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ゴブリンのランク説明

 俺とエルは、他の三人からゴブリンの事を聞いていた。


「まず、普通のゴブリンのランクは、一体ならFで群れならランクが一つ上がってEになるわ。それで、上位個体はボブゴブリン(Eランク)、ゴブリンソードマンやメイジなどが(Dランク)、ゴブリンリーダー(Cランク)、ゴブリンジェネラル(Bランク)、そしてゴブリンキング(Aランク)の順番で強さが分かれているわ」


「そうなんですね。ゴブリンといっても色々な個体がいるのですね。後、前のイレギュラー魔物の赤オーガみたいに変異種はいるのですか?」


 ふと気になったので聞いてみた。


「少なくとも、ロートスでは現れた記録はないわ。でも、もしかすると他の所で現れている可能性は十分にあるわね。その場合はランクがわからないからとんでもないことになるかもしれないわね」


 なんか凄い怖い事を言ってきた。


「わたし達も、ゴブリンとは何回も戦った事はあるけど、群れと戦っている時に他の群れが来ると、さらに数が増えて厄介な事になるわ」


 ソルが、面倒くさそうな顔をしている。


「さらに、その中に上位種が混ざっていたら、私達は引くしかないからな。でも囲まれていると逃げるのも難しい時もあるから大変な相手だ」


 レイナも、ソルと同じく面倒だと思っているみたいだ。


「後、今回は大規模な群の可能性が高いから、少なくて数千、多くて一万くらいはいるかしら」


 流石に、それはヤバイな。


 そう思っていると


「その規模の群れなら、下手すればこの街が壊滅する可能性もあるよね。ボクが知っている限り戦力的には向こうの方が上だと考えるね」


「でも、辺境伯様の領にはかなりの戦力があるわ。わたし達が時間を稼いで到着が間に合えば、勝機は十分にあるわ」


「でも、現実的に言いますが、この街から辺境伯領まで馬車で順調にいっても丸三日はかかりますよね。話し合いとか含めたら一週間は軍は来ないと思いますね。」


 俺がそう言うと、他の四人が頷く。


「そうよね。でもゴブリンの方もまだわからないし思ったより小さな群れかもしれないから、そう願いましょう」


「そうだな、悪いことばかり考えると本当にそうなってくるからな。最悪攻めてきても、私達が時間を稼げばと思っておけばいいから大丈夫だ」


 レイナの言葉に、俺以外の三人が頷く。


「あの、確かにゴブリンの話は大切だけど、ボクお腹が空いたから、そろそろ何処か食べに行こうよ。」


 話していると、エルのお腹が鳴った。


「そうだな、今日はメルさんが奢りだから大量に食べまくるぞ」


 俺がそう言うとレイナ、ソル、エルが嬉しそうに笑った。


「出来れば程々にしてもらってもいいかしら。流石に私も生活があるからお願いね」


 メルさんが何かを祈っている。


 この後、流石にメルさんの生活もあるので、一定料金払えばいい食べ放題の店に行き、俺とメルさんを除いた三人はまた、大量に食べて店員を固まらせていた事だけは伝えておこう。



 それから三日が経った。


 今日もいつも通り起きて朝ご飯を作って四人で食べた後、ゆっくりしていた時、何者かが店のドアを叩いている音がする。(ドアはギルドによって修復された)


 俺とソルが対応してドアを開けると、そこには焦った顔をしたエルナ少尉と部下の騎士がいた。(兜は外している)


「よかった、ハルヤ殿が家にいてくれた。申し訳ないが緊急事態です。護衛の方々と国軍の支部に来てもらってもよろしいですか?」


「わかりました。ソルはここで待っていてくれ、俺はレイナとエルを呼んでくる」「わかったわ」


 そして、レイナとエルを呼んで来て最低限の装備をした二人を連れて、もう一度外に出てくる。


 すると、エルナ少尉が


「今回は馬車を用意しています。完全武装してから乗ってもらってもいいですか?」


 そう言われたので、俺達は一回家の中に入り各々の完全装備に着替えて、国軍が用意した馬車に乗り支部に向かった。



 急ぎながら国軍支部に着くと、そこには怪我をした騎士が百人くらい横たわっていた。


 支部長が、到着した俺の方を見て走ってこっちに来た。


「ハルヤ殿すまない。いきなりでなんだが、治療している騎士達を回復してほしい、頼む」


 そう、思いっきり頭を下げられたので


「ポーションとかは用意していないのですか?」


 と聞いてみると


「実はポーションはゴブリンとの戦闘になった時にかなりの数を使ってしまって品不足なのだ。錬金術師にも前から要請してかなりの量を用意していたのにこのザマだ」


 支部長は悔しそうに拳を握り締める。


「わかりました。回復魔法をかけるので支部長は他の人に伝えてください。ソル達は俺の近くにいてくれ」

 

 支部長はわかったと言い他の所に走って行きソル達も『了解』と言って俺の近くにいた。


 よし、ここからは副業のお仕事だな。


 そう思って怪我人に回復魔法を使う。


 そして、大量の怪我人を治し休憩所に行って休んでいるとエルナ少尉が来て


「これから、作戦会議が始まるから是非出席してほしい」

 

 と言われたので、雑貨屋の店員にこれ以上何させるんだと思いながら、渋々出席することにした。


 少しして、俺達四人は作戦会議をする場所に移動しエルナ少尉がドアをノックした後、中に入った。


 すると、中にはこの街の町長、ギルド長と副ギルド長、支部長と秘書さんが中にいた。


 俺は、エルナ少尉に先導されて決められた先に座った。(三人は俺の後ろに立っている)


 少しして、副ギルド長が席から立って書類を見ながら説明を始めた


「皆様、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。今回進行役を務めます、副ギルド長のクルフトです、よろしくお願いします。」


 なる程、クルフトさんが司会を務めるのか。そう考えていると話が続く。


「今回の緊急の会議が何故起きたかと申し上げますと、数日前に起きたゴブリン大量発生の件です。今回国軍と合同で調査しましたが、ゴブリンキングが発見され、さらに一万近くの群れになっていることが確認されました」


 いやいや、それはかなり不味くないか!? ゴブリンの一万近くの大群どうやって戦うんだよ!


 案の定、町長のツルットさんが手をあげて発言した


「はっきり言うが、この街は守りきれるのか? 辺境伯様に援軍を頼みに行ったのは知っているが、いつ着くんだ。流石に今の戦力じゃあ、ほぼ無理ではないかね」


「確かに町長の言っている通りこの街の戦力は国軍が役約四百人、冒険者は役約三百人、衛兵は八百人の計千五百人+αなので難しいですね」


「先ほど、ハルヤ殿に怪我をした騎士、約百人を治してもらったから近いうちに復帰出来ると思うが、それでも戦力差はかなりあるな」


「冒険者ギルドも、今いる中で最高のランクはAランクのパーティーが一組だけで、その他はBランクが三組でCランクが七組スタンバイしている」


 ちなみに、そのAランクのパーティーのリーダーは、前戦った赤オーガの時の総リーダーの所らしい。


 というか、よくよく考えてみたらこれ詰みかけてない。


 どう考えても戦力的に差がありすぎで、籠城して辺境伯様の援軍が来るまで待つしかないんじゃないか。


 そう思っていると、クルフトさんが俺を指名してきた。


「ハルヤさん何かいい方法ありますか?」


 あるわけないだろ。だが、現実は非道で他の人全員が俺の方に向いてくる。


「申し訳ありませんが自分が思いつくのは籠城か、少数先鋭でゴブリンキングとゴブリンジェネラルを倒して離脱するくらいしか思いつかないです」


『なる程、その手があったか』


 えっ、何か嫌な予感がするのですが。


 そして、この時の発言で俺はさらに大変な目にあわされることになった。



今日も朝と夕方2回投稿させていただきます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ゴブリンキング討伐、敵の頭を叩くのに最大戦力を差し向ける流れだと、ハルヤは危険な中に突入することになるし。 籠城戦だと一万のゴブリンに脅かされる仲間を延々回復することになる。 どちらをとっ…
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