スートル商業ギルド
そして、一旦お別れパーティーという名の大量食い祭りが終わり、用事が終わったら合流しようとなっ、俺達は一旦別れる事する。
その後、俺とルージュは宿に行き、部屋に入ってベッドに横になり掛け布団をかけて寝る。
次の日、目を覚ますとルージュがまた抱きついていたので、俺は無理だとわかっていても、何とか離れようとして考えていた時に、起きてくれたが
「ダンナおはよう。俺様達もこれから動かないとな」
そう言って俺を離した後、身支度を始めたので、俺は一回部屋の外に出て着替え終わるのを待つ。
俺はルージュが着替えるのを待っている間に、アイテムバック(アイテムポーチより物が格段に入るが、値段が普通の家を買うよりも高く、超高級品だが、爺さんが持っていたので、その形見として使わせてもらっている)を確認した。
そして、ポーションや他のアイテムが入っているか確認して、改めて今日は商業ギルドに行って雑貨屋に仕入れる商品を探そうと考えているので、その事をルージュに伝える。
「なあ、俺様はどうすればいいんだ? 流石に店の商品の仕入れはやった事ねーからわからんぞ」
「とりあえず、護衛でいいか。この街に来たばかりで何があるか分からないから頼むな」
俺がそう言うと、ルージュが頷いた。
その後は、身支度をして商品ギルドに向う。
俺は、いつものジャケットにズボンの普通の格好で、ルージュは豪華な赤い鎧を着て、背中には両手剣、腰に短剣を装備している。
(ルージュの装備は、魔力を使って召喚しているらしい)
なんか、俺達は凄いアンバランスだと思いながら歩いていると、商業ギルドに到着した。
そして、中に入ると俺とルージュは、カウンターの方を見て、比較的空いている、オッサンが受付している所に並んだ。(やはり、美人の受付は長い列になっている)
そして、俺の順番がきてスキンヘッドのオッサンが話かけて来る。
「昨日ここに来た坊主だな。とりあえず、今日は何しに来たんだ?」
「それは、雑貨屋の商品になりそうな物を集めています。ここは鉱石が大量に取れると聞いてきたのですが本当ですか?」
俺は、そう聞いてみると
「そうか、最近レアな鉱石が発見されて人が増えたから、お前もその一人か」
うん、そうです。
そう頷くと、やはりなと言ってきた。
「確かに、レアな鉱石のミスリルが採掘されたが、あまり量はなかったぞ。ちなみにその分は、すでに購入されてこの街から運び出されたぞ」
(ミスリルとは、同じ量の鉄より十分の一の重さで、数倍の硬さを持っている魔法金属である)
「そうかですか、でも鉄や他の金属も掘り出されるから鉱石を購入したいのですがいいですか?」
「なる程な、それならかなりの量があるから大量に買えるぞ。なんならインゴットに加工もできるぞ」
それを聞いて俺は、他の街に売りに出せば、新たに一等地に二号店を出せるかもしれない。
そう考えていると
「そういえば、お前さんポーションとか持ってないか? 鉱山にはゴーレム系の魔物がいるから怪我をしてくる奴らが大量にいるんだ。在庫が有れば売って欲しい」
それなら、空いている時間で錬金したので、そこそこの在庫があるので売る事にする。
少しして、オッサンが俺とルージュを相談室に連れて行って、それから商売の話を開始した。
ただ、これは商人の仕事だよな。
最近、雑貨屋の店員をやれていない様な気がします。
まぁ、それはさておき、俺とルージュは席に座り、反対側にはオッサンといかにも、私計算出来ますよという女性が座っている。
そして女性が口を開いた
「それでは、商品を見せてもらってもよろしいでしょうか?」
俺は、この人苦手なタイプかもと思いながら、商品のポーションや売れそうなアイテムを、アイテムバックから取り出す。
「お前さん、アイテムバックを持っているのか。もしかすると意外と凄いやつかもしれないな。横の護衛の姉ちゃんもかなり豪華な装備を着ているな」
「確かにそうですね。それよりもこのポーションを見てください。七等級までのポーションしかないですが品質はかなりいいですし、本数も百本以上ありますよ」(ポーションのランクは十等級が一番下で一等級が一番上)
俺は、売り込みのチャンスだと思い、どれくらいので値段になるのかを聞いてみた。
「それでは、このアイテム類どれぐらいの値段になりますか?」
俺は、二人を見ながらそう言ってみる。
すると、かなりの値段になったので、俺はその値段で取引をする事にした。
後、鉱石を安く売ってもらえる事にもなった。
ただここで油断していると、とんでもない事になるので、気を引き締めていこうと思う。
もちろん、その後も特に問題は無く、何事もなく進んだ。
そして、商談も上手くいき、ロビーのイスで商業ギルドの商品カタログを見ながら、どれを買うか悩んでいると、いかにも面倒そうな男女数人が受付と言い合いの喧嘩をしているのが、聞こえて来る。
俺は喧嘩している方を見てみると、リーダーぽいドレスアーマーを装備した少女が、受付の女性に何かを抗議している様だ。
俺は、その状況を見て頭を抱える。
他の人を見ると、無視をしているので、受付の人も呆れ気味に聞いていると、ルージュがある事を言う。
「なあダンナ、あいつらうるさいから黙らせて来てもいいか?」
うん、横で物騒な事を言っている奴がここにいるが、ややこしくなるので止める。
「とりあえず、今日のカタログは貰えたから外に出ないか?」
俺はそう言って、ルージュと一緒に外に出ようとしたが遅かった。
何故かと言うと、受付の女性を俺と商談していたオッサンがフォローしに行って、その後に俺の方を指刺しながら何かを言っていたからだ。
俺はそれを見て、強引に外に出たかったけど声をかけられてしまう。
「貴方、受付の人に聞いたわよ。腕利きの商人だって。ならわたくしと商談しないかしら?」
うん、絶対嫌な予感がするが商談は気になる。
後、突っ込みたい所もあるけど放置する事にする。
その後、結局商談する事になったので、オッサンと受付の女性を巻き込んで相談室に、またトンボ帰りする事になってしまう。
そして、長方形の机にイスが長い方に五個ずつ短い方に二個ずつ置かれた部屋に到着した。
そして、全員が座り終わり商談が始まり、相手のリーダーぽい水色の少女が口を開く。
「わたくしの名前は、アラミス・バートズですわ。ソーラント辺境伯様の配下の男爵家令嬢で、来年から王都の学園に通う者ですわ」
なる程、ですわ口調のお嬢様でしたか。
あと、何気にローゼの家の配下の貴族とか、なんか嫌な予感がする。
「ちなみに、後ろにいるのは私の護衛の騎士と従者よ」
多分、殆どの人が言われなくても分かると思うが、一応確認として聞いておく。
自己紹介が次は俺達の番になったので始めようとすると
「俺のな『少しいいかしら、貴方が喋るの? てっきり貴方は使用人で、横の豪華な鎧を着ている彼女が商人だと思ったのですが違うのですね』……よし、ルージュ黙って帰るぞ」
「了解した。正直俺様も、この事を聞いてキレそうだから早くここから出たいぜ」
俺とルージュが外に出ようとした時、オッサンとギルド職員の女性が止めて来る。
「少し待ってくれ、相手は貴族だそ。ここで面倒ごとを起こしたら大変な事になる」
「ねえ、薄汚い使用人、わたくしの願いを叶えなさい。そうすれば少しくらい報酬を差し上げますわ」
うん、そっちがそうくるならこっちも反撃するぞ。
「すみませんが、オッサンと女性ギルド職員さんは外に出でもらえますか? 勿論暴力はふるいませんので安心してください」
俺はそう言って二人を外に出した後、男爵令嬢と話し合いを始める。
「何かしら? もしかしてわたくしに使われるのが嬉しいから、お礼を言ってくるのかしら」
その言葉に、ルージュが殴りかかりそうになったが、何とか無理矢理止める。
「これからある人物を交えて、商談をしたいと思っていますが大丈夫ですか?」
俺は、一応許可を取るために、そう聞いてみる。
「なる程、商人仲間ですか? それならわたくしの目的もすぐに果たせそうですわ」
よし、許可が取れた。
そして、俺はアイテムバックから通信水晶を取り出して、ある人物に通信する。




