商業ギルドにて
アルフィーネはハルヤの言葉に驚きを隠さなかった。
「まさか冒険者ギルドのマスターがそんなことするなんて……」
「あの、なんで知らないフリをしているのですか?」
「へ?」
ハルヤには、アルフィーネが演技をしているようにしか見えなかった。
「はっきり言いますが、隠れて追跡していたことは知ってますよ」
「ハァ、まさかバレているなんてね」
アルフィーネが演技をやめて薄ら笑いを顔に貼り付けた。
「貴方達が何者かと調べていたけど、全く情報がなかったから調べていたのよ」
「ふむふむ、言い訳はいいので実際は?」
「そんなこと言うわけないじゃない」
「でしょうね」
ハルヤはうなずき、これからどう動くかの説明を始めた。
「話が変わりますが、前に来た時に冒険者ギルドやクランのことで揉めている状況を見ました」
「あら? 何故このタイミングでその話をするの?」
「逆にこのタイミングだからですよ」
ハルヤは眼光を鋭くして答える。
「貴方達はこのまま冒険者ギルドに好き勝手やらせてもいいのですか?」
「それは……でも、商品がないから無理よ!」
アルフィーネがいきなりテーブルを叩き立ち上がった。
「そう言うと思いましたよ」
予想通りと思ったハルヤはマジックリュックからある物を取り出す。
「これを鑑定してもらっても大丈夫ですか?」
ある物、七等級のポーションをアルフィーネが受け取る。
「これって回復ポーションよね……。でも、こんな」
アルフィーネは唖然としながら鑑定士を呼んだ。
「アルフィーネ様、何か御用ですか?」
「えぇ、このポーションをすぐに鑑定してちょうだい!」
「は、はい」
ドン引きする鑑定士はハルヤのポーションを受け取った時、目の色が変わった。
「はっ!? なんですかこのポーション」
「何かわかったの?」
「えぇ。このポーションは七等級ですが、回復力がそのレベルを超えてますよ!」
「前のポーションも似た感じだったけど、それとどう違うの?」
パニックになりかけているアルフィーネに鑑定士が答える。
「前のは手を抜いて作った物で、今回のはそこそこ手が入ってますね」
「そんなものをどうやって手に入れたのよ!」
ハルヤは2人の驚きようを見ながら喋る。
「あ、それ。自分が作りました」
「「は? はぁぁぁ!?!?」」
普通に話したハルヤにアルフィーネと鑑定士は大声を上げた。