌な予感もしながら、ルージュがいるから大丈夫かと思い頷く。


「ありがとうな、それなら少し前にあるさっきよりもデカい扉をあげるぜ」


 俺達は歩きその大きな扉に着き、ルージュ一人で余裕に開けた。


 そして、扉の中に入るとドーム上の部屋で中心には、俺の身長の三倍はありそうな大きな騎士の鉱像が動き出す。


「ルージュ、俺とライムは出来る限り離れる。だから思いっきり戦っていいぞ」


「了解したぜダンナ。やっと手応えがありそうな相手が出てきたな。俺様はやる気が出てきたぜ」


 そう言って背中に装備している両手剣を抜き、騎士像に向かって構える。


 相手の騎士像も右手に剣、左手に盾を装備している。



 少しして、ルージュVS騎士像の戦いが始まった。


 先に動いたのはルージュだ。ダッシュで近づき騎士像の足を狙って横薙ぎの攻撃をする。


 しかし、騎士像はその攻撃を上手く盾を使って受け流し反撃に剣を振り下ろす。


 ルージュは左に飛びかわして今度は腕を狙って炎魔法第四階フォースファイアを発動して炎で遠距離攻撃を始める。


「ルージュさんは魔法も使えたんですね」


「まあな、アイツは色んな手札を持っていると思うぞ」


 内心では竜魔法ではなくて、普通の炎魔法使えたんだと驚く。


 そして、ルージュが戦いながら何かを言ってくる。


「ダンナ、そろそろ準備運動は終わるぞ。もしかすると破片が飛ぶかもしれないから警戒しておいてくれ」


 いやいや、今の光景は準備運動だったのかよ。


 ルージュがそう言った後、明らかにさっきよりもかなり力を込めて騎士像に両手剣を叩きつけた。


 それを何とか盾で受け止めた騎士像だったが盾にヒビが入って砕けて、その後は圧倒的な攻撃力で騎士像をボコボコにして最後は普通の攻撃で撃破する。


 うん、これは一方的な戦いだったな。


 そう考えているとルージュが、こちらに帰ってきて


「そこそこだったな。でももっと強い奴と戦いたいぜ」


 それを聞いて、色々突っ込みたかったけど諦めた。そして倒れた騎士像は前の赤オーガと同じく煙になって消えて、その後に大きな魔石と銅色の宝箱が出てきた。


 そして、銅色の宝箱を開けると中にはカバンが入っていた。


 ライムの鑑定によると、時間停止の魔法と収納の魔法がかかっているレアなアイテムバックだった。


「なら、それはダンナにやる。俺様はこの魔石を売って、その分たらふく飯を食べたいからな」


 ルージュは、五十センチくらいある魔石を持ちながらそう言う。


 ただ、そこまではよかったのだから、俺はあることに気づく。


「そういえば、出口はどこだ」『あっ』


 その後は、出方を探してかなりの時間が経った後、入ってきた入り口とは逆の方向に、魔法陣が地面に描いてある所を発見したので、俺達は手を繋いで上に乗った。


 そして、魔法陣の光が収まると、入ってきた部屋に戻ってきた事を確認して、俺達は安心して座り込む。


「はっきり言って俺ここに来た意味がないよな。戦いはルージュで鑑定はライムで、俺がやった事はご飯を作ったことぐらいじゃないか……。あと、俺は雑貨屋の店員で商人なのに何故ここに来たんだ?」


「俺様は別に意味が無いとは思っていないぞ。ダンナがいたから思いっきり戦えたぜ」

 

 そう言って三角座りしている俺に抱きついて来る。


「まあ、ハルヤさんがいる安心感は僕にもわかります」


 ライムもこちらに近づいてきて俺の隣に座った。


 それはともかく、今日は疲れたので部屋が安全か確認した後、ご飯を食べて、次にシートと毛布をアイテムバックから出し一泊する事になった。


 そして、次の日俺達は鉱山というダンジョンから外に出るために出口を目指すことにする。


 だが、その時ある事を思う。


 それは出口はこっちであっているかどうかと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ルージュは契約があるからハルヤがいてくれると安心、ライムはルージュの扱い方が分からないからハルヤがいてくれると安心、という具合にタオルケットがあると安心が出来るみたいな、そんな具合で面白い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ