〈ルーミア視点〉
ハルヤがとんでもないことを言っているころ、ルーミア達はダンジョンの中にいた。
「この辺は弱いね」
「妾は家主について行きたかったのに、何故ダンジョンの中にいるのじゃ……」
「それは、ハルヤがダンジョン内に逃げる時の仮拠点を探してくれ! と言ったからだよ」
目の前にいる、ブラウンゴブリンを奴隷達に戦わせながらルーミアは言葉を発する。
「さてと、僕達も動かないとね」
「帰ったら絶対家主に甘えてやるのじゃ!」
フラウは半分呆れながら前の敵を見る。
ルーミア達がいるのは低層にいて、他の冒険者もいる。ただ、本人達は普通に無双している。
「この武器は強いな」
「ウェルさん、前に出すぎですよ!」
「それを言うならアイリスも出ているだろ」
「アッ! アタシをこの脳筋と一緒にするな!」
「何が脳筋だ!」
アイリスとウェルが喧嘩になりそうだったが。
「君達、何をやっているのかな?」
「「「「!?!?」」」」
ルーミアの威圧で2人の心がポッキリ折れた。
「す、すみませんルーミア様!?」
「は、ひぃ」
怒られた2人は膝を下り頭を下げていた。それを見たルーミアは口を開く。
「君達に言っておくけど、ここで無惨に死んでくれても僕は気にしないよ」
「ルーミア、そのことを家主に言ったらどうなると思うのじゃ?」
「それは……。ただ、僕はそれができることを覚えておいてよ」
「「は、はい」」
ルーミアの威圧がゆるまったので、何とか立ち上がるウェルとアイリス。
ルーミア達はブラウンゴブリンを蹴散らしながら歩いていると、ある物を見つけた。
「ふむふむ、この辺はポーションの素材が生息しているんだね」
「ルーミア様、ここには危険な魔物が!」
「あー、クライ草なら倒したよ」
「「「「え?」」」」
ルーミアは魔力の威圧で周りにいる雑魚を倒し、普通に薬草類を採取していた。
「これでハルヤの喜ぶ顔が!」
「家主の愛情は妾だけじゃ!」
フラウも負けずに薬草を拾い始め、奴隷達は固まるしかなかった。
そして、大量に採取した薬草類をアイテムバックに入れて帰りの道を歩く。