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冒険者パーティー天の刃

 ギルド長に交渉という名の戦いに行く前に、互いに自己紹介する事になった。


 そして、俺達の自己紹介が終わり、次は冒険者達の番になった。


 まず、赤髪の体格のいい男性から始めた


「おれはソトス、四人組の冒険者パーティーの名前は天の刃のリーダーをしている。武器は背負っている両手剣を主に使う。好きなものはガッツリした肉料理だ、よろしく」


 なる程、やはり見た目通りだな。


 二人目に、茶髪で小柄な少年が話し始めた。


「次は僕の番だね。僕はクロート、冒険者パーティーの斥候担当で、武器はタガー二本を使うよ。好きなものはさっぱりした魚料理だね。皆さんよろしくお願いします」


 そう言って、俺達の方に一礼してきた。


 三人目は、クロートより薄めの茶髪の女性が笑顔で話す。


「アタイはクルミ、冒険者パーティーの切り込み隊長で武器はメイスと盾でたまに片手剣を使うぜ。あと、好きなものはリーダーと同じくガッツリした肉料理だな。三人ともよろしく頼むぜ」


 男口調で話してくるんだなと思う。


 最後に、俺が四人の中で最初に回復魔法をかけた女性だなと思っていると、自己紹介が始まる


「ワタシはジュリー、冒険者パーティーの後衛担当よ。武器は基本は弓を使って矢が無くなったらサブの短剣で戦うわ。好きなものはクロートと同じくさっぱりした魚料理や。ハルヤさんと他の二人の方もよろしくお願いしますね」


 ふと俺は、このパーティーの構成である事を思った。


 それは、魔法使いがいないじゃないかと。


 疑問に思ったので、何故いないかを聞いてみることにした。


「そういえば、魔法使いがいないようですが、なんでですか?」


 その疑問に答えたのは、リーダーのソトスさんだ。


「まず、冒険者になる魔法使いはかなり少ないんだ。元々魔法が貴重で使える人は大きな街とかに行ってそこでいい所に就職出来るからな。それで、冒険者になるのは変わり者か就職出来なかった落ちこぼれくらいだ。ちなみに前の赤オーガの時は魔法使いを雇っていただけで冒険者ではない奴が殆どだな」


「なる程。ちょっと待てよ、万が一冒険者になったら俺は変わり者か落ちこぼれになるのか?」


「そうなるな。でもハルヤさんはさらに貴重な回復魔法を使えるから殆どのパーティーに勧誘されるな。しかも大怪我になっても、すぐ治せるほどの魔法が使えるからな」


「まぁ、なる気は今の所ないけどな。流石に第三階の(サード・ヒール)はまだいいけど第六階の(シックス・ヒール)は連続で使ったら少し疲れるからな」


 俺がそういうと、エルが驚いて俺の方に来て、いきなり肩を掴んで来る。


「ハルヤ君、第六階まで使えるの!?」


 と聞かれたので


「普通に使えるぞ」


 というと、エルが唖然としている。


 少しした後、復活して俺に向かって早口で喋ってきた


「いやいや、確かにボクは君の回復魔法は見ていたけど使えるのは第三階サードヒールまでだと思っていたのに、まさかそんな高位まで使えるとは思ってもいなかったよ。これが王都又は貴族がいる領ならとんでもないことになっているよ」


(ちなみに魔法の強さは第一階から第八階があり、数字が大きくなる程、魔法の威力が格段に強くなるが、上のランクほど、使える人が限られてさらに魔力消耗が格段に上がります。)


 別にそこは、ぶっちゃけどうでもいいと思っている。


 俺は、毎回言っているが回復魔法使いではなくて、雑貨屋の店員で平和に暮らしたいからな。


 そう考えていると、エルが肩を力を強くしたので、俺は強引に振りほどく。


「そんなに俺の魔法は凄いのか? まぁ、雑貨屋をするにあたって殆ど使わない能力だから、あまり興味はないけどな」


「うん、君ってたまに少しズレているよね、とりあえず凄いとだけ言っておくよ。でも緊急事態を除いて、第三階サードヒールまでしか使わない方がいいよ。余計な面倒ごと増したくなければ」


 確かにそうだよな。


 俺は面倒ごとは嫌いだから、そうさせてもらう事にした。


「ここにいる人は、この事を絶対他の人に伝えたらダメだよ。わかったね」


 エルが真剣な顔をして言ってきたので、みんなは頷く。


 その後、なんとかこの話は終わり、やっと冒険者ギルドに向かうことになった。


 そして、少し問題もあったが冒険者ギルドに着いた。ドアが開いているので中に入ると、レイナが他の女性冒険者とイスに座ってゆっくりお茶を飲んでいる。


 とりあえず、邪魔しないようにしようと俺はゴリマッチョ (ギルド長)にO.HA.NA.SI をしないといけないから受付カウンターに向かうことにした。


 そして、空いているカウンターの前に立つと、係のギルド職員が声をかけてきた。


「今日は何の御用でしょうか」


 と聞かれたので


「昨日、緊急で連れてこられて冒険者を回復魔法で治療した者ですが、まだ報酬をもらってないのでギルド長にアポイントを取りたいのですが可能ですか?」


 と伝える。


 すると


「ギルド長は朝から国軍の支部の方に出かけているので、今はおられないです。昨日の報酬の件でしたら副ギルド長が知っておられるので、お越しになられたら連れてきてくれと言われているのでご案内しますね」


 ギルド職員がそう言い、俺達は天の刃と別れてソルとエルと一緒に副ギルド長がいる部屋に向うことにした。


 少し建物内を歩いて、副ギルド長がいる部屋に案内されギルド職員がドアをノックすると中から声が聞こえてきたので、中に入ることにする。


 部屋に入ると、大量の書類が机や他の所にも積み重なっていて、凄いことになっている。


 そして、その書類の中からメガネをかけた痩せ型の男性が出てきた。


「やぁ、よくきたね。ぼくの名前はクルフト、この冒険者ギルド、ロートス支部の副ギルド長をしているよ、よろしくね。それで、灰色の髪をしている男性がギルド長から聞いているハルヤ君であっているかな」


 なんか凄い苦労人ぽい人が出てきたと思ったが、挨拶されたのでこちらも挨拶を返す。


「そうです。改めまして自分はハルヤです。仕事は雑貨屋の店員をしています。ちなみに回復魔法使いは副業なのでそこは覚えておいてください」


 と軽く頭を下げる。


「なる程、ギルド長から話を聞いてる限り、凄腕の回復魔法使いとしか聞いてなかったけど雑貨屋の店員なんだね」

 

 ソルの叔父さん、なんで肝心な所を話してないんだよ!?


 そう考えていると、クルフトさんが笑っていた。


「また、あの人は大事なことは言っていないんだね。脳筋はこれだから困るよ」


 やっぱり、見ての通り脳筋なんだな。


「しかし、書類でも見たけど凄いんだね君は。ぼくは元々、他の大都市の冒険者ギルドの職員として働いていたけど第三階サードヒールを、連続で使える回復魔法使いを見たのは君を含めて数人だね」


 なる程、貴重なのは知っていたが、大都市でも第三階サードヒールを連続で使える人がそんなに少ないなんて思ってもいなかった。


「少なくとも、ハルヤくんが大都市に行って、その事を知られたら凄い事になると思うよ」


 いやいや、雑貨屋の仕入れでソーラント辺境伯領に行くからバレたくないのですが。


 その事を知っているソルは


「ハルヤは仕入れにソーラント辺境伯領に行くから、あまり目立たないように行動するのが一番ね」


 その辺はいつも行っているから大丈夫だろうと思うが、ソーラント辺境伯領に住んでいる、ある人物を思い出してしまう。


 アイツは、まだ幼馴染よりはマシだけど、あんまり会いたくないからな。


 それに、会ったらまた面倒ごとが増えるからな。


 そう考えていると、エルがある事を話す。


「それより、ボク達はここに挨拶に来たわけではないよね。今日はハルヤ君の店のドア+誘拐した慰謝料請求のためにきたんだよね」


 エルがそう言って副ギルド長を見ると、少し固まった後に頭を抱えていた。


「あの、脳筋ゴリマッチョ何をやらかしているんだ!?」


 うん。俺が副ギルド長の立場ならば同じくそう思うな。


 そして、長い話し合いが始まった。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 厄介事は事後処理も厄介ってな具合で、ともかくがっぽりせしめてやりたいところですね。 [気になる点] この世界、魔法使い希少なわりに、 扱いが雑っぽい感じがある。
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