アルフィーネ登場
あの後、受付の人に呼ばれたハルヤとフラウは後ろから来たギルド職員に肩をガッチリ掴まれた。
「はい?」
「は、離すのじゃ!!」
「すみません、急ぎなので失礼します」
後衛メインのハルヤと物理的な戦闘力がほとんどないフラウは、ギルド職員になす術もなく連れて行かれた。
ギルド職員に連れてこられた場所、それはギルドマスター室だった。
「待て待て!? 俺はしっかりとした回復ポーションしか渡して無いのに、ギルドマスター室とか意味がわからない」
「あのレベルのポーションをどうやって仕入れたかを聞きたいと思ってます」
戸惑っているハルヤにギルド職員は冷静に答えた後、ギルドマスター室のドアをノックした。
「ギルドマスター! 主要人物を連れて来ました」
「はい、中に入ってください」
中から聞こえて来たのは若い女性の声だったので、ハルヤは内心驚いていたが考えを切り替える。
「では、失礼します」
ギルド職員がハルヤとフラウを部屋の中に入れて離れて行った。
「さて、貴方達がこのポーションを仕入れた商人ね」
中にいたのは金髪で耳が尖っているエルフの女性。それを見たハルヤとフラウは……。
「ここまで考えてなかった」「ここまで考えてなかったのじゃ」
同時のタイミングで頭を抱えていた。
何とか復帰した2人とエルフの女性は向かい合ってソファーに座っていた。
「先ずは私の名前はアルフィーネ、この商業ギルドのギルドマスターをしているわ」
「……ご丁寧にありがとうございます。自分の名前はハルヤ、隣にいるのがフラウです」
ハルヤ達は苦笑いをしながら答え、アルフィーネは笑っていた。
「ポーション系が品薄の時を狙い澄ましたようなタイミングね」
「その辺は知らないですよ。ただ、無理矢理連れてこられた事にムカついてますよ」
「まぁ、強引なのは認めるわ。でも、私達も慌てていたからそこら辺は理解して貰えるかしら?」
「無理です!」「無理なのじゃ!」
2 人同じタイミングで否定したのでアルフィーネは苦笑いになった。
「確かに無理よね……」
「分かっているなら言わないでください」
ハルヤが睨みつけるように見たので相手は驚いていた。
「ご、ごめんなさい!」
睨みつけられたアルフィーネは勢いよく頭を下げたので、ハルヤ達は追撃を緩める。
「ハァ……。まぁ、この件は置いておいて、貴女達はなんで俺をギルドマスター室に連れて来たのですか?」
「そう、それよ! さっきも少し言ったけどこのレベルのポーションを何処で仕入れたのよ!」
「仕入れ先を言う商人は殆どいないと思うのじゃ」
「それはそうね」
落胆しているアルフィーネに2人は、微妙な表情になり始めた。