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作戦会議二日目

 そして、対策会議の出席者が全員集まって


「それでは、二日目の会議を始めます」

 

 クルフトさんが、席を立ち喋り始めた。


「その前に、一つ質問があるのですが? 今回ワタシ達はこうやって戦える人を集めていますが、ゴブリンは比べ物にならない程の数を集めているから厳しいと思いますが」

 

 やっぱり、そこだよな。


 数が多いと、倒すのが大変だからな。


「それはそうですが、こちらも完全に戦力が揃ってないので辛い所があります」

 

 まぁ、その辺も難しいな。


 確かに、援軍は来たけどローゼが連れてきた騎士は二百人なので、足しても二千何いかないしな。


 そして、答えがまとまらず時間だけが過ぎて行って全員が悩んでいる時に、いきなりドアが開いてエルナ少尉が入って来る。


 ノックもせず、いきなり入ってきた事に支部長が怒ったがエルナ少尉は


「すみません。ノックもせず入室してしまって、ですが緊急事態なのです」

 

 その焦りよう、俺の予想が合っていたらかなりマズイ事になるな。

 

 そう考えていると案の定、当たってしまう。


 とりあえず、エルナ少尉を落ち着かせて話を聞く事になる。


「もしかして、ゴブリンに何か動きがあったのですか?」

 

 クルフトさんがそう聞くと、エルナ少尉が頷く。


「観測班からの連絡なのですが、ゴブリン達がこの街に進軍して来たとの事です。数は最低でも一万弱と聞いてます」

 

 やっぱりそうだと思ったよ、ちくしょう。


 その事を思い、俺は頭を抱えてしまう。


「それは、大変な事ですね。ワタシ達も早く迎撃の準備をしないと、主君達は一緒について来てください。あと、討伐部隊はゴブリンキングと戦うための準備をお願いします」


 そう言って、ローゼが立って俺の左腕を掴み、最初に騎士達を治した広場に連れて行かれる。


 そして俺は、この時また何か嫌な予感がすると思う。


 少しして、広場に着いて周りを見ると、すでに準備が完了している冒険者と騎士達がいた。


 そして、ローゼが馬に乗り戦いの前の演説?  を始めた。


「皆さんも、この街にゴブリンの大群が侵攻しているのは聞いてますよね」


 その問いにみんなが頷く。


「ですが、ワタシ達は負けるつもりはないです。勝つために戦います。確か、に数では大幅に差があるがこっちには切り札があるので大丈夫です」


 そんな物あったか?


 そう考えているとローゼが話を続ける。

 

「それに、時間が経てば父上からのさらなる増援が入ります。最悪そこまで持ちこたえたら、何とかなる可能性が高いです。他には、討伐隊は先鋭揃いでさらに凄腕の回復魔法使いもおられるので大丈夫ですよ」


 その、凄腕回復魔法使いとは誰だろう?  俺はただの雑貨屋の店員だから違うだろと思っておく。


「他にも、色々な事を話したいが時間もありませんし、防衛隊は国軍支部長と冒険者ギルド長の所に行ってください。物資を任されている人達は商業ギルド長の所です」


 うん、絶対に人選が間違っているよな。


 多分、俺は討伐部隊に配属じゃなくて物資班だと思うが。


 そう思っていると


「後は、先鋭の騎士と冒険者、後ハルヤ殿 (周りの人がいる時は主君呼びはひかえてもらった)達はワタシと訓練所に来てください。最後の確認をしますので」


 あの、その確認をしたくないのですが、というか行きたくないのですが。


 そう思っていたが、無理ですか、わかってましたよ……。


 そして、最後の確認が始まった。


 一体何故、雑貨屋店員の俺が討伐部隊に参加させられているのだろうか?


 だが、他の人達はそんな事は御構い無しに話を進める。


「作戦は、まずはハルヤ殿がやられない事です。回復魔法使いで、さらにかなりの数を連続で使える事を報告されてますので。後、実際に百人の騎士を回復した事は支部長から聞いているので確実です


 その事で、ソーラント辺境伯領から来たローゼの部下の騎士が手をあげ質問した。


「何故、そんな凄腕の回復魔法使いが辺境の中の辺境にいるのですか?  王都や我が辺境伯領に来られたら出世は確実ですよ」


 そうだよな、普通そう考えるよな。


 だが俺は違う。こんな力は使わずに平和に暮らしたいんだよ。


「その事に関しては、本人から聞く方が良いですね。ハルヤ殿お願いします」


 そんなお願いされたくないわ!?


 案の定、ローゼの一言で他の人全員(レイナ達も)が俺の方に向いてきた。


 なので、仕方がないので俺は答えることにした。


「それは、ただ単純に平和に雑貨屋店員として働きたいからです。ぶっちゃけ名誉とかどうでもいいんですよ。面倒ごとが増えるだけですからね」


「だ、そうだ納得しましたか?」


 とローゼが全員を見渡したが、納得していない人もいるみたいだ。


 後、俺の本心だし一回助けたら何回も助けないと行けなくなるし、それが当たり前と言われてブラックで働かされるのは嫌だからな。


「それよりも、今回大事なのはゴブリンキングの討伐なので、その事を忘れないでくださいね」


 ローゼはそう言い、話を変えた。


「まず、今回討伐部隊に参加するのはソーラント辺境伯個人が所有する騎士の先鋭二十人、高ランク冒険者の合計人数十四人、次に国軍の先鋭十四人、そして最後にワタシとハルヤ殿と護衛三人の計五十三人で戦います」


 何故こうなるんだろうか、最近こんな目しかあってないような気がする。

 

 そんな事を考えているが、話はまだ続いて行く。

 

 そして、作戦や万が一の敗走の逃げ場所とか色々話し合い、ついにゴブリンと戦う事になった。


 討伐部隊と防衛部隊が街の壁の外に出て、まずは弓や魔法で迎え撃ち数を減らそうという計画だ。


 少しして、ゴブリンの大群が見えてくる。


 一番前にはゴブリンジェネラルと思わしき、大きな騎士鎧を身につけて剣と大盾を持ったゴブリンが近づいて来た。


 そして、ついに魔法と弓の射程内に入ったので攻撃の合図か出る。


「よし、射程内に入った。遠距離使い攻撃開始」


 その一言で、攻撃が開始されてゴブリンが少しずつ減っていったが、ゴブリンジェネラルは盾を構えて防御しながらこちらに近づいて来る。


 俺は、ある状況が気になって、横にいるソルにある事を聞いてみた。

 

「少しいいかソル?  何か思っていたよりゴブリンが討伐されていないのだが、気のせいか」


 その問いに


「気のせいじゃないわよ。多分、ジェネラルがいることによって、他のゴブリンの士気が上がっているのが原因だと思うわ」

 

 なる程、それは厄介だな。


 そう考えて、俺は支給されたアイテムポーチの中から、前に使った事がある魔水晶アイスランスをアイテムポーチから出して、魔力を込める。


 それを見たレイナが


「そうか、前の赤オーガ戦で使った奴でゴブリンジェネラルを攻撃するんだな。それなら倒せそうだな」


 と言ってくるが俺は


「悪いが半分正解だな。俺がやりたい事はあの盾を壊す事だな。盾が無くなれば防御力がかなり落ちるからな。あとは、この遠距離攻撃の中で倒せそうだからな」

 

 そう言い、前と同じく大きな氷の槍が召喚されたので、ゴブリンジェネラルに打ち込む。


 すると、今度は逆に俺の方が半分正解になってしまう。


 その理由は、俺の氷の槍はほぼ並行に飛び、たまたまゴブリンジェネラルが矢の雨を防ごうと盾を上に上げていたので、胴体がガラ空きだったので胸を貫き倒れた。


 それを見た俺、ソル、レイナはこう思った。


 また、ラッキーパンチが起きたと。(ちなみにエルは固まっていた)


 ちょっと待て、今回はこれでも込める魔力を抑えたからな。それなのに何でまたこうなるんだ。(しかも今回は討伐してしまった)


 それで、俺たちが固まっているとローゼがこちらに来て


「凄いですね主君。まさか、あんな魔法が使えるとは、あれなら王都の凄腕魔法使いにも余裕で勝てますね」


 いや、別に俺は勝つ気も戦う気もないわ!


 そう考えていると、こちらの士気がかなり上がったので


 それに便乗してローゼが


「ゴブリンジェネラルの一体が討伐されました。近づいてくるゴブリンを防衛部隊は各個撃破、討伐部隊は突撃しますよ」


 うん、絶対やらかしてしまった。


 俺は、そう思いながらローゼに連れられ突撃していくことになった。



投稿した話の改修を少しずつ行なっていきますので少し遅れるかもしれないです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の魔力が桁違いなので、魔法アイテム使わせたら回復役以上のことになってしまうの、唖然とする状況ですね、でもこれで大勢の人から攻撃魔法使いだと誤解されてしまいそう。
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