ポーションと動き出す裏事情
ハルヤとフラウは微妙な表情をしているアルフィーネに声をかける。
「仕入れ先は答えられませんが、ある程度の数はあるので売りましょうか?」
「本当!? なら回復ポーション500本と魔力ポーション500本はあるかしら?」
「等級を考えなければ大丈夫ですよ」
「え?」
微妙な表情をしているアルフィーネにハルヤはリュックからさっきも同じ、10等級ポーションを合わせて1000本を取り出す。
「うそ……、すぐに買い取るわね!」
唖然としていたアルフィーネは商品を見ると、いきなり商人の顔になった。
「このポーションを灼熱の槍に売ればかなりの儲けになるわ!」
「あの、しっかり報酬は貰いますよ」
「そこは分かっているわ!」
テンションが上がっているアルフィーネにドン引きしている2人。
「家主、大丈夫かのう?」
「さあ?」
2人の呟きが聞こえてないのか、ギルド職員を呼び寄せたアルフィーネは商品を渡していた。
話がある程度まとまったのでハルヤ達は違う話を始める。
「あの、露天を出す話は何処に行きましたか?」
「それならすぐに話は通すわね」
「なら大丈夫ですね」
ハルヤとフラウは話が終わったと思って立ち上がったが、アルフィーネの話は終わってないみたいで話を変えた。
「一つ聞くけど、貴方の今つけている装備はミスリルを使われているわよね」
「はい、金属部分はミスリルですよ」
「そう……もし、ミスリルがあるなら売って欲しいと思ったわ」
「それは無理ですね」
ミスリルの件で痛い目をあったハルヤは首を横に振る。
「やはりそうよね。まぁ、ミスリルが手に入った時は売って貰えると嬉しいわ」
「はい、わかりました」
「それでは失礼するのじゃ」
ハルヤとフラウはギルドマスター室から出てロビーに向かった。
ただ、アルフィーネは部屋に隠れていた諜報員に声をかける。
「さっきの2人の事を調べてちょうだい」
「「「ハッ!」」」
諜報員はアルフィーネの指示を受けて行動を始めた。
「あのイケメンがどう言った繋がりがあるかよね」
彼女の口元がニヤリとなった。
そして、この動きがハルヤ達の運命をさらに混乱させる事はこの時は知らなかった。




