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ローゼとある問題

 俺が何かに引っかかっていると、ローゼが話を続けた。


「今、ワタシが率いて来た辺境伯個人の騎士の数が約二百人でお父様が国軍に頼んでいるから、後どれくらい来るかわからない」

 

 そうか、何か引っかかっていたかわかった。


「そういえばローゼ、一つ聞きたいことがあるがいいか?」

 

「何ですか、主君」

 

 よし、許可は貰えたし聞くか。


「何でこんなに早くこの街に来れたんだ? 普通会議とかなって、数日は来ないと思っていたし、さらにローゼが話来たこともびっくりした」


「それは、主君がこの街に住んでいるからですね。昔ワタシが助けられた時に、出来たら俺の騎士になってくれと頼まれて今ここにいます」


 ローゼは青色の瞳で俺の方を真剣に見てきた。けどそれでは説明になっていないぞ。


 それについて突っ込もうとした時、


「ハルヤ君、そんな約束したんだね。確かに表立って戦闘するのは、得意そうではなさそうだからね。それにしてもローゼとどうやって知り合ったんだい?」


 とエルが不思議がっているので、俺はローゼの方を見て頷いて来たので話すことにする。


「それは、今から七年前の話だな。その当時は俺は育ての親の爺さんと一緒にソーラント辺境伯領に仕入れに行っていたんだ。そして、たまたまボロボロの女の子を見つけて、怪我をしていたから回復魔法をかけた」


「ちなみに私とソルは、冒険者になるためロートスで訓練していたから話でしか知らないぞ」


「そうなんだね。それで続きを聞いてもいいかな?」


「別にいいが、最初から説明するから、長くなるからな」俺はエルにそう言った。

 

 それに対して『大丈夫だよ』と言われた。


「それなら続きを話すぞ。もともと俺はレイナとソルから一緒に冒険者になって有名になろうと誘われていたけど、平和に暮らしたい俺はそれをずっと断っていたんだ」


「なる程、昔から大変だったんだね」

 

 エルが俺の話を聞いて頷く。(誘っていた本人は目をそらしてきた)


「それで、ある日商品の仕入れに行くために、爺さんとソーラント辺境伯領に行って、やる事が終わって街を探検していた」


「その頃、ワタシは貴族の勉強やレッスンが嫌になって家出して街を彷徨っていた」


 ローゼが付け加えてくる。


 俺はローゼの話が終わったのを確認して続ける。 


「それで爺さんと街をぶらぶらしていると裏路地に、青髪でボロボロの女の子がうずくまっていたんだ。それで保護して回復魔法をかけた後、話を聞こうとすると、俺の方を見てきて抱きついてきたんだ」


 この事を話した後、ローゼを見たら俺の方を恥ずかしそうに見ている


 でも、俺は話を続ける。

 

「話を聞くと『自分は辺境伯の娘だが、家に帰れなくなった』と言って泣いていたので、俺と爺さんは貴族街の入り口まで行って、たまたま辺境伯家のメイドが探しに来ていて、ローゼを見つけると泣きながら抱きついていたな」


「そうだな、あの時のワタシは相当弱っていたから凄く嬉しかった記憶がある」

 

「その後、辺境伯家に招待されて当主様に凄く感謝されて色々お礼を貰ったな」


 今でも、あの時は凄かったと思い出す。


「その後、ワタシもお礼したくて主君に何か欲しいかと聞くと、『自分を守ってくれる騎士がいいな」と言ったので、ワタシがその騎士になろうと王都の学園の騎士科に通っています」


「なる程、いい話だね」


 エルが俺達を見ながら頷いている。


「でも、その後が問題だったんだよ。その当時、俺と爺さんは二ヶ月に一回の頻度で、ソーラント辺境伯領に行っていたんだが、毎回俺はローゼの遊び相手になって色んな所に振り回されたからな。後、何か大事な事を忘れているような……」


 その事を聞いて、今まで静かだったソルが口を開く


「でも、今回のゴブリン大量発生とは殆ど関係ないわよね」


『あっ』俺、エル、ローゼはその事を思い出した。


(ちなみに、レイナは寝ていたのでソルのゲンコツを何発か食らっていた)



 改めて話し合いが進められた。


「今回のゴブリン大量発生の討伐部隊に、ワタシと先鋭の二十人も参加することになったので合計は五十三人になった事を伝えておきます」


 おいおい、前の赤オーガの時とほぼ同じ人数になっているな。


 そう考えていると、頭にタンコブを乗せたレイナが手を上げて質問した。


「でもさ、今回も私達はハルヤの護衛をすればいいんだよね」


「そうです。ここにくる前に色々聞きましたが、この作戦は主君を守ることが大事になって来ます。そして、適任者はワタシになります。。何故なら、かなり厳しい訓練にも耐えてきて、沢山の事を学んで来たからです」


 うん、なんか凄い不安になるのは俺だけか?


「後、ボク達もハルヤ君の護衛に参加するよ。君一人だと心配だからね」 


 エルが当たり前のように言ってきた。


「そういえば、連携とか作戦とか考えておかないといけないと思うのはわたしだけかしら?」

 

 ソルのその問いに俺以外の三人が頷く。


「その件だが、一応作戦は考えておいたぞ。まず俺の前にソルがたって左右にエルとレイナだ。それで、後ろは槍が主な武器のローゼが後ろの配置だ」 


 俺は席から立って四人を見渡す。


 そして、特に反論がなかったのでこの配置で行くことにした。


「続けて作戦だか、とりあえず近づいて来たゴブリンを倒し続けるのが基本だな。怪我とかしたらすぐに俺が回復魔法をかけるから早く言ってくれよ。後、ゴブリンキングと取り巻きは今戦うのはキツイから出来るだけ避けることいいな」 

 

 その言葉に、四人が頷く。


 そんなこんな話していると、かなりの時間が経ってお腹が空いてきたので、食事場所に向かうことにする。


 また、三人が大量に食べて、今度はローゼが唖然としていた。



 次の日、俺は用意された国軍支部の部屋で寝ていると、何かが上に何か乗っていると思い目を開けると、ローゼが俺にのしかかって爆睡していた。


 しかも俺の体にガッチリ手を回し寝ているので、離そうとしても離れない。


(何故か知らないけど、俺達は五人とも同じ部屋に入れられて、六個用意されていたベッドに各々入って寝ていたがこのザマだ)


 そして、まずエルが起きてこちらを見ると、思いっきり目を開けて何が起きているんだと聞いてきた。


「なんで、ローゼがハルヤ君の上で寝ているんだ!?」


「そんな事言っている場合か!  後、ローゼは前より力が強くなっているし、ガッチリ掴まれているから離れないんだが。おい、ローゼ起きろ!?」


 俺は、何とかローゼを起こそうとするが全く起きない。


 その声に気づいて起きた、レイナとソルが俺の方に来て、ローゼを無理矢理、離そうとするが離れない。


 そんなこんなで離そうといている時、ローゼがやっと目を覚ました。


「あれ、ワタシ、主君と一緒に寝てたんだ。それだからいい匂いがしたんだな。このまま二度寝する、おやすみ」

 

 いや、待て待て起きろ!?


 そしてその後、また爆睡しそうになっているローゼを強引に叩き起こし何とか離れてもらう事に成功した。


 みんなが起きて、自分がどのベッドに入っていたかを確認し俺は無罪だと判断された後、ローゼは三人からゲンコツを落とされて、係の者が呼びに来るまで正座していた。



 係の者(エルナ少尉)が昨日と同じく会議室まで案内してもらってローゼを加えた俺達は五人は中に入った。


 すると、中にいた人達全員が席から立って、こちらに頭を下げてきた。


 そして、ローゼが


「そんなにかしこまらなくていい。今回は主君を守る義務があると思い、ここに来たわけだからな」


 おい、何故ここでその事を言うかなお前は。


 案の定、中にいる人たちからよくわからない目で見られたので俺は


「ただの雑貨屋店員ですよ」


 と念押ししておいた。


 それはさておき、今回はソル達の席も用意され、全員が座ったところで今日の会議が始まった。


2000pv突破しました。皆さま読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 順調にヒロインが増えて個性を発揮していくスタイル、いや今はゴブリンが重要なんだった、まあ人数は大いにこしたことが無い!
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